【独自分析 豊橋市議を読む⑧】寺本泰之市議は何をしてきた?入札・契約問題を追及、政務活動費は「申請せず」5期目の実績を徹底検証

豊橋市が結んだ契約は、本当に適正だったのか。

入札のルールは公平なのか。

指定管理者は適切に仕事をしているのか。

監査委員は行政を十分にチェックできているのか。

そして、市民の税金を使う事業に費用対効果はあるのか。

週刊TAKAPI「豊橋市議を読む」。

第8回は、会派「新しい豊橋」に所属する寺本泰之(てらもと・ひろゆき)市議を取り上げる。

現在5期目。

一般質問の記録を追っていくと、寺本氏にはかなり明確な特徴がある。

入札。契約。指定管理。監査。職員倫理。情報公開。

こうした「行政内部の仕組み」を何度も取り上げているのだ。

直近では、明海大橋(仮称)の工事入札、市の少額随意契約、「とよっすい」、のんほいパークのゾウ舎工事、市職員を巡る問題などを相次いで質問している。

さらに、もう一つ目を引く事実がある。

豊橋市では議員1人につき月額9万円、年間最大108万円の政務活動費を交付しているが、寺本氏は令和7年度に交付申請そのものをしていない。しかも市の過年度資料を遡ると、少なくとも令和元年度から令和7年度まで、7年度連続で同様に申請していないことが確認できる。

では寺本氏は、5期にわたり何をしてきたのか。

長年の「追及」は、実際に豊橋市の何を変えたのか。

公開資料から検証する。


寺本泰之市議とは 5期目、「市政の情報公開・行財政改革」

豊橋市議会の2026年7月27日現在の議員名簿によると、寺本氏は1947年生まれ、賀茂町在住。現在は5期目で、会派は「新しい豊橋」。常任委員会は福祉教育委員会に所属し、現在は特別委員会には所属していない。市議会に掲載されている抱負は「市政の情報公開 行財政改革」だ。

実は、この方向性は最近始まったものではない。

2015年の豊橋市議会だよりを見ると、当時3期目だった寺本氏は、自身の抱負として行政の透明化、徹底した情報公開、無駄の削減、行政改革を掲げていた。現在の「市政の情報公開・行財政改革」とほぼ同じ方向性が、10年以上前から確認できる。

つまり寺本氏の場合、「最近になって行政チェック型へ変わった」というより、長期間にわたり行政の透明性や支出、契約制度を中心テーマとしてきた議員と見る方が実態に近い。


10年以上前から「入札制度」を質問

寺本氏の特徴がよりはっきりするのが、過去の市議会だよりだ。

10年以上前の市議会資料にも、寺本氏の質問として、

「入札制度における失格判断基準」

建設工事等の入札制度

情報公開

といったテーマが掲載されている。

さらに後年の市議会だよりでも、失格判断基準価格の設定を巡る問題について寺本氏が質問し、市側から「入札の透明性、公正性を確保するため再入札を行った」といった説明を引き出している。

