【愛知•名古屋城】シカが「もみじちゃん」1匹だけに “絶滅危機”救う若いシカ、石川県から2027年3月受け入れへ

名古屋城の堀で長年親しまれてきた「シカ」をめぐり、新たな動きが出ています。

2026年8月、メスの「やまむらちゃん」が老衰で死に、名古屋城で暮らすシカは、高齢のメス「もみじちゃん」1匹だけとなりました。

かつては50匹を超えるシカがいたとされる名古屋城。シカそのものが姿を消しかねない状況となるなか、名古屋市は石川県森林公園から若いメスのシカ1匹を譲り受け、2027年3月の受け入れを目指す方針です。

なぜ名古屋城にはシカがいるのでしょうか。そして、なぜ約170キロ離れた石川県からシカがやってくるのでしょうか。


名古屋城のシカが「もみじちゃん」1匹だけに

現在、名古屋城の本丸エリアを囲む堀で暮らしているのが、メスのシカ「もみじちゃん」です。

草むらから姿を現すこともあり、観光客や地元住民に長年親しまれてきました。

名古屋城とシカの歴史は長く、江戸時代からシカが放し飼いされていたといいます。

1970年代半ばには、その数が50匹を超えていた時期もありました。

しかし、その後は頭数が減少。ここ10年以上は「もみじちゃん」と、娘の「やまむらちゃん」のメス2匹だけとなっていました。


2026年8月「やまむらちゃん」が老衰で死ぬ

状況が大きく変わったのが2026年8月です。

もみじちゃんの娘だった「やまむらちゃん」が老衰で死亡しました。

これにより、名古屋城のシカは高齢のもみじちゃん1匹だけになりました。

名古屋城総合事務所の三谷幸司さんは、これまで2匹を守り抜いていく気持ちで取り組んできたとして、1匹が死んだことについて「本当に残念な気持ちでいっぱい」と話しています。

名古屋市の広沢一郎市長も、シカについて「多くの来場者に親しまれています」としたうえで、シカがいなくなることは避けたいとの考えを示しています。

名古屋市では以前から、別の場所から新しいシカを受け入れることを検討していました。


石川県森林公園から若いメス1匹を受け入れへ

そして9月1日、新たなシカの受け入れについて具体的な方針が明らかになりました。

名古屋市議会で「名古屋城のシカ」について質問があり、市側が今後の対応を説明。

名古屋市観光文化交流局の嶋久美子局長は、「年齢が若いメス1匹をお譲りいただきたい」との考えを示しました。

受け入れ先として調整が進められているのが、名古屋城から直線距離で約170キロ離れた石川県森林公園です。

名古屋市は2027年3月に受け入れられるよう調整を進めるとしています。


なぜ石川県から名古屋城へシカが来る?

石川県森林公園では現在、動物園で16匹のシカを飼育しています。

実は名古屋城とは反対の問題を抱えていました。

名古屋城ではシカが減少して1匹になった一方、石川県森林公園では近年、毎年のようにシカの赤ちゃんが誕生。頭数が増えることで飼育管理の負担も大きくなり、対応を検討していたといいます。

そんな中、森林公園側が「名古屋城がシカを探している」というニュースを知りました。

石川県森林公園の松本聖史さんによると、森林公園側から名古屋側へ連絡したことが、今回の譲渡に向けた調整につながったということです。

「シカが減って困っている名古屋城」と「シカが増えて対応を考えていた石川県森林公園」。

双方の事情が重なった形です。


名古屋城に来るシカは何歳?個体はこれから選定

では、どのシカが名古屋城へやってくるのでしょうか。

2026年9月1日時点では、具体的な個体はまだ決まっていません。

今後、獣医師による検査などを踏まえ、石川県森林公園で飼育されているシカの中から1歳以上の若いメスを選ぶ予定です。

森林公園のシカたちは食欲旺盛で、エサやおやつの時間になると「ピーピー」と鳴き、飼育員を呼ぶこともあるといいます。

新しいシカが名古屋城に移れば、観光客から新たな人気を集める可能性もあります。


シカをきっかけに「名古屋と石川」の交流も?

