旭川女子高校生殺害事件の裁判員裁判で、事件当時16歳だった少年が証人として出廷し、内田梨瑚被告とのLINEビデオ通話で見たとされる暴行の様子を証言した。
少年は監禁行為に関与したとして少年院送致となっている。公判では、事件当日、一度自宅に戻った後も被害者の女子高校生の身を案じ、内田被告にLINEで連絡したと説明した。
通話はその後、ビデオ通話に切り替わったという。少年が画面越しに見たと証言したのは、橋の上で被害者が暴行を受ける場面だった。
少年は、共犯の女が被害者に馬乗りになるような状態で、首付近を押さえ、顔を殴る様子が見えたと証言した。被害者は泣きながら謝っていたという。
また、被害者は衣服を身につけていない状態にされていたとされる。少年は、内田被告が被害者の髪をつかみ、蹴るような様子も見えたと話した。
少年は法廷で、「見ていられなくなった」と述べ、画面から目をそらした場面もあったと証言した。
「親が迎えに来るから」と説明
少年は、被害者の身を案じて内田被告に連絡した際、内田被告から「親が迎えに来るから」という趣旨の説明を受けたとも証言した。
しかし、ビデオ通話に切り替わった画面には、被害者への暴行が映っていたという。
少年は、裁判官から「なぜ通話を切らなかったのか」と問われ、こう答えた。
「切ったら暴行を止める人がいなくなり、エスカレートすると思ったからです」
少年は、現場に自分がいない中で、通話を切れば被害者への暴行がさらに続くのではないかと考えた趣旨を説明した。
画面が暗くなった後も通話は続いたとされる。少年は、内田被告の「早く行こう」という趣旨の声や、足音、車のドアが閉まるような音を聞いたと証言した。
一方で、転落の瞬間については、少年が直接見たわけではない。少年は、叫び声や大きな衝撃音についても「聞こえなかった」という趣旨の証言をしている。今後の審理では、この点が他の証言や客観証拠とどう照合されるかが焦点となる。
共犯女性の証言と重なる暴行場面
少年の証言は、すでに法廷で語られた共犯女性の証言と重なる部分がある。
共犯女性は公判で、被害者が橋の上で暴行を受け、内田被告が「早く落ちろ」「自分で死ねや」といった趣旨の言葉を発していたと証言している。
また、被害者が橋の上で強い恐怖を感じていた様子や、暴行が続いていた状況についても語っている。
少年のビデオ通話証言は、現場にいなかった人物が、通話越しにどのような場面を見聞きしたのかを示す証言として、審理上の重要な材料となる。
ただし、裁判で問われるのは、証言の印象だけではない。
通話の時間帯。
画面に映っていた範囲。
音声で聞き取れた内容。
叫び声や衝撃音の有無。
共犯女性の証言との整合性。
客観証拠との一致。
これらを積み重ねたうえで、内田被告の行為、殺意の有無、転落に至る経緯が判断される。
内田梨瑚被告は殺意などを否認
起訴状などによると、内田梨瑚被告は2024年4月、当時19歳の女と共謀し、留萌市内に住む女子高校生を車に監禁し、旭川市内の橋まで連れて行き、暴行を加えたうえで橋から転落させて殺害したなどの罪に問われている。
内田被告は、監禁については起訴内容を認めている一方、殺意や橋から落下させたとする点については否認している。
このため、裁判員裁判では、被害者が橋から転落するまでに何が起きたのか、内田被告がどのような行動を取ったのか、共犯女性や少年の証言がどこまで信用できるのかが焦点となる。
ビデオ通話証言が示すもの
今回の証言が重い意味を持つのは、少年が現場にいなかったにもかかわらず、ビデオ通話を通じて暴行の一部を見ていたとされる点にある。
少年は、被害者を心配して電話をかけたと説明している。その通話が、結果として橋の上で起きていた暴行の一部を法廷に伝える証言となった。
事件はSNS上のトラブルが発端とされる。被害者は車に乗せられ、橋まで連れて行かれた。公判では、そこに至るまでの経緯、現場での暴行、通話の内容、転落直前の状況が、複数の証言によって審理されている。
少年の「通話を切ったら暴行がエスカレートすると思った」という言葉は、通話越しに見えた状況の切迫感を示している。
一方で、裁判はまだ続いている。被告側は殺意や橋から落下させた行為を否認しており、今後の被告人質問、証拠調べ、検察側・弁護側の主張を通じて、事実関係がさらに審理される。
旭川女子高校生殺害事件で問われているのは、橋の上で何が起き、誰が何を見聞きし、被害者が死亡するまでの経緯をどこまで証拠で説明できるかである。
少年のビデオ通話証言は、その判断に向けた重要な一場面として、今後の公判でも重く扱われることになる。
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編集部まとめ
旭川女子高校生殺害事件の裁判員裁判で、事件当時16歳だった少年が証人として出廷した。
少年は、内田梨瑚被告にLINEで連絡した後、ビデオ通話に切り替わり、橋の上での暴行の一部を見たと証言した。
少年は、通話を切らなかった理由について、「切ったら暴行を止める人がいなくなり、エスカレートすると思った」と説明した。
内田被告からは、「親が迎えに来るから」という趣旨の説明を受けたとも証言している。
少年は、叫び声や大きな衝撃音については聞こえなかったという趣旨の証言もしており、今後は他の証言や客観証拠との整合性が焦点となる。
内田被告は、監禁については認める一方、殺意や橋から落下させたとする点については否認している。
この記事の要点Q&A
Q1. 今回の公判で誰が証言しましたか。
事件当時16歳だった少年が証言しました。少年は監禁行為に関与したとして少年院送致となっています。
Q2. 少年は何を証言しましたか。
内田梨瑚被告にLINEで連絡した後、ビデオ通話に切り替わり、橋の上で被害者が暴行を受ける場面の一部を見たと証言しました。
Q3. なぜ通話を切らなかったのですか。
少年は、通話を切れば暴行を止める人がいなくなり、エスカレートすると思ったという趣旨を説明しました。
Q4. 内田被告は少年に何と説明したのですか。
少年は、内田被告から「親が迎えに来るから」という趣旨の説明を受けたと証言しています。
Q5. 転落の瞬間を見たのですか。
少年は、転落の瞬間を直接見たわけではありません。また、叫び声や大きな衝撃音についても聞こえなかったという趣旨の証言をしています。
Q6. 内田梨瑚被告は起訴内容を認めていますか。
内田被告は、監禁については認めていますが、殺意や橋から落下させたとする点については否認しています。

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