つまり「入札」は一時的なテーマではない。

寺本氏を読む上では、かなり長い期間にわたる中心テーマだ。


2022年以降だけでも、入札・指定管理を繰り返す

豊橋市議会の現在公開されている議員別映像一覧で、2022年3月以降の寺本氏の一般質問を追うと、その傾向は極めて明確だ。

時期

主な質問テーマ

2022年3月

総合評価入札の失格判断基準、委託業務、市営住宅指定管理

2022年6月

市営住宅指定管理者、総合評価落札方式の失格判断基準

2022年9月

市営住宅指定管理、新アリーナ市場調査、総合評価入札

2023年6月

市営住宅指定管理者制度、入札制度

2023年9月

指定管理者制度、入札制度

2023年12月

監査委員、入札制度

2024年3月

最低制限価格、公会堂修繕入札、職員倫理

2024年6月

職員の信用失墜行為、入札制度、城下橋工事、新アリーナ

2024年9月

入札制度、職員倫理、職員間金銭貸借、市営住宅修繕業者

2024年12月

新アリーナ、拉致問題啓発、市職員間の金銭貸借

2025年3月

明海大橋工事入札、最低制限価格・失格判断基準

2025年6月

指定管理者、監査委員、明海大橋工事入札、最低制限価格

2025年9月

明海大橋工事入札、監査委員、PLAT利用料

2025年12月

監査委員、少額随意契約、市職員を巡る問題

2026年3月

とよっすい、ゾウ舎工事、少額随意契約、市職員を巡る問題

2026年6月

市営住宅、市職員PC、とよっすい、少額随意契約、ゾウ舎入札

豊橋市議会の公式映像一覧から確認できるだけでも、入札・契約・指定管理・監査というテーマが何年にもわたって繰り返されている

これは寺本氏を「行政監視型」と見る大きな根拠になる。


市営住宅の指定管理を何度も追う

入札と並んで繰り返し登場するのが、市営住宅と指定管理者制度だ。

2022年3月には、市営住宅指定管理者の事業計画書・事業報告書。

同年6月には、市営住宅指定管理者そのもの。

9月にも、市営住宅指定管理。

さらに2023年6月にも、市営住宅指定管理者制度を質問している。

そして2026年6月。

再び、

「市営住宅の管理業務について」

を一般質問の第1項目に置いた。

少なくとも2022年から2026年まで、同じ行政分野へ何度も戻っている。

単発でニュース性の高い問題を次々取り上げるタイプというより、制度そのものや行政運営を長期間追う質問スタイルがここでも見える。


明海大橋の入札問題 実際に市は契約を解除していた

近年の寺本氏の質問で重要なのが、明海大橋(仮称)橋梁上部工事だ。

市の公式会議録によると、この工事は2024年9月30日に契約が締結されたものの、その後、予定価格が過大だったことが判明した。

市は、適正に積算して入札していた場合には別の事業者が落札者となる可能性があったとして、2025年1月8日付で受注者と契約を合意解除したことを議会で説明している。

これは単なる議員側の疑惑表明ではない。

市自身が予定価格の問題を認め、契約を解除した案件だ。


寺本氏は明海大橋を3定例会で質問

寺本氏はその後、この問題を繰り返し一般質問で取り上げている。

2025年3月には、

明海大橋(仮称)橋梁上部工事入札

最低制限価格・失格判断基準

を質問。

6月にも、

指定管理者制度。

監査委員。

明海大橋工事入札。

最低制限価格・失格判断基準。

を取り上げた。

そして9月も、再び明海大橋工事入札を質問している。

つまり、

2025年3月6月9月

と、少なくとも3定例会で同案件を追った。


ただし「契約解除を寺本氏が実現した」わけではない

ここは非常に重要だ。

明海大橋の契約解除は2025年1月8日

寺本氏が現在の質問一覧で明海大橋を取り上げているのは、その後の2025年3月以降だ。

したがって、

「寺本氏が追及した結果、契約が解除された」

とは書けない。

時系列が逆だからだ。

寺本氏の活動として確認できるのは、契約解除後、

なぜこの問題が起きたのか。入札制度は適切だったのか。最低制限価格や失格判断基準はどうなっていたのか。

と、その後の行政検証を続けたことだ。

ここを「実績」と盛るのではなく、「事後検証」と評価するのが適切だろう。


2025年後半から「少額随意契約」を追及

寺本氏の最近のもう一つの重点テーマが、少額随意契約だ。

2025年12月には一般質問で、

「少額随意契約不正の違法性について」

というタイトルを掲げた。

2026年3月にも同じタイトルで質問。

6月にも、

「本市の少額随意契約不正への対処について」

として再度取り上げている。

つまりこちらも、

2025年12月2026年3月6月

と3定例会連続で追っている。


「不正」「違法」は寺本氏の質問表現 確定事実とは分ける

ただし、この部分には報道上の注意が必要だ。

