岐阜市民病院は2026年8月25日、B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子どもに必要な母子感染防止策を適切に実施できず、子どもがB型肝炎に感染し、その後、肝細胞がんを発症する医療事故があったと発表した。
病院は対応に過失があったことを認め、家族に謝罪。3600万円の損害賠償を支払うことで示談が成立した。
産婦人科から小児科への引き継ぎに不備
岐阜市民病院によると、母親はB型肝炎ウイルスに感染していた。
本来、こうした母親から生まれた子どもには、定期的なワクチン接種や血液検査などの母子感染防止策が必要だった。
しかし、担当が産婦人科から小児科へ移る際、母親がB型肝炎であることなどの情報が共有されず、生後1カ月以降に必要な対応が適切に実施されなかった。
生後4カ月でB型肝炎感染を確認
子どもは生後4カ月の時、別の医療機関で受けた血液検査によってB型肝炎ウイルスへの感染が確認された。
この際、必要なワクチンが投与されていなかったことも判明した。
その後、子どもは2022年2月に肝細胞がんを発症した。病院側は、母子感染防止策を適切に実施できなかったことについて過失を認めている。
3600万円で示談成立 子どもは手術後に経過観察
病院側は家族に謝罪し、2026年8月17日、損害賠償として3600万円を支払うことで示談が成立した。
子どもは肝臓がんの手術を受けた後に退院し、現在は経過観察中とされている。
被害者の特定につながるとして、医療事故が発生した具体的な時期や、子どもの現在の年齢などは明らかにされていない。
毎月、産婦人科と小児科で情報共有へ
病院は再発防止策として、産婦人科と小児科の間でB型肝炎の妊婦に関する情報を共有する会議を月1回実施する。
今回の医療事故では、診療科が切り替わる際の情報共有が途切れたことが、必要な感染防止策を実施できなかった原因となった。
病院は診療科をまたぐ情報共有体制を見直し、再発防止を徹底するとしている。
編集部まとめ
岐阜市民病院で起きた今回の医療事故では、産婦人科から小児科への情報共有が適切に行われず、B型肝炎の母子感染を防ぐために必要なワクチン接種や検査が実施されなかった。
その結果、子どもは生後4カ月でB型肝炎ウイルスへの感染が確認され、その後、肝細胞がんを発症した。
病院が3600万円の賠償で示談したことに加え、重大なのは、診療科間の引き継ぎという医療安全の基本部分で不備が生じた点だ。月1回の情報共有会議を含め、再発防止策が実際の診療現場で機能するかが問われる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
この記事は2026年8月25日時点で、岐阜市民病院の発表などで確認されている情報をもとに構成しています。
病院は母子感染防止策に不備があったことについて過失を認めています。一方、被害者の特定につながるとして、医療事故が発生した具体的な時期や子どもの現在の年齢などは公表されていません。
本記事では、患者や家族の特定につながる情報は掲載していません。
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