借金19最下位の中日 朝田本部長の涙 ファンが本当に求めているもの

中日ドラゴンズが借金19で最下位に沈むなか、朝田憲祐球団本部長がファンへ涙ながらに謝罪し、井上一樹監督続投方針を示したニュースのアイキャッチ

文=成田あかり(週刊TAKAPI編集部)

ファンの怒りはもっともだ。
それでも、6月14日の試合後に朝田憲祐球団本部長が見せた涙を、単なる“演出”として片づけるのも違う。

中日ドラゴンズは64試合を終えて22勝41敗1分、借金19でセ・リーグ最下位。交流戦最終戦となった日本ハム戦後、朝田本部長は、バンテリンドームに通うファン、北海道、幕張、京セラまで駆けつけるファン、テレビ越しに応援するファンに向けて「勝ちを届けられず申し訳ない」と涙を浮かべて謝罪した。

同時に、井上一樹監督については続投方針を明言した。監督自身に責任を取る覚悟があると説明し、球団として全力で支える姿勢を示した。

だが、ファンが求めているのは「続投か退任か」だけではない。なぜ勝てないのか。なぜ同じ課題が繰り返されるのか。その答えである。

石川昂弥の長打力をどう中軸に固定していくのか。高橋宏斗ら先発陣が好投しても、なぜ白星につながらないのか。得点圏で一本が出ない打線、終盤の代打策、勝ちパターンに持ち込む前の継投判断。個々の選手の問題ではなく、チーム全体の勝ち筋が見えにくいことが、ファンの苛立ちを深くしている。

SNSでは「泣きたいのはファン」「謝罪より勝利」「フロントも責任を取るべき」と厳しい声が相次いだ。一方で、「本部長が前に出て謝ったことは重い」「現場だけに押しつけない姿勢は評価したい」「選手を信じて、ここから変えてほしい」という声もある。

つまり、ファンは見放していない。
見放していないからこそ、怒っている。

弱くても球場に行く。負けても中継を見る。期待を裏切られても、次の試合でまた応援する。その信頼を、球団はこれ以上“我慢”として消費してはいけない。

朝田本部長の涙に意味を持たせる方法は一つしかない。来週からの戦いで、球団と現場が本当に変わったと示すことだ。

ファンが本当に求めているものは、謝罪ではない。
監督の続投説明でもない。
「このチームはまだ変われる」と信じられる証拠である。

涙で許される時代は、もう終わっている。
次に必要なのは、言葉ではなく勝利だ。

担当記者:成田あかり

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