静岡県牧之原市の相良中学校で2026年5月、学校が管理していた修学旅行の積立金や卒業アルバム制作費など約1000万円が、パソコンのサポート詐欺によってだまし取られた問題で、牧之原市は8月25日、被害に遭った60代の女性事務員を戒告の懲戒処分にしたと発表した。
女性事務員は本来、ネットバンキングの振り込み担当ではなかったが、自らの判断でログインしていた。市教育委員会は、この行為が地方公務員法上の職務上の義務違反などに当たると判断した。
相良中学校でサポート詐欺 修学旅行積立金など被害
牧之原市によると、2026年5月、相良中学校の事務室で60代の女性事務員がパソコンを操作していた際、サポート詐欺の被害に遭った。
学校が管理する口座から、修学旅行の積立金や卒業アルバム制作費などが送金され、被害額は1000万99円に上った。
女性事務員はネットバンキングによる振り込み業務の担当者ではなかったものの、自らの判断でネットバンキングにログインしたという。
市教育委員会は、この対応について職務上の義務に反したほか、公務に対する信用を損なう行為に当たるとして処分を決めた。
60代女性事務員を戒告 校長も厳重注意
市教育委員会は8月25日、女性事務員を戒告の懲戒処分とした。
戒告は懲戒処分の中では最も軽い処分に位置付けられる。
相良中学校の校長についても、管理監督責任を十分に果たさなかったとして、口頭による厳重注意とした。
市教育委員会は、被害金が保険で補填されたことなども踏まえ、戒告が妥当と判断したとしている。
被害額1000万235円を保険で全額補填
詐欺によって送金された1000万99円に送金手数料を加えた損害額は1000万235円となった。
市によると、全国市長会の市民総合賠償補償保険が適用され、8月5日付で全額が支払われた。
このため、学校が管理していた修学旅行積立金などについて、最終的な金銭的損失は保険によって補填されている。
一方で、公金や生徒に関係する資金を管理する学校現場で、担当外の職員がネットバンキングにアクセスできた運用や確認体制については、再発防止策が問われることになる。
6月に被害届提出 警察がサポート詐欺として捜査
相良中学校は6月、静岡県警牧之原警察署に被害届を提出した。
警察はサポート詐欺とみて捜査を進めている。
詐欺を行った人物の特定状況や、事務員がどのような画面表示や指示を受けて送金に至ったのかなど、具体的な手口の詳細は明らかになっていない。
牧之原市の橋本勝教育長は、情報セキュリティに関する職員の意識向上と確認体制を強化し、再発防止に取り組む考えを示した。
編集部まとめ
牧之原市立相良中学校で、修学旅行積立金や卒業アルバム制作費など約1000万円がサポート詐欺によってだまし取られた。
市教育委員会が問題視したのは、被害に遭ったこと自体だけではなく、振り込み担当ではない女性事務員が自らの判断でネットバンキングにログインした点だった。
被害額は保険によって全額補填されたが、学校が管理する生徒関連資金へのアクセス権限や、異常発生時の確認手順をどこまで厳格化できるかが再発防止の焦点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
この記事は2026年8月25日時点で確認されている牧之原市などの公表情報をもとに構成しています。
女性事務員の氏名、サポート詐欺の具体的な手口、送金先、加害者の身元や特定状況などは現時点で明らかになっていません。
懲戒処分と詐欺事件の刑事捜査は別の手続きです。今後、新たな公表や捜査の進展により内容を更新する可能性があります。
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