警視庁は6月4日、東京都練馬区の80代女性から現金1000万円をだまし取ったとして、名古屋市に住む高校2年の少女(16)と、愛知県春日井市に住む職業不詳の少年(17)を詐欺容疑で逮捕した。少女は少年に「闇バイトをやらないか。警察には捕まらない」などと持ちかけ、特殊詐欺の受け子として動かした疑いがある。
事件が起きたのは4月17日。被害女性の自宅に、息子を装った人物から「財布を置き忘れた」などとうその電話があり、その後、少年が現金を受け取ったとみられる。少女と少年は地元の知り合いだったという。
捜査関係者によると、少女は別の知人から依頼を受け、少年を勧誘したとみられる。少女は調べに対し、「知人から頼まれた。報酬として20万円をもらえると言われたが、結局支払われていない」と話しているという。少年の認否は明らかにされていない。
今回の事件で重いのは、女子高生が同年代の少年を犯罪に引き込んだとみられる点だ。特殊詐欺では、指示役がSNSや知人関係を使い、未成年を「受け子」や「出し子」として使うケースが後を絶たない。表向きは「高収入」「簡単」「捕まらない」と誘われても、実際には高齢者から現金を受け取り、現場で逮捕される危険が高い末端役にされる。
1000万円を失った被害女性にとって、被害は生活を揺るがす重大なものだ。一方で、勧誘された少年や、勧誘した少女も、報酬を得られないまま刑事責任を問われる立場に置かれている。闇バイトは、金を払う側ではなく、使い捨てる側が最も遠い場所にいる。
警視庁は、少女に依頼した人物や、背後にいる指示役の特定を進めている。未成年同士の人間関係が特殊詐欺の入り口になった今回の事件は、家庭や学校、地域が「友達から誘われる犯罪」の危険を具体的に伝える必要性を示している。

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