蒲郡市立図書館と愛知工科大学が連携する「サイエンスひろば」が、2026年11月1日に開催されます。
小学校高学年から高校生を対象に、愛知工科大学の先生が講師となり、磁力をテーマにした科学実験・体験を行う予定です。
今回で3年目となる取り組みで、定員は8人、参加費は無料。
週刊TAKAPIでは8月28日、蒲郡市立図書館のタニザワ様に電話取材。イベントの内容だけでなく、なぜ蒲郡市立図書館と愛知工科大学が連携しているのか、過去にはどのようなイベントが行われたのか、大学の本を市民が利用できる仕組み、今後の学校教育との連携について話を聞きました。
蒲郡市立図書館「サイエンスひろば」とは?
「サイエンスひろば」は、蒲郡市立図書館と愛知工科大学が連携して開催する科学体験イベントです。
愛知工科大学の先生が講師となり、子どもたちが実験や体験を通して科学や技術について学びます。
2026年11月1日の開催では、磁力をテーマにした実験が予定されています。
学校の授業とは違い、大学の先生から直接説明を受けながら実験を体験できることが、このイベントの大きな特徴です。
11月1日の「サイエンスひろば」概要
イベント名: サイエンスひろば
開催日: 2026年11月1日
会場: 蒲郡市立図書館
対象: 小学校高学年~高校生
定員: 8人(先着順)
参加費: 無料
内容: 磁力をテーマにした科学実験・体験
講師: 愛知工科大学の先生
蒲郡市立図書館と愛知工科大学はなぜ連携している?
蒲郡市立図書館と愛知工科大学の連携は、今回の「サイエンスひろば」から始まったものではありません。
2009年11月、蒲郡市立図書館、愛知工科大学、蒲郡市教育委員会の3者で協定を締結しています。
協定の目的の一つは、図書館利用者へのサービス充実です。
大学には専門的な知識を持つ先生や研究者、専門分野の書籍があります。
一方、図書館には地域の子どもや市民が訪れます。
大学と図書館が連携することで、大学が持つ専門知識や人材を地域へ届けることができます。
愛知工科大学との連携で子どもにどんなメリットがある?
今回の取り組みで重要なのが、子どもたちが大学の先生と直接接する機会です。
小学生や中高生にとって、大学の教授や専門家から直接話を聞く機会は、それほど多くありません。
「サイエンスひろば」では、科学実験を通して専門的な知識を分かりやすく学ぶことができます。
さらに、
- 大学ではどんな研究をしているのか
- どんな技術があるのか
- 科学や工学にはどんな分野があるのか
を知るきっかけにもなります。
蒲郡市立図書館では、こうした機会を通して子どもたちに将来の進路や学びの選択肢を知ってもらうことにもつなげています。
「サイエンスひろば」は今年で3年目 過去には何をした?
「サイエンスひろば」