【愛知】育休・介護休暇をカバーした職員に最大3日の休暇 県が「全国初」制度、勤勉手当も加算

愛知県が育休や介護休暇をカバーした職員に最大3日の特別休暇を付与する「育休等カバー休暇」を創設

愛知県は2026年8月25日、育児休業や介護休暇を取得した県職員の業務をカバーした職員に特別休暇を付与する「育休等カバー休暇」を創設すると発表した。

県は制度を「全国初」としており、2026年12月以降の業務カバーを対象に、早ければ2027年1月から休暇を取得できる。あわせて、カバーした職員の勤勉手当を加算する「育休等カバー手当」も新設する。

1カ月カバーで1日 年間最大3日の特別休暇

「育休等カバー休暇」の対象となるのは、1カ月を超える育児休業または介護休暇を取得した職員の業務をカバーした職員。

ただし、対象となるのは代替職員が配置されない場合で、業務をカバーする職員は最大5人までとなる。

付与される休暇は、カバー期間1カ月につき1日。3カ月以上カバーした場合でも年間最大3日となる。県によると、2026年12月以降のカバーを対象とし、2027年1月から取得できる。

育休や介護休暇を取得する本人だけでなく、その間の業務を引き受ける周囲の職員にも制度上のメリットを設けることで、職場全体の負担感を和らげる狙いがある。

ボーナスにも加算 1カ月につき「0.05月分」

休暇に加え、「育休等カバー手当」も新たに設ける。

具体的には、6月期と12月期に支給される勤勉手当に、業務をカバーした期間1カ月につき0.05月分を加算する。各期の上限は0.3月分。

複数の職員で1人分の業務をカバーした場合は、カバーした職員数に応じて0.05月分を按分する。

県が示した例では、給与と地域手当の合計が30万円の職員を1人で1カ月間カバーした場合、加算額は1万5000円。一方、5人で3カ月間カバーした場合は、1人あたり9000円となる。

手当は2026年12月以降のカバーを対象とし、2027年6月期の勤勉手当から支給する予定だ。

「休む人」だけでなく「支える人」にも制度

育児休業や介護休暇を巡っては、制度そのものが整備されても、取得する職員の仕事を誰が担うのかという課題が残る。

愛知県は、人材獲得競争の激化や職員の年齢構成、育児などのライフイベントとキャリア形成を両立したいというニーズを背景に、人事制度を大幅に見直す。

今回の「育休等カバー休暇」と「育休等カバー手当」は、その中でも「職員同士が支え合う職場環境」の整備策として位置付けられた。

愛知県では2024年度、男性職員の「育児に係る休暇等」の取得率が98.1%に達している。一方、男性職員が1カ月以上の育児休業を取得する割合については、2030年度までに85%とする新たな目標を設定している。

取得率をさらに高めるには、休む側への制度整備だけでなく、長期間にわたり業務を担う同僚側の負担をどう処遇するかが重要になる。

役職定年後の職員を「フリーマン」として配置

県は今回、休暇や手当だけでなく、突発的な業務負荷に対応する「フリーマン」と呼ぶスポット型業務支援要員も配置する。

役職定年を迎えた職員を局主管課などに配置し、通常時は総務や人事、予算、経理などの業務を担当。療養休暇取得者の発生などで一時的に業務量が増えた所属が出た場合、応援要員として業務に入る仕組みだ。

単に育休取得者を増やすだけではなく、休職・休暇によって発生する組織側の業務負担まで含めて対応する制度設計となる。

若手職員の昇任も早期化へ

愛知県は、人材確保策の一環として若手職員の昇任を早める「新抜擢制度」も導入する。

県が示した最速モデルでは、主任級は29歳程度、主査級は33歳程度、課長補佐級は36歳程度、課長級は41歳程度での昇任を可能とする。

現行の目安と比較すると、課長級では約9年早くなる計算で、2027年度から段階的に実施する。

県は、「採用」「育成」「活躍」「定着」「さらなる採用」につながる好循環を生み出し、将来にわたり行政サービスを維持できる組織体制を構築するとしている。

編集部まとめ

愛知県の「育休等カバー休暇」で注目されるのは、育児休業や介護休暇を取得する職員ではなく、その仕事を引き受ける側を制度として評価する点だ。

休暇はカバー期間1カ月につき1日、年間最大3日。さらに勤勉手当にも加算する。

育休取得率を引き上げても、その業務が同じ職場の別の職員に集中すれば、制度を利用しにくい空気が残る可能性がある。今回の制度は、その「見えにくい負担」に休暇と金銭の両面から対応するものといえる。

一方、対象は代替職員が配置されないケースに限られ、カバー職員も最大5人とされている。実際の職場でどこまで負担軽減につながるのか、制度開始後の取得実績や対象職員の評価も重要になる。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

本記事は、愛知県が2026年8月25日に公表した人事制度見直しの記者発表資料および制度概要を基に整理した。

愛知県は「育休等カバー休暇」を「全国初」と発表している。対象は1カ月を超える育児休業または介護休暇を取得した職員の業務をカバーした職員で、代替職員が配置されない場合に限られる。制度の具体的な適用判断や運用については、今後変更・追加される可能性がある。

Q「育休等カバー休暇」とは?
A育児休業や介護休暇を取得した愛知県職員の業務をカバーした職員に、特別休暇を付与する新制度です。
Q何日休暇を取得できる?
A業務をカバーした期間1カ月につき1日で、年間最大3日取得できます。
Q誰が対象になる?
A1カ月を超える育児休業または介護休暇を取得した職員の業務を、代替職員が配置されない状況でカバーした職員が対象です。カバー職員は最大5人です。
Q「育休等カバー手当」はいくら?
Aカバー期間1カ月につき勤勉手当0.05月分を加算します。複数人で業務をカバーした場合は人数に応じて按分され、各期の加算上限は0.3月分です。
Q制度はいつ始まる?
A2026年12月以降の業務カバーが対象です。特別休暇は2027年1月から取得でき、手当は2027年6月期の勤勉手当から支給される予定です。

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