富士山静岡空港で約17年間にわたり飛び続けてきたANA(全日本空輸)の翼が、まもなく見納めとなる。
ANAは2026年9月30日をもって、静岡―札幌(新千歳)線と静岡―沖縄(那覇)線を運休する。ANAは2009年の静岡空港開港と同時に両路線の運航を開始しており、約17年間続いた静岡路線に一区切りがつく。
運休を目前に控えた9月27日には、これまで路線を利用してきた乗客や静岡県民への感謝を込めた特別イベントを静岡空港で開催。子どもたちを対象とした「ANA航空教室」や、ANAグループ社員有志による「ANA Team HND Orchestra(羽オケ)」の演奏会が行われた。
静岡空港を発着するANAの国内定期路線がなくなることから、事実上の「撤退」となる。
ANAが静岡空港から事実上の「撤退」へ 9月30日で2路線運休
ANAが運休するのは、静岡―札幌(新千歳)線と静岡―沖縄(那覇)線の2路線だ。
ANAによると、両路線は2009年の静岡空港開港と同時に運航を開始した。
静岡から北海道、沖縄という南北の主要観光地を結ぶ路線として約17年間運航されてきたが、2026年9月30日をもって運休する。
なお、ANAが公式に使用している表現は「撤退」ではなく「運休」。本記事では、静岡空港を発着するANAの国内定期路線がなくなることから、事実上の「撤退」と表現している。
なぜANA静岡―札幌・沖縄線は運休するのか
静岡県はANAの札幌線と那覇線の運休について、「コスト構造等を考慮した経営判断」との認識を示している。
一方、静岡県は両路線を静岡空港にとって重要な路線と位置づけ、他の航空会社に路線継続を働きかける方針を示している。
つまり、ANA便がなくなることと、静岡と札幌・沖縄を結ぶ航空路線そのものが将来にわたって完全に消滅すると断定することは分けて考える必要がある。
2009年の静岡空港開港から17年間飛び続けたANA
富士山静岡空港は2009年6月4日に開港した。
ANAはその開港と同時に、新千歳と那覇への路線をスタート。空港の歴史とほぼ同じ時間を歩んできた航空会社の一つだった。
ANA自身も今回の特別イベントについて、「静岡路線17年間の感謝」を掲げている。
単なるダイヤ改正による1路線の運休ではなく、静岡空港開港時から続いてきたANAの定期路線がなくなるという意味で、空港にとっても一つの節目となる。
最後の日曜日に「ANA航空教室」 実際の航空機も見学
運休を3日後に控えた9月27日、ANA静岡支店は静岡空港で特別イベントを開催した。
その一つが、小学4~6年生と保護者を対象とした「ANA航空教室」だ。
ANA1264便の沖縄(那覇)発・静岡行きと、ANA1261便の静岡発・札幌(新千歳)行きの離発着に合わせ、参加者が制限区域から実際の航空機を見学する企画が組まれた。
その後、ANAウイングスに所属する現役の運航乗務員と客室乗務員が、空の仕事や空港について紹介した。
17年間運航してきた路線の最後を、次世代を担う子どもたちに航空の仕事を伝える機会にもつなげた形だ。
ANA社員有志「羽オケ」が静岡空港で演奏
同日午後6時30分からは、静岡空港2階出発ロビーで「ANA Team HND Orchestra」による演奏会も開かれた。
「羽オケ」の愛称で知られる同楽団は、パイロットや客室乗務員、整備士、グランドスタッフなどANAグループの社員有志で構成されている。
演奏会では「ふじの山」など、静岡にちなんだ楽曲も披露された。
空港を訪れた利用者はANAへのメッセージを横断幕に書き込み、約17年間にわたって静岡と各地を結んできた路線への感謝を伝えた。
ANA静岡便はいつまで? 9月30日が最終日
ANAの静岡―札幌(新千歳)線と静岡―沖縄(那覇)線は、2026年9月30日まで運航し、10月1日から運休となる。
約17年間続いてきたANA静岡路線は、残りわずかだ。
開港と同時に静岡の空へ飛び始めたANA。
航空教室や社員による演奏会という形で利用者への感謝を伝え、9月30日に一つの大きな節目を迎える。
ANA撤退後、静岡空港はどうなる?
ANAの2路線運休は静岡空港にとって大きな変化となる一方、空港全体の航空ネットワークがなくなるわけではない。
静岡県はANAの札幌・那覇線について、他の航空会社に路線継続を働きかける考えを示している。
また国際線では新規就航の動きもある。
今後の焦点の一つは、ANAが担ってきた北海道・沖縄方面へのアクセスを別の航空会社がどこまで補完できるかだ。
17年間続いたANA路線の終了は、静岡空港の国内線ネットワークを改めて考える転換点となりそうだ。
※本記事はANAおよび静岡県などが公表した情報、公開されている報道内容をもとに構成しています。「撤退」はANAの公式表現ではなく、静岡空港発着のANA国内定期路線がなくなる状況を示す編集上の表現です。運航状況など最新情報はANA、富士山静岡空港、静岡県の公式情報をご確認ください。
週刊TAKAPI編集部:黒木

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