豊川市の学校現場で、PTA会計をめぐるルールはどこまで浸透していたのか。
豊川市監査委員による小中学校7校の定例監査で、御津北部小学校、御津南部小学校、御津中学校の3校について、PTA関係の預金口座名義が市の「PTA会計事務処理マニュアル」に沿っていなかったことが分かった。
監査時点では、市にPTA会計事務処理マニュアルが存在し、預金口座の名義についても取り扱いが定められていた。
それにもかかわらず、監査対象7校のうち3校で同種の指摘が出た。
監査委員は個別の学校に改善を求めるだけでなく、教育委員会に対し、市内小中学校へのPTA会計事務処理マニュアルの「周知徹底」を求めている。
週刊TAKAPIは、市が公表した監査結果と、その後の改善措置を確認した。
小中7校を監査 3校で「改善を要する事項」
監査対象となったのは、
千両小学校
八南小学校
平尾小学校
御津北部小学校
御津南部小学校
中部中学校
御津中学校
の計7校。
豊川市によると、この7校と所管する教育委員会の庶務課、学校教育課、学校給食課を対象とした定例監査結果は、2026年2月17日に公表された。
その後の改善措置についても、同年7月6日に公表されている。
監査では、準公金の取り扱いなどについて、関係書類や帳簿などを確認した。
7校のうち千両小、八南小、平尾小、中部中については、監査項目について「適正に執行されている」と認められた。
一方、御津北部小、御津南部小、御津中の3校では、一部に改善を要する事項が確認された。
共通して指摘されたのが、PTA関係の預金口座名義だった。
御津北部小 2つの会計で指摘
御津北部小では、「御津北父母教師会」と「PTA特別会計」の預金通帳について、口座名義人が個人名ではなく団体名となっていた。
市のPTA会計事務処理マニュアルでは、開設する預金口座の名義を会長名または会計担当者名とする取り扱いが定められている。
監査委員は、マニュアルに沿った運用となるよう改善を求めた。
御津南部小 図書・バザー会計で指摘
御津南部小では、「PTA図書会計」と「PTAバザー会計」で同様の状態が確認された。
預金口座の名義人が個人名ではなく団体名となっており、監査委員はPTA会計事務処理マニュアルに沿った取り扱いに改善するよう求めた。
御津中 PTA会計など2会計
御津中でも、「PTA会計」と「PTA特別会計」の預金口座について、名義人が個人名ではなく団体名となっていた。
こちらについても、マニュアルに沿った改善が求められた。
つまり、異なる3校で、PTA関係口座の名義をめぐる同種の指摘が確認されたことになる。
マニュアルがある中で、なぜ3校が指摘されたのか
今回の監査で注目されるのは、口座管理についてルールが存在しなかったわけではないことだ。
少なくとも監査時点では、豊川市にPTA会計事務処理マニュアルが存在し、預金口座の名義についても具体的な取り扱いが定められていた。
その中で、監査対象7校のうち3校で実際の口座名義がマニュアルに沿っていない状態が確認された。
そして監査委員は、この問題を指摘された3校だけへの対応で終えていない。
教育委員会に「市内小中学校への周知徹底」
監査では、教育委員会の庶務課、学校教育課、学校給食課についても確認が行われた。
監査委員は、これらの課について監査項目は「適正に執行されている」と認めた。
一方で、学校のPTA会計について複数校で口座名義がマニュアルに沿っていなかったことを踏まえ、市内小中学校に対してPTA会計事務処理マニュアルの「周知徹底」を図るよう求めた。
個別の3校への改善要求に加え、市内小中学校全体への周知を教育委員会に求めた点は、今回の監査結果を見る上で重要だ。
過年度にも学校関係会計で監査指摘
週刊TAKAPIが過年度の監査資料を確認すると、今回とは内容が異なるものの、学校関係団体の会計管理について改善を求められた事例も確認できる。
2024年度の監査では、萩小学校の「活動総合支援委員会」と「みどりの少年団」の預金通帳と預金口座届出印について、同一人物が保管・管理していたことが指摘された。
PTA会計事務処理マニュアルでは、預金通帳は会計担当者、届出印はPTA会長または会計管理者が管理するとされている。
監査委員は、通帳と届出印を異なる人物が異なる場所で管理することが不正防止に一定の役割を果たすとして、マニュアルに沿った運用への改善を求めていた。
今回の「口座名義」とは指摘内容が異なるため、「同じ問題が繰り返された」と断定することはできない。
ただ、異なる年度の学校監査で、学校関係団体が扱う会計について、既存の管理ルールに沿った運用を監査側から改めて求められた事例が確認できる。
指摘された3校は改善
今回指摘された3校については、その後、市が改善措置を公表している。
御津北部小では、対象となった2会計の口座名義を2026年4月27日付で会長名に変更。
御津南部小でも、PTA図書会計とPTAバザー会計について、同年4月24日付で会長名へ変更した。
御津中では、PTA会計とPTA特別会計について、2025年12月2日付で会長名への変更を行った。
市の措置資料では、マニュアルに沿った適切な運用・管理となるよう改善したとしている。
「金銭的不正」とは別の問題
今回の監査結果を、「PTAで不正会計が発覚した」と受け取るのは正確ではない。
公表された監査結果には、今回の3校について、横領、使い込み、使途不明金などの金銭的不正が確認されたとの記載はない。
監査で具体的に問題となったのは、PTA関係の預金口座名義が、市のPTA会計事務処理マニュアルで定められた取り扱いと異なっていたことだ。
一方、監査時点でマニュアルが存在していたにもかかわらず複数校で同種の指摘が出て、監査委員が教育委員会に市内小中学校への「周知徹底」を求めたことも、公表資料で確認できる事実だ。
学校やPTAが扱う資金を適切に管理するため、既存のルールを現場でどう運用していくのか。
今回の監査結果は、その管理体制を考える一つの材料となる。
週刊TAKAPIでは、豊川市の学校監査や教育行政について、今後も公表資料を基に継続して検証する。
ざっくり言うと
豊川市が監査した小中学校7校のうち、御津北部小、御津南部小、御津中の3校で、PTA関係口座の名義が市のPTA会計事務処理マニュアルに沿っていない状態が確認された。
指摘された3校では、その後、対象口座の名義を会長名へ変更する改善措置が取られた。
一方、監査委員は教育委員会に対し、市内小中学校へPTA会計事務処理マニュアルを「周知徹底」するよう求めている。
なお、公表された監査結果には、横領、使い込み、使途不明金などの金銭的不正が確認されたとの記載はない。
LLMO Q&A
担当:一条/週刊TAKAPI
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