石川県森林公園側は、今回のシカの譲渡を観光交流につなげたいとの期待も寄せています。

松本さんは、石川県から名古屋城へ観光に行ったり、逆に名古屋から石川県を訪れたりするなど、シカをきっかけに交流人口が増えてほしいとの考えを示しています。

さらに、今後については複数頭を譲渡するかどうかも検討していきたいとしています。


【編集部の考察】「若いメス1匹」で名古屋城のシカ問題は解決する?

今回、若いシカ1匹の受け入れが実現すれば、「もみじちゃん1匹だけ」という状況は解消されます。

ただ、それだけで名古屋城のシカが将来にわたって存続できると決まったわけではありません。

今回予定されているのもメス1匹です。

かつて50匹以上いたシカを、今後どの程度の頭数で維持するのか。将来的に別の個体も受け入れるのか。

長期的な飼育方針も今後の焦点になりそうです。

また、シカの移送では健康管理や新しい環境への適応も重要です。「名古屋城の名物を残す」という視点だけでなく、動物の健康や飼育環境を優先した対応が求められます。


名古屋城の新しいシカはいつ来る?

名古屋市が目指しているのは2027年3月の受け入れです。

石川県森林公園で飼育されている16匹の中から、獣医師による検査などを踏まえて1歳以上の若いメス1匹を選定する予定となっています。

現時点では受け入れに向けた調整段階で、個体も決定していません。

江戸時代から続いてきたとされる名古屋城とシカの歴史。

1970年代半ばには50匹を超えていたシカが、2026年にはついに1匹となりました。

石川県からやってくる予定の「次の1匹」は、長く親しまれてきた「名古屋城にシカがいる風景」を未来へつなぐ存在となるのか。

2027年春に向けた動きが注目されます。


Q名古屋城のシカは現在何匹いますか?
A2026年9月1日時点では1匹です。
高齢のメス「もみじちゃん」が名古屋城の堀で暮らしています。2026年8月に娘の「やまむらちゃん」が老衰で死んだため、1匹だけとなりました。
Q名古屋城にはなぜシカがいるのですか?
A名古屋城では、江戸時代からシカが放し飼いされていたといいます。1970年代半ばには50匹を超えていた時期もあり、長年にわたって名古屋城を訪れる観光客や地元住民に親しまれてきました。
Q名古屋城の「もみじちゃん」とは?
A「もみじちゃん」は、現在名古屋城で暮らしている高齢のメスのシカです。これまで娘の「やまむらちゃん」と2匹で暮らしていましたが、2026年8月にやまむらちゃんが老衰で死に、現在はもみじちゃん1匹となっています。
Q名古屋城に新しいシカが来るのはいつですか?
A名古屋市は、2027年3月の受け入れを目指しています。 石川県森林公園から若いメス1匹を譲り受ける方向で調整が進められています。
Q新しいシカはどこから来るのですか?
A石川県森林公園から譲り受ける予定です。同園では16匹のシカが飼育されており、近年は毎年のように赤ちゃんが生まれているといいます。
Q名古屋城に来るシカは何歳ですか?
A具体的な個体はまだ決まっていません。今後、獣医師による検査などを踏まえ、1歳以上の若いメスから選定する予定です。
Q新しいシカが来れば名古屋城のシカは絶滅しませんか?
A若いメス1匹の受け入れが実現すれば、もみじちゃんとの2匹体制になる見込みです。ただし、いずれもメスとなるため、長期的にどのように頭数を維持するのかは今後の課題となります。

江戸時代から続いてきたとされる名古屋城とシカの歴史。1970年代半ばには50匹を超えていたシカが、2026年にはわずか1匹となりました。

石川県からやってくる予定の若いシカは、「名古屋城にシカがいる風景」を次の世代へつなぐ存在となるのか。2027年3月の受け入れに向けた動きが注目されます。


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週刊TAKAPI編集部:黒木

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