スマートフォン向け人気ゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の運営会社として知られる、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの元幹部が、会社資金を不正に流出させたとして逮捕された。
警視庁は7月8日、背任の疑いで、同社の元システム本部長・菊池貴則容疑者(48)を逮捕した。
逮捕容疑は、2022年1月から12月までの間、架空の業務をオンライン上で発注し、12回にわたって計約4,000万円を自身名義の口座に振り込ませ、会社に損害を与えた疑い。
捜査関係者によると、菊池容疑者は在任中、クラウドソーシング系の仕事依頼サービスに別名義で登録。ゲームの不具合検出などを装った架空業務を会社側に発注させ、その報酬を自分側の口座に流していたとみられる。
ガンホーは2025年8月、元社員による内部不正を公表していた。会社側の説明では、仕事依頼サービスを悪用した架空発注による被害のほか、実体のない業務委託費の支払いも確認され、関連する資金流出の総額は約3億4,600万円規模に上るとされる。
同社は菊池元本部長を2025年7月に懲戒解雇しており、その後、刑事告訴を行った。警視庁が捜査を進め、今回の逮捕に至った。
今回の逮捕容疑は、そのうち2022年の約4,000万円分に関するものとみられる。警視庁は、長期間にわたって同様の手口が繰り返されていなかったか、資金の流れや発注の実態を詳しく調べている。
ガンホーは「パズドラ」で国内ゲーム市場に大きな存在感を示してきた企業だ。長年人気を維持するタイトルを抱える一方、その中枢部門で発注権限を持つ幹部が、架空取引を作って会社資金を流出させた疑いがある点は重い。
今回の事案は、IT企業で一般化している外部委託、オンライン発注、クラウド業務の盲点を突いたものともいえる。発注者と受注者の関係確認、業務の実在確認、支払い前の検収、決裁権限の分散がどこまで機能していたのか。企業の内部統制とガバナンスが改めて問われる事件だ。
警視庁は、菊池容疑者の認否を明らかにしていない。今後は、架空発注の全体像、流出資金の使途、社内チェックをすり抜けた経緯、他の関係者の有無が焦点となる。
編集部まとめ
今回の事件は、単なる「元幹部の不正」では終わらない。
オンライン発注や外部委託が当たり前になった企業ほど、発注権限と検収権限が一部に集中した場合、不正の入口は一気に広がる。
ガンホーのような大手企業でも、架空業務を装った資金流出が起きた疑いがある以上、IT業界全体にとっても重い警鐘だ。
発注、検収、支払い、取引先確認。この基本動作をどこまで厳格に分けられるかが、再発防止の鍵になる。
特記事項:
本記事は、警察発表、会社公表資料、各社報道を基に週刊TAKAPI編集部が構成しました。容疑は現時点のものであり、認否、被害額の確定、関係者の有無などは今後の捜査で変わる可能性があります。続報が入り次第、内容を更新します。
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