豊橋市議会の公式質問タイトル自体に「不正」「違法性」という言葉が使われていることは事実だ。

しかし、

質問タイトルに「不正」と書かれている=不正が司法や監査によって確定している

とは限らない。

したがって本稿では、

「寺本氏が『不正』『違法性』という問題意識で市側を追及した」

と記述し、それ自体を確定した違法行為とは扱わない。

ここは切り分ける。


監査委員そのものも繰り返し問う

寺本氏は「問題のある契約」を質問するだけではない。

行政をチェックする側の監査委員制度そのものも繰り返し取り上げている。

2023年12月には「豊橋市監査委員の職務・職責」。

2025年6月には「本市の監査委員」。

9月にも「豊橋市監査委員」。

12月には、

豊橋市監査委員について

監査委員の選任、任期、報酬について

を質問している。

入札や契約だけではなく、それを後から検証する監査機能まで対象にしているのが寺本氏の質問スタイルの特徴だ。


市職員の倫理・内部管理にも質問を広げる

2024年以降は、市職員に関する質問も目立つ。

2024年3月には、市職員倫理。

6月には、勤務時間外における市職員の信用失墜行為。

9月には、信用失墜行為と上司・部下間の多数・多額の金銭貸借。

12月にも、市職員間の多額金銭貸借問題を取り上げている。

さらに2025年12月には、寺本氏が「市職員による住民の勤務先への通報行為」として質問。

2026年3月には「住民勤務先への名誉毀損的電話」と題して再び取り上げた。

ここでも「名誉毀損的」という表現は寺本氏側の質問タイトルであり、裁判等で名誉毀損が確定したという意味ではない。


2026年6月には「業務用PC持ち帰り」も

2026年6月には、

外部通報による市職員の「業務用パソコン無断自宅持ち帰り」への対処

を質問項目に掲げた。

これも同様に、公式ページに掲載された寺本氏の質問テーマを示すものであり、タイトルだけから懲戒対象行為等が確定したと判断することはできない。

ただ、入札、契約、監査、職員倫理。

ここまで横断すると、寺本氏が問題視する対象には共通点がある。

行政内部のルールは守られているか。

という視点だ。


「とよっすい」を費用対効果から問う

2026年3月には、豊橋市上下水道局が販売している「とよっすい」も取り上げた。

質問タイトルは、

「豊橋市『とよっすい』の目的と収支について」

だった。

そもそも「とよっすい」は、豊橋市上下水道局によると、豊橋の魅力と水道事業をPRするため、小鷹野浄水場の水道水をボトルに詰めて販売しているもの。市は環境負荷低減の観点から容器をペットボトルからアルミ缶へ変更している。また賞味期限が5年あり、災害備蓄用の水としても利用できるとしている。

つまり、市側には広報、水道PR、災害備蓄という目的がある。


6月には「15年事業をなぜ終了しない」とさらに踏み込む

そして2026年6月。

寺本氏は再び「とよっすい」を取り上げ、

費用対効果に疑問を呈し、15年間続く事業を終了しない根拠

を市側に問う構成の質問を行った。

ここは寺本氏らしい。

「事業に目的があるか」だけではなく、

その目的に対して、いくら使い、何が得られているのか。

という行政コストの視点で質問している。

一方、市側は現在も公式ページで「とよっすい」の水道事業PRや災害備蓄としての役割を案内している。したがって、「費用対効果がない」というのは寺本氏側の評価・問題提起であり、市がそう認定しているわけではない。


のんほいパークのゾウ舎工事も2定例会で

2026年3月には、

総合動植物公園ゾウ舎屋内展示場建設工事

を質問。

そして6月には、

ゾウ舎屋内展示場建設工事入札

として再び取り上げた。

豊橋市の工事発注見通しにも、ゾウ舎屋内展示場建設に関連する外構工事などが一般競争入札として掲載されている。

寺本氏の場合、「施設を造るべきか」という政策論だけではなく、発注・契約がどのように行われたかへ関心を向ける傾向がここでも表れている。


新アリーナも「事業そのもの」より手続き・調査を問う

寺本氏は新アリーナについても質問している。

2022年9月には多目的屋内施設関連市場調査

2022年12月には多目的屋内施設(新アリーナ)

2024年6月にも新アリーナ計画の調査報告

12月には新アリーナ建設を取り上げている。

ここでも、大型事業について賛否だけではなく、市場調査、調査報告、意思決定過程を質問する傾向が見える。


そして最大の特徴 政務活動費を「申請していない」

ここから、寺本氏の政務活動費を見る。

豊橋市では政務活動費について、議員の市政に関する調査研究その他の活動に必要な経費の一部を補助し、政策形成能力向上などを目的として、議員1人あたり月額9万円を交付している。現在の制度なら、通年では年間108万円となる。

しかし令和7年度の市公式一覧には、寺本氏の収支報告PDFそのものがない。

理由は明記されている。

「政務活動費交付申請をしておりません」

市は、寺本氏と川原元則市議の2人について、令和7年度に政務活動費の交付申請をしていないと明記している。


「支出0円」ではなく「申請していない」

ここは表現を間違えてはいけない。

寺本氏について、

「政務活動費を108万円もらって0円しか使わなかった」

わけではない。

そもそも、

交付申請をしていない。

したがって「返還額108万円」と書くのも違う。

最初から交付を申請していないため、他議員のような、

調査研究費。

研修費。

広報費。

資料購入費。

事務所費。

といった費目別収支も存在しない。


しかも令和7年度だけではなかった

さらに過年度を調べると、これはかなり特徴的だった。

市公式資料では、

令和元年度 申請なし
令和2年度 申請なし
令和3年度 申請なし
令和4年度 申請なし
令和5年度 申請なし
令和6年度 申請なし
令和7年度 申請なし

がそれぞれ確認できる。

つまり、公開資料で追える範囲では少なくとも令和元年度から7年度まで7年度連続だ。

これは今回の第8回でかなり重要な独自分析ポイントになる。


では「政務活動費を申請しない議員」は高評価なのか

ただし、ここでも単純評価はしない。

政務活動費を申請していない。

だから、

「税金を使っていない=優秀」

と自動的に評価することはできない。

一方で、

「政務活動費を使っていない=調査していない」

とも言えない。

政務活動費を申請しなくても、一般質問、資料調査、現場確認、行政への照会などの議員活動は可能だからだ。

公開資料から確認できるのは、

寺本氏は少なくとも令和元年度から令和7年度まで政務活動費の交付を申請していない

という事実だ。


むしろ「お金の使い方」は比較できない

本連載ではこれまで、市議ごとに、

広報型。

調査研究型。

視察・研修型。

市民調査型。

事務所拠点型。

と、政務活動費の使途から活動スタイルも読み解いてきた。

寺本氏については、それができない。

政務活動費を申請していないからだ。

これは「透明性が低い」という意味ではない。

公費として支出していないため、公費支出の領収書や費目を検証する対象がないということになる。

その分、寺本氏を評価するには、議会発言、委員会活動、採決、政策成果そのものをより強く見る必要がある。


寺本氏の活動を一言で言えば「行政監視型」

一般質問を横断すると、寺本氏にはかなり明確な型がある。

入札制度契約指定管理監査職員倫理情報公開事業の費用対効果

である。

週刊TAKAPI編集部として分類するなら、

「行政監視・入札契約検証型」

が最も近い。

しかも、そのスタイルは直近数年だけではなく、10年以上前の公開資料からも確認できる。


では、5期目の「実績」は?

ここからが一番厳しく見る部分だ。

寺本氏は1期目ではない。

5期目だ。 

したがって、

「よく質問している」

「行政を厳しく追及している」

だけでは、5期目の評価として十分なのか。

そこは別途検証する必要がある。


【確認できる活動】入札・契約を長期間追っている

まずこれは明確だ。

入札制度・失格判断基準は10年以上前から質問。

2022年以降だけを見ても、市営住宅指定管理、入札制度、最低制限価格、監査委員、明海大橋、少額随意契約、ゾウ舎工事などを繰り返している。

「行政の契約やチェック機能を継続して監視してきた」

という活動については、公開資料から十分確認できる。


【行政側の具体的な是正】明海大橋では契約解除

行政側で実際に大きな是正が行われた事例としては、明海大橋の契約解除がある。

市自身が予定価格の過大設定を認め、契約を合意解除した。

しかし前述した通り、契約解除は寺本氏が2025年に同案件を一般質問する前。

したがって、

これは寺本氏個人の「確認実績」にはできない。

寺本氏がその後、問題の背景や入札制度を継続検証した案件、と位置付けるべきだ。


【確認実績】制度変更との直接因果は今回確認できず

今回、過去の一般質問、市議会だより、市の公開資料を追った範囲では、

寺本氏の提案を受けて特定の入札制度が改正された

寺本氏の質問によって指定管理制度が変更された

寺本氏の働きかけによって特定事業が廃止・予算化された

と、議員個人との直接的な因果関係まで公的資料で確認できる事例は特定できなかった。

したがって本連載の基準では、現段階でこれらを寺本氏の【確認実績】とは認定しない。


「追及した」と「変えた」はやはり違う

これは山田隆司市議の第7回でも同じだった。

何度質問したか。

何年間追ったか。

強い言葉で行政を追及したか。

これらはすべて「活動」の評価材料だ。

しかし5期目の寺本氏について、さらに問われるのは、

その長年の行政監視によって制度はどう改善されたのか。

契約の透明性はどう高まったのか。

税金の無駄を具体的にいくら防いだのか。

情報公開は何が改善されたのか。

である。

ここまで一次資料で結びつけば「実績」と呼べる。


一方、同じ問題を繰り返すこと自体には意味がある

だからといって、結果が確認できなければ一般質問に意味がない、ということでもない。

入札や指定管理のような行政内部の制度は、市民が日常的に直接チェックすることが難しい。

議員が、

契約は適切か。

価格設定は適切か。

監査は機能したか。

行政の説明は十分か。

と公開の議場で質問すれば、市側の説明は公的記録として残る。

寺本氏が長期間取り組んでいるのは、まさにこうした分野だ。


5期目だからこそ、評価基準は高くなる

寺本氏は現在5期目。

2015年の時点ですでに3期目で、当時から「行政の透明化」「情報公開」「行政改革」を掲げていた。

だからこそ今後、この連載でさらに掘る価値があるのは、

10年以上前に指摘した入札制度は、その後どう変わったのか。

寺本氏が問題視した失格判断基準は現在どうなっているのか。

市営住宅指定管理を何年も追った結果、管理制度は改善されたのか。

情報公開について具体的な制度改善につながった事例はあるのか。

だ。

5期という長さがあるからこそ、「継続して質問した」から一段上の成果を確認したい。


政務活動費を7年度連続で申請しないという選択

そして寺本氏を他議員と最も大きく分けるのが、やはり政務活動費だ。

令和元年度から令和7年度までの市公式ページを確認すると、毎年度のように寺本氏について、

政務活動費交付申請をしていない

と記載されている。

現在の豊橋市議会制度では1人月額9万円。

それを受け取るかどうかは、少なくとも寺本氏については長年「申請しない」という判断を続けていることになる。

これは「豊橋市議を読む」でこれまで扱ってきた議員とは、かなり異なる活動の形だ。


寺本泰之市議は何をしてきたのか

公開資料から寺本氏を読み解くと、最も強く浮かぶのは、

「行政の中身をチェックし続ける議員」

という姿だ。

大型の政策構想を次々と打ち出すタイプというより、

入札。

契約。

指定管理。

監査。

情報公開。

職員倫理。

費用対効果。

といった行政の土台となる仕組みを繰り返し質問している。

そして政務活動費については、少なくとも令和元年度から令和7年度まで交付申請をしていない。

この2点は明確だ。


ただし「長年追及した」だけでは5期目の評価は終わらない

一方、今回確認できなかったものもある。

寺本氏の提案によって具体的に変更された制度。

寺本氏の働きかけによって削減された支出。

寺本氏の質問が直接契機となった行政改革。

今回確認した公開資料の範囲では、ここを直接結びつけられるものは見つからなかった。

だから週刊TAKAPIは、

長く追ったことは長く追ったと評価する。

政務活動費を申請していないことは、そのまま事実として示す。

しかし、

政策を実現した証拠がなければ「実現した」とは書かない。

この基準で見る。


「入札を問う議員」から「制度を変えた議員」になれたのか

寺本氏の質問には、一貫性がある。

10年以上前から入札制度や情報公開。

近年も指定管理、監査、明海大橋、少額随意契約、ゾウ舎工事。

そして市の事業「とよっすい」に対しては、費用対効果の観点から継続の根拠を問う。

「何を問題視している議員なのか」は非常に分かりやすい。

だからこそ5期目の今、次の問いも明確になる。

その追及によって豊橋市の入札制度は良くなったのか。

行政の透明性は上がったのか。

無駄は減ったのか。

市民の税金の使われ方は改善されたのか。

そこまで確認して、初めて5期分の評価が完成する。


編集部まとめ

寺本泰之市議。

現在5期目。

公開資料から確認できた最大の特徴は、入札・契約・指定管理・監査・情報公開を長期間にわたり追ってきたことだった。

直近でも、

明海大橋工事入札。

少額随意契約。

「とよっすい」。

ゾウ舎屋内展示場。

市営住宅。

監査委員。

市職員を巡る内部管理。

を次々と取り上げている。

さらに政務活動費は、令和7年度だけではない。

少なくとも令和元年度から令和7年度まで7年度連続で交付申請をしていない。 

これは他の市議と比較する上でも特徴的な事実だ。

一方、長年の追及と特定の制度変更との直接的な因果関係は、今回確認した資料からは十分に確認できなかった。

したがって、第8回の結論はこうなる。

行政監視の継続性――確認できる。

入札・契約問題を長年扱ってきた――確認できる。

政務活動費を長年申請していない――確認できる。

具体的な制度改革を寺本氏自身が実現した――今回の資料だけでは確認できない。

5期目だからこそ問われるのは、その最後の部分だ。

長年「問題」を指摘してきた寺本泰之市議は、豊橋市の「仕組み」を実際にどこまで変えたのか。

週刊TAKAPI「豊橋市議を読む」は、質問した回数だけではなく、その先の「結果」まで公開資料から追っていく。


編集部注: 本稿は2026年8月17日時点で公開されている豊橋市・豊橋市議会の議員名簿、一般質問記録、市議会だより、会議録、政務活動費公開資料等を中心に検証した。寺本氏の一般質問タイトルには「不正」「違法性」「名誉毀損的」などの表現が含まれるが、本稿はこれらを寺本氏による問題提起として扱い、司法・監査等によって確定した事実とは区別している。また、政務活動費については「0円を支出」ではなく、交付申請をしていないことを明確に区別した。

リアルタイム
サイト訪問者数
42