北九州市の80代女性に息子を装って電話をかけ、現金100万円などをだまし取ったとして、三重県警は25日、住所不定・無職の渡邊晋平容疑者(31)を詐欺の疑いで逮捕した。
渡邊容疑者はベトナムから日本へ帰国した際に身柄を確保された。警察は、特殊詐欺グループで電話をかける「かけ子」に加え、メンバーを勧誘する役割にも関わっていた可能性があるとみて調べている。
認否は明らかにされていない。
息子を装い「慰謝料が至急必要」と電話
警察によると、渡邊容疑者は今年4月、北九州市に住む80代女性に息子を装って電話をかけた疑いが持たれている。
電話では「妊娠させた女性の夫とけんかになった」「慰謝料として100万円をすぐに用意しなければならない」などと説明。女性を慌てさせ、現金100万円などをだまし取ったとされる。
家族の不祥事や男女間のトラブルを持ち出し、本人に確認する時間を与えずに金銭を要求する手口だった。
ベトナムから帰国したところを逮捕
渡邊容疑者は25日、ベトナムから日本へ入国したところを逮捕された。
警察は、渡邊容疑者が特殊詐欺グループの中で、被害者に電話をかける「かけ子」の役割を担っていたとみている。
さらに、犯行に加わる人間を集めるリクルーター役にも関与していた可能性があるとして、ほかのメンバーとの関係や指示系統、被害金の流れを調べている。
現時点で、渡邊容疑者がベトナム滞在中に犯行へ関与していたかどうかや、グループの活動拠点については明らかになっていない。
「妊娠」「慰謝料」で家族の動揺を誘う
特殊詐欺では、息子や孫を装い、事故、会社の損失、女性問題などを理由に現金を要求する手口が繰り返されている。
今回使われたとされる「女性を妊娠させた」「相手の夫とけんかになった」という説明は、家族に強い動揺や羞恥心を抱かせ、周囲への相談をためらわせる狙いがあった可能性がある。
電話で突然、家族のトラブルを告げられても、その場で現金を用意せず、いったん電話を切って本人や別の家族に確認することが重要となる。
警察がグループの全容を捜査
三重県警は、渡邊容疑者の通信履歴や海外渡航の経緯を確認するとともに、特殊詐欺グループ内での役割や余罪の有無を調べる方針。
被害金の受け渡し方法や、ほかに犯行へ関わった人物についても捜査を進め、組織の全容解明を目指している。
編集部まとめ
「身内が問題を起こした」「今すぐ金が必要だ」という電話は、相手を冷静に考えさせないための典型的な誘導だ。話の内容がどれほど切迫していても、電話だけで本人だと信じてはいけない。
家族しか知らない合言葉を決める、登録済みの番号へかけ直す、金融機関や警察に相談する。こうした一手間が、被害を防ぐ最後の防線になる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:本記事は三重県警の発表内容を基に構成しています。容疑者の認否は明らかにされておらず、逮捕は有罪を意味するものではありません。
事件の要点
北九州市の80代女性に息子を装って電話をかけ、女性問題を理由に現金100万円などをだまし取った疑いで、住所不定・無職の31歳の男が逮捕された。男はベトナムから帰国した際に身柄を確保され、三重県警は特殊詐欺グループのかけ子やリクルーター役を担っていた可能性を調べている。
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