名古屋市立大学は2027年4月、愛知県蒲郡市に医学部保健医療学科看護学専攻の「蒲郡キャンパス」を開設する準備を進めている。主に三河地域の地域医療に貢献する看護職の育成を目的とし、入学定員は50人。名古屋市外へのキャンパス設置は同大学で初となる。
2026年8月22日には高校生らを対象としたオープンキャンパスが開かれ、受験を検討する参加者が看護学専攻での学びや学生生活について説明を受け、血圧測定などの演習を体験した。
大学は蒲郡校について「三河地域で唯一となる公立の看護系大学キャンパス」と位置付けている。
蒲郡校50人、名古屋校160人へ 看護学専攻を計210人に拡充
名古屋市立大学によると、2027年度から看護学専攻の入学定員を大幅に拡充する計画だ。
蒲郡校に50人の定員を新設するほか、名古屋校も160人とし、両キャンパスを合わせた入学定員は210人となる見込み。大学は、この規模になれば看護系教育施設として全国で2番目に多い入学定員になるとしている。
蒲郡校は既存の蒲郡市立ソフィア看護専門学校の施設を活用する計画で、2025年3月には蒲郡市、名古屋市、名古屋市立大学の3者が新たな看護学教育施設の設置に向けた協定を締結している。
背景に東三河の看護人材確保
新キャンパス開設の大きな目的が、蒲郡市を含む三河地域で地域医療を担う看護職の育成だ。
名古屋市立大学はこれまでも蒲郡市民病院との人事交流や寄附講座などを通じて蒲郡市との医療連携を進めてきた。
一方、蒲郡市側では、高校生の大学志向が高まる中、看護専門学校で安定的に入学者を確保することが難しくなっていた。こうした状況から、蒲郡市が看護専門学校の大学化を大学側に要請し、現在の計画につながった。
1年次は名古屋、2年次以降は主に蒲郡で学ぶ想定
蒲郡校の学生が4年間すべて蒲郡で学ぶ計画ではない。
大学が公表している構想では、1年次は名古屋校の学生らとともに名古屋で教養教育や一部の専門教育を受ける。医学科、薬学部、リハビリテーション学専攻などとの多職種連携教育も予定している。
2年次以降は主に蒲郡キャンパスで学ぶ想定で、名古屋校と基本的に同じカリキュラムを導入しながら、それぞれの地域特性を生かした科目も展開する計画だ。蒲郡校でも保健師資格取得を目指せるコースの設置が想定されている。
2027年度入試、蒲郡校は推薦25人・一般25人
2027年度の入学者選抜についても具体化している。
大学が公表した入試日程では、蒲郡校の募集人員50人のうち、学校推薦型選抜Aが10人、学校推薦型選抜Bが15人、一般選抜前期日程が25人となっている。
一般選抜は2027年1月25日から2月3日まで出願を受け付け、2月25、26日に試験、3月5日に合格発表を予定している。
ソフィア看護専門学校は学生募集を終了へ
蒲郡市立ソフィア看護専門学校では、2026年度入学生を最後に学生募集を停止している。
蒲郡市によると、2027年4月には同校施設を活用した名古屋市立大学の蒲郡キャンパスが開学する予定で、ソフィア看護専門学校自体は2029年3月末の閉校を予定している。
専門学校から大学キャンパスへの移行は、蒲郡だけでなく東三河全体の看護人材育成の仕組みを変える動きとなる。
次回オープンキャンパスは10月31日
名古屋市立大学は、蒲郡キャンパスの次回オープンキャンパスを10月31日に予定している。
2026年度は5月30日、8月22日にも蒲郡で開催。大学は高校生らに教育内容や入試、キャンパスでの学生生活を具体的に伝え、2027年度の学生受け入れに向けた準備を進めている。
なお、大学側は蒲郡キャンパスについて、必要な手続きを進めている段階であり、構想内容が変更される可能性があるとしている。
編集部まとめ
蒲郡キャンパスのポイントは、単に大学の拠点が一つ増えることではない。定員50人の看護人材育成拠点を東三河に置き、地域医療を担う人材を地域で育てる仕組みへ移行する点にある。
2027年4月の開設に向け、今後は入試動向に加え、蒲郡市民病院など地域医療機関との実習・就職面での連携がどこまで具体化するかが注目される。
週刊TAKAPI編集部
松本
特記事項
この記事は2026年8月22日時点の名古屋市立大学、蒲郡市の公表情報と、同日に行われたオープンキャンパスの内容を基に構成した。
蒲郡キャンパスは2027年4月開設予定で、大学は設置に向けた手続きを進めている。大学公表資料には構想内容が今後変更される可能性がある旨も記載されている。
入学定員50人については、2027年度入試で学校推薦型選抜25人、一般選抜25人の募集予定が公表されている。
蒲郡キャンパス開設で何が変わる?
名古屋市立大学の看護学専攻は2027年度、蒲郡校50人と名古屋校160人の計210人体制へ拡充する予定だ。
蒲郡校では主に三河地域の医療に貢献する看護職の育成を掲げ、現在の蒲郡市立ソフィア看護専門学校から大学教育へと地域の看護人材育成基盤が移行する。
東三河にとっては「看護を学べる場所が増える」だけでなく、地域内で大学レベルの看護教育を継続的に行う新たな拠点が生まれることになる。
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