【独自分析×豊橋市議を読む②】古池もも市議は何をしてきた?子ども政策、新アリーナ、81万円の政務活動費を公開資料から検証

豊橋市議会議員は、普段どんな仕事をしているのか。

選挙になると候補者の名前や公約を見る機会は増える。しかし、当選した後に「議会で何を質問したのか」「どの政策に力を入れているのか」「市民の税金から交付される政務活動費を何に使ったのか」まで追い続ける機会は多くない。

週刊TAKAPIでは、豊橋市議会議員について、一般質問、所属委員会、重要政策への姿勢、政務活動費など、誰でも確認できる公開資料をもとに一人ずつ活動を読み解いていく。

第2回は、「とよはし みんなの議会」の古池もも市議

本人へのインタビューによる人物評ではない。

豊橋市議会が公開している資料や議会中継を中心に、古池市議が議会で何を取り上げ、その活動に政務活動費をどう使っているのかを確認する。

古池もも市議とは?

豊橋市議会の最新の議員名簿によると、古池氏は昭和58年生まれで、現在2期目

会派は「とよはし みんなの議会」で、現在の同会派は古池氏1人。会派別名簿では古池氏が代表として記載されている。常任委員会は福祉教育委員会に所属している。

市議会に掲載されている抱負は、

「現役世代が感じる困難を 次世代に渡す前に解決する」

だ。

市議として何を重視しているのか。

その方向性は、近年の一般質問にもかなりはっきり表れている。

古池市議は議会で何を質問してきた?

豊橋市議会の映像中継記録を見ると、古池氏は近年、子ども・若者、教育、福祉、市民参加に関するテーマを繰り返し取り上げている。

2026年6月定例会では、

「児童相談所設置を含めた児童相談体制の検討」

「本市の子ども若者に対する包括的性教育の在り方」

について一般質問した。

同年3月には「障害児支援」と「災害対応業務継続計画」を取り上げている。

さらに2025年には、若者の居場所、予算配分、小中学校への人的支援、新アリーナ事業、市の政策決定プロセス、女性のつながりサポート事業などを質問。

2024年にも、子ども・若者政策、女性への相談支援、放課後児童クラブ、市で起きた不適正な事務処理、ロービジョンケアなどを議題にしている。

2023年まで遡っても、「子どもの声を聞く仕組みづくり」「子どもの権利」「重層的支援体制」などを取り上げており、子ども・若者政策は一時的な質問テーマではなく、継続性が確認できる分野といえそうだ。

ただし、「質問した」というだけで成果と評価することはできない。

議員活動を見るには、行政側がどう答え、その後制度や予算がどう変化したのかまで確認する必要がある。

新アリーナについて古池市議は何を質問した?

この連載で共通して追いたいのが、豊橋新アリーナを巡る議員それぞれの姿勢だ。

古池氏は2024年12月定例会で、

「多目的屋内施設に関わる対応や認識及び豊橋公園の在り方検討について」

を一般質問している。

さらに2025年12月定例会では、

「新アリーナ事業と本市のまちづくりの未来像について」

を質問した。

同じ2025年12月には「本市の予算配分の考え方」「小・中学校の人的支援の状況と課題」についても質問している。

新アリーナと教育予算を同じ定例会で質問したこと自体は確認できるが、それだけで「教育かアリーナか」という二者択一の主張だったと解釈するべきではない。

実際に古池氏が何を主張し、市側へどのような答弁を求めたのかについては、質問タイトルだけでなく発言内容まで見る必要がある。

古池市議の政務活動費はいくら?

ここからは、数字で確認する。

豊橋市議会が公開した令和7年度、つまり2025年4月から2026年3月までの古池氏の政務活動費収支報告書によると、交付決定額は108万円

実際に精算された支出は、

81万5,185円

だった。

差し引き残額は、

26万4,815円

となっている。

交付額108万円に対する支出率は、計算すると約75.5%

全額を使い切ったわけではない。

ただし、政務活動費は「使い切った・余らせた」というだけで議員を評価するものではない。

重要なのは、その81万5,185円を何に使ったのかだ。

最大は「調査研究費」60万9,915円

支出の内訳を見ると、

調査研究費 60万9,915円研修費 5,120円広報費 1万9,800円資料作成費 9万3,033円資料購入費 8万7,317円

となっている。

一方、広聴費、要請・陳情活動費、会議費、人件費、事務所費はいずれも0円だった。

特に大きいのが調査研究費。

81万5,185円の全支出のうち約74.8%を占める。

では、その約61万円は何に使われたのか。

「タウンマッチ」に毎月3万8,500円

支出一覧で最も目につくのが、「タウンマッチ」という支出だ。

資料には、

タウンマッチへ登録した市民1万人にLINEでアンケートを送付

するものとして記載されている。

2025年4月分では3万8,500円、5月分も3万8,500円、6月分、7月分、8月分と、その後も毎月同額が計上されている。

9月、10月、11月、12月、2026年1月についても同額の支出が確認できる。

年度を通して12か月分なら、

3万8,500円×12か月=46万2,000円

となる。

これは調査研究費60万9,915円の約75.7%、政務活動費の全支出81万5,185円に対しても約56.7%にあたる。

古池氏の令和7年度政務活動費を読み解く上で、かなり特徴的な支出と言える。

ただし、ここで重要なのは「46万円使った」という数字だけではない。

このアンケートで、

何を聞いたのか。

どれくらいの人から回答を得たのか。

その結果をどのように分析・公開したのか。

そして、一般質問や政策提言にどのように反映したのか。

この「調査→政策」までのつながりが、市民にとってはより重要な判断材料になる。

熊本視察に5万8,840円

2025年5月30日付の収支一覧には、

「熊本視察(5/29~5/30)」

として、旅費5万8,840円が調査研究費に計上されている。

地方議員が先進自治体などを視察し、政策研究を行うこと自体は政務活動の一つだ。

したがって「視察に行った=問題」という話ではない。

むしろ検証したいのは、

熊本で何を調査したのか。視察で何を得たのか。その内容を豊橋市政へどう持ち帰ったのか。

という部分だ。

視察報告書と、その後の一般質問・政策提言を照合することで、この5万8,840円がどのような成果につながったのかを判断できる。

ガソリン代と携帯電話代は50%を計上

政務活動費には、議員活動で使用するガソリン代や携帯電話料金も計上されている。

ただし古池氏の場合、全額ではない。

公開されている支出一覧には、ガソリン代について「50%」との記載があり、4月分2,337円、5月分2,432円、6月分2,236円、7月分2,187円などが計上されている。

携帯電話料金も同じく50%。

たとえば2025年6月2日の支出は5,269円、6月30日は5,311円、7月31日は5,355円、9月1日は5,333円などとなっている。

私用と政務活動の双方で使用する可能性がある経費について、一定割合を政務活動費として扱っていることが資料から読み取れる。

資料購入費8万7,317円 新聞や書籍を購入

資料購入費は年間8万7,317円

支出一覧には新聞や書籍の購入が並んでいる。

確認できる範囲では、東愛知新聞、朝日新聞デジタル、毎日新聞デジタル、教育新聞などへの支出がある。

書籍についても複数確認できる。

7月には、民主主義や協働をテーマにした書籍「PLURALITY」が3,300円で計上されている。9月には学校での差別や排除をテーマにした書籍等に3,828円、10月には学校改革や不登校支援などを扱う書籍として1,980円の支出が記録されている。

古池氏が実際の一般質問で教育、子ども、政策決定プロセスなどを継続的に扱っていることを考えると、資料購入のテーマと議会活動との間には一定の重なりが見える。

とはいえ、本を買ったことそのものが「政策成果」になるわけではない。

その知見を何に生かしたのかが評価のポイントとなる。

6万8,190円のトナーカートリッジも

資料作成費は年間9万3,033円

その中で比較的大きいのが、2025年8月1日に計上されたトナーカートリッジ代6万8,190円だ。

また、PDF資料への書き込み・編集に使用すると記載されたAdobe Acrobat Proについて、50%分として月990円程度の支出が継続して確認できる。

9月にはコピー用紙など文具代として9,073円も計上されている。

こうした支出についても、金額だけを取り出して適否を論じるのではなく、政務活動に必要な資料作成との関連を見る必要がある。

研修費は5,120円 「教育×子育て×AI」

研修費は年間5,120円

9月27日に、

「教育×子育て×AI」

として旅費2,560円が計上されている。

12月27日にも同名の研修に伴う旅費2,560円が確認でき、合計5,120円となる。

令和7年度の研修費は、この2件で構成されている。

古池氏が現在、福祉教育委員会に所属し、教育や子ども政策を一般質問でも扱っていることから、研修分野と議会活動のテーマには一定の関連性がある。

広報費1万9,800円 議員活動をどう市民へ伝えるか

令和7年度の広報費は1万9,800円

収支報告書上では、政務活動費全体の約2.4%にあたる。

議員には政策を調査・提言する仕事だけでなく、自身が何をしているかを市民へ説明する責任もある。

一方で、この連載では単純な「発信量」だけを評価材料にはしない。

SNSやホームページで「実績」と発信された内容についても、可能であれば市の予算、条例、制度変更、議会記録と照合していく必要がある。

81万5,185円の支出から何が見える?

令和7年度の政務活動費をまとめると、古池氏には108万円が交付され、そのうち81万5,185円を支出

残額は26万4,815円だった。

支出の中心は調査研究費60万9,915円。

その中でも、タウンマッチへの年間46万2,000円が大きな割合を占める。

ほかにも熊本視察、ガソリン代、携帯電話代、新聞・書籍、資料作成、研修などが確認できる。

公開資料から見える支出の傾向を一言で整理すれば、「市民への調査・情報収集」に比較的大きく配分している年度と見ることができる。

ただし、これも「良い」「悪い」という評価ではない。

最大の焦点は、その調査が市政にどんな結果を残したかだ。

一人会派で政策をどう実現するのか

古池氏は、現在一人会派の「とよはし みんなの議会」に所属している。

豊橋市議会では、自民党豊橋市議団が18人、公明党豊橋市議団が5人、新しい豊橋が4人、日本共産党豊橋市議団とまちフォーラムがそれぞれ3人。一方、「とよはし みんなの議会」は古池氏1人となっている。

多数会派とは議会内で置かれた環境が大きく異なる。

しかし、「一人会派だから評価する」「一人だから政策実現ができない」と決めつけるのも違う。

見るべきなのは、

提言した政策に他の議員の理解を得られたのか。

行政側を動かしたものはあるのか。

議案に対してどのような判断をしてきたのか。

一人会派という立場の中で、政策をどう具体化したのか。

という結果だろう。

公開資料から見える古池もも市議

ここまで調べると、古池氏の議員活動には一定の特徴が見えてくる。

現在2期目で、福祉教育委員会に所属。

近年は、児童相談体制、子どもの権利、障害児支援、若者の居場所、学校教育、女性支援などを継続的に一般質問で取り上げている。

その一方で、新アリーナ、豊橋市の予算配分、政策決定プロセス、不適正な事務処理など、市政運営そのものにも質問を広げている。

政務活動費では、市民1万人を対象としてLINEアンケートを送付すると記載された「タウンマッチ」に年間46万2,000円を支出。

そのほか熊本視察、新聞・書籍、資料作成費、研修費などが確認できた。

ここまでが、公開資料から確認できる「活動」だ。

では、成果はどうなのか。

2期目の古池市議 次に問われるのは「何を実現したか」

議会で質問する。

市民アンケートを取る。

視察へ行く。

本や新聞を購入して政策を研究する。

これらはいずれも議員活動の一部だ。

だが、市民が最終的に知りたいのは、もう一段先だろう。

その活動によって、豊橋市の何が変わったのか。

たとえば古池氏が継続的に取り上げている子ども政策について、本人の提言をきっかけに始まった制度や改善された事業はあるのか。

市民アンケートに年間46万2,000円を支出することで得られた意見は、どの政策へ反映されたのか。

熊本視察で得た知見は、その後の議会活動にどう生かされたのか。

新アリーナや予算配分を巡り、どのような具体的判断をしてきたのか。

「何を発言したか」から「何を実現したか」へ。

2期目の古池氏を評価するうえでは、ここが次の検証ポイントになる。

市議を評価するのは市民 そのための材料を公開する

この連載は、週刊TAKAPIが市議会議員に一方的な点数を付け、「良い議員」「悪い議員」を決めるためのものではない。

市議会議員を最終的に評価するのは、市民だ。

だからこそ、

一般質問で何を取り上げたのか。

重要な政策にどう向き合ったのか。

どの委員会で活動しているのか。

政務活動費はいくら交付され、何に使われたのか。

そして、その活動は豊橋市に何を残したのか。

それらを公開資料から確認できる形にする必要がある。

第1回の坂柳泰光市議に続き、第2回は古池もも市議を取り上げた。

所属する会派も、当選回数も、政策テーマも異なる。

それでも見る物差しは変えない。

「この市議は、豊橋市議会で何をしてきたのか」。

週刊TAKAPIでは今後も、一人ずつ公開資料をもとに検証していく。

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