名古屋市は、離婚や死別などでひとり親となった家庭を対象に、市独自の「ひとり親家庭手当」を支給している。
所得などの条件を満たした場合、児童1人につき1年目は月額最大9,000円。支給額は年数に応じて段階的に変わり、最長3年間受け取れる。
国の児童扶養手当や愛知県遺児手当との併給も可能だが、自動的に支給される制度ではない。対象となる可能性がある家庭は、居住区の窓口で早めに確認する必要がある。
名古屋市独自のひとり親家庭手当とは
名古屋市ひとり親家庭手当は、ひとり親世帯の経済的負担を軽減し、子どもの生活と成長を支えるための制度だ。
対象となるのは、名古屋市内に住み、原則として18歳に達した後、最初に迎える3月31日までの児童を養育している父、母または養育者。高校を卒業する年度末までが、おおむね対象期間の目安となる。
対象となる主な事情には、父母の離婚、父または母の死亡・重度障害、1年以上の行方不明・遺棄・拘禁、DVによる保護命令、婚姻していない母による出産などがある。
家庭や同居の状況によって判断が異なるため、該当するかどうかを年収や家族構成だけで自己判断するのは避けたい。
支給額は1年目が最大、3年間で段階的に減額
手当額は児童1人あたりで計算され、所得に応じて「全部支給」と「一部支給」に分かれる。
| 支給開始からの期間 | 全部支給 | 一部支給 |
|---|---|---|
| 1年目 | 月額9,000円 | 月額4,500円 |
| 2年目 | 月額4,500円 | 月額3,000円 |
| 3年目 | 月額3,000円 | 月額3,000円 |
全部支給が3年間続いた場合、児童1人あたりの総額は次の計算となる。
1年目は9,000円×12か月で10万8,000円、2年目は4,500円×12か月で5万4,000円、3年目は3,000円×12か月で3万6,000円。3年間の合計は最大19万8,000円となる。
児童が複数いる場合は、それぞれの児童について支給額が計算される。
支給停止中も3年間の期間に含まれる
支給期間は最大3年間で、所得超過などによって手当が停止されている期間も含まれる。
例えば、一時的に所得基準を上回り、その年の手当が支給されなかった場合でも、支給期間そのものが後ろへ延長されるわけではない。
手当は原則として申請した月の分から対象となり、2か月分がまとめて指定口座へ振り込まれる。申請前の期間までさかのぼって受け取れる制度ではないため、早めの相談が重要だ。
国・県・市の手当は何が違うのか
ひとり親家庭に関係する手当は複数あり、名称や支給期間が似ているため混同しやすい。
| 制度 | 実施主体 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 児童扶養手当 | 国 | ひとり親家庭などを対象とする全国制度 |
| 愛知県遺児手当 | 愛知県 | 県独自の制度で、支給期間は最大5年間 |
| ひとり親家庭手当 | 名古屋市 | 市独自の制度で、支給期間は最大3年間 |
名古屋市ひとり親家庭手当は、国の児童扶養手当や愛知県遺児手当と併せて受給できる。
ただし、各制度で所得制限、支給額、期間、対象要件が異なる。同じ窓口で相談できる場合でも、審査は制度ごとに行われるため、すべての手当が必ず支給されるわけではない。
本人だけでなく扶養義務者の所得も影響
支給判定では、申請者本人の前年所得だけでなく、同居する父母、祖父母、兄弟姉妹など、扶養義務者の所得が確認される場合がある。
また、制度上の「所得」は単純な年収や給与の総額とは異なる。養育費や各種控除なども判定に関係するため、収入額だけを見て対象外と判断するのは早い。
所得に応じて、全部支給、一部支給、支給停止のいずれかが決まる。
申請窓口は区役所の民生子ども課
申請は、居住区の区役所民生子ども課で行う。支所管内に住んでいる場合は、支所区民福祉課が窓口となる。
戸籍謄本は原則不要とされているが、申請者の立場や同時申請する制度によって提出を求められる場合がある。本人確認書類、振込先口座を確認できるものなど、必要書類は事前に窓口へ確認した方が確実だ。
継続して受給する場合は、毎年8月に所得状況届を提出する。住所、婚姻、同居家族、所得、児童の養育状況などが変わった場合も、速やかな届け出が必要となる。
手当以外のひとり親支援も確認を
名古屋市では、現金給付だけでなく、ひとり親家庭等医療費助成、就業支援、生活援助、養育費に関する支援なども実施している。
特に夏休みは学校給食がなくなり、食費や光熱費が増えやすい。手当だけですべての負担を補えるわけではないが、利用できる制度を組み合わせることで家計への影響を抑えられる可能性がある。
手当を申請する際には、同時に利用できる医療、就労、生活支援がないかも確認しておきたい。
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編集部まとめ
名古屋市ひとり親家庭手当は、児童1人につき月額最大9,000円を最長3年間支給する市独自の制度だ。
国や愛知県の関連手当とも併給できるが、所得や同居家族の状況によって支給結果は異なる。申請月からの支給となるため、対象となる可能性がある家庭は早めに区役所へ相談したい。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項:本記事は名古屋市の公表情報を基に構成しています。支給要件、所得制限、必要書類は世帯状況によって異なる場合があります。
制度の要点
名古屋市ひとり親家庭手当は、離婚や死別などでひとり親となり、対象年齢の児童を養育する市内在住者へ支給される独自制度。児童1人につき、全部支給の場合は1年目が月額9,000円、2年目が4,500円、3年目が3,000円となる。3年間すべて全部支給の場合は、児童1人あたり最大19万8,000円。支給期間は停止期間を含め最大3年間で、児童扶養手当や愛知県遺児手当との併給も可能となっている。
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