「丸パクリ疑惑」じゃ済まない…同業が“そっくり投稿”連発、ついに訴訟へ


SNSで発信していた“お役立ち情報”が、気づけば別のアカウントからほぼ同じ形で投稿されていた――。


そんな事態に直面したのは、大阪市に本社を置く保育士専門の人材派遣会社「ベルサンテスタッフ」だ。問題の投稿を調べたところ、発信元は無関係どころか、同じ保育業界の企業だったという。


同社はこれを「盗用」として、損害賠償を求めて提訴に踏み切った。

■時間をかけて作ったコンテンツが“そのまま”別アカウントに
ベルサンテスタッフは2019年から、保育士向けに実務で役立つ情報をInstagramで発信してきた。


海外の保育事情を現地の保育士に取材したり、実際にアンケートを取ったりと、手間をかけて制作していたという。


たとえば「先生が選んだおすすめ保育の参考書10選」という投稿では、専門誌や指導書などをスライド形式で紹介。内容だけでなく、構成や順番にも工夫を凝らしていた。


しかし、その翌月。別のアカウントから投稿された内容が、タイトルこそ少し違うものの、紹介されている書籍の並びやコメント文までほぼ一致していたという。


いわゆる“参考”の域を超えた、極めて近い内容だった。

■他の投稿でも“似すぎている”ケースが複数


問題は1件ではなかった。


「100円ショップの人気アイテム」や「クリスマス会の遊び」といった別テーマの投稿でも、同様に酷似した内容が確認されたという。


ベルサンテ側は、こうした投稿が合計で639枚のスライドにのぼると指摘している。

■一度は「模倣」を認め謝罪も…その後、連絡途絶


同社は、該当する投稿の削除と説明を求めて通知書を送付。


これに対し、相手企業は書面で「模倣」を認め、削除と謝罪の意思を示したという。


一見、話し合いで解決するかに思われたが、その後は連絡が途絶。やむなく訴訟という形に至った。


今回の裁判では、1スライドあたり2万円として、総額1278万円の損害賠償を求めている。

■「これはアウトなのか?」問われるSNS時代の線引き


一方で、被告側は取材に対し「著作権侵害には当たらない」と主張しており、法廷で争う姿勢を見せている。


SNSでは、情報の“まとめ”や“紹介”が日常的に行われている。


だからこそ、「どこまでが参考で、どこからがアウトなのか」という線引きは曖昧になりがちだ。


ただ、今回のケースのように、構成や順番、文言まで一致しているとなると、単なる偶然や参考とは言い切れない印象も残る。

■「手間をかけた側」と「使う側」その距離感


ベルサンテスタッフの中野栄造社長は、「時間と手間をかけて作ったコンテンツを、簡単にコピーして発信するのは許されない」とコメントしている。


SNSは手軽に情報を発信できる一方で、他人の成果に簡単に触れられる場所でもある。


だからこそ、“どこまでなら許されるのか”という感覚は、発信する側一人ひとりに委ねられているのかもしれない。


今回の訴訟は、その曖昧なラインを改めて浮き彫りにすることになりそうだ。
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