【再掲載】和歌山・海南市いじめ被害家族が市教委を刑事告訴 「後付け文書」疑惑で公文書偽造などの疑い

海南市いじめ問題で被害者家族が市教委を刑事告訴したことを伝える報道アイキャッチ

週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田

和歌山県海南市で2017年に小学1年生の女児がいじめ被害を受けた問題で、被害者家族は6月19日、海南市教育委員会と関係職員らについて、公文書偽造および名誉毀損の疑いで海南警察署に刑事告訴・告発した。家族側は、市教委が長年にわたり重大事態としての対応を怠ったうえ、情報公開の過程で不自然な文書が提出されたと訴えている。

家族側によると、女児は当時、同級生から「ミッション」と称して排水溝に入るよう強要されたほか、ランドセルから携帯電話を盗まれるなどの被害を受けた。その後、不登校となり、PTSDを発症。進学後も深刻な影響が続き、高校中退に追い込まれたという。

家族はこれまで、市教委に対し、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」として調査・認定するよう求め続けてきた。しかし、長年にわたり認められず、十分な支援にもつながらなかった。転機となったのは2026年3月。第三者委員会の調査報告書で、ようやくこの件が重大事態と認定され、市長が謝罪した。報告書は、市教委のこれまでの判断を「不適切かつ誤った判断」と厳しく指摘している。

今回の告訴・告発で最大の焦点となっているのは、いじめ対策会議の議事録などをめぐる「後付け文書」疑惑だ。第三者委員会の調査では、内容がほぼ同じでありながら日付だけが異なる複数の文書の存在が判明。家族が7年前に情報公開請求した際には「保有していない」とされたにもかかわらず、その後になって提出された経緯があり、報告書は「後付けで作成された可能性が極めて高い」と踏み込んだ。

被害者の母親は取材に対し、「虚偽の情報により家族が崩壊寸前になり、支援も受けられず、被害が拡大した。しっかりした証拠がある」と話し、警察の徹底捜査を求めた。一方、市教委は「担当者が不在のためコメントできない」としている。

この問題は、いじめそのものの深刻さだけでなく、行政の初動対応、文書管理、情報公開のあり方まで問う事態に発展している。9年越しの刑事告訴が、教育行政の責任をどこまで明らかにできるのか、捜査の行方が注目される。

編集部まとめ

今回のポイントは、単なるいじめ対応の遅れではなく、重大事態の不認定、支援の遅れ、そして文書の信頼性そのものが刑事告訴の対象になった点です。
第三者委員会が「不適切かつ誤った判断」と断じた以上、教育行政の責任は極めて重いと言えます。
今後の焦点は、警察捜査で文書作成経緯や関係者の認識がどこまで明らかになるかです。

リアルタイムサイト訪問者数
49

コメント

0件

まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。

コメントを投稿する

名前は空欄でも投稿できます。その場合は「匿名」と表示されます。