「しつけ」で押し入れを“座敷牢”に改造か 発達障害の10代少女を手足拘束、都内の両親と兄ら逮捕

「子どもの体が冷たい」

母親からの119番通報で明るみに出たのは、家庭内の“しつけ”ではなかった。
東京都内の住宅で、発達障害のある10代少女が、押し入れに閉じ込められ、両手足を拘束されていた疑いがあることが分かった。

逮捕監禁致傷の疑いで逮捕されたのは、40代の両親と20代の兄ら。家族6人のうち、すでに4人が逮捕されている。

捜査関係者によると、少女は1月下旬ごろから数日間、自宅寝室の押し入れに監禁された疑いがある。押し入れは、ふすまを外して木板を張り、外側から鍵をかけられるように改造されていたという。中からは開けられない状態だった。

さらに少女は、両手足をU字金具などで作られた拘束具で縛られ、動けない状態にされていたとみられている。背中には全治約1週間の床ずれがあり、低体温症も発症していた。

発見時、少女は低栄養状態だったとされる。同世代の平均より体重が約10キロ軽く、全身にはあざがあり、あばら骨には骨折の痕も確認されたという。

室内に設置されていた見守りカメラには、家族が少女を押し入れに押し込む様子が映っていたとされる。警視庁は、監禁が一時的なものではなく、家族ぐるみで日常的な虐待があった可能性を調べている。

少女は中学3年間、ほとんど登校していなかったとみられている。学校や地域、福祉の支援につながれないまま、自宅内で何が起きていたのか。事件は、家庭内虐待だけでなく、不登校や障害のある子どもへの支援が届かなかった問題も浮かび上がらせている。

母親は逮捕前の任意聴取で、「2025年9月ごろ、しつけのために監禁場所を作った」と説明していたという。だが、外から鍵をかけ、手足を拘束し、低体温症に至らせた行為を「しつけ」と呼べるはずがない。

調べに対し、父親は「事実はあったが共謀した覚えはない」と一部否認。母親も「だいたい合っているが違うところもある」と話しているという。長兄は「何も言いたくない」と供述している。

警視庁は、少女がいつから、どの程度の頻度で閉じ込められていたのか、家族の誰が拘束や監禁に関与したのかを詳しく調べている。あわせて、骨折痕や全身のあざができた経緯についても捜査を進めている。

押し入れを閉じ込める場所に作り替え、家族が少女をそこへ押し込んだとされる今回の事件。
問われているのは、一度の暴行ではない。家庭の中で、ひとりの子どもがどれだけ長く見えない場所に置かれていたのかという問題だ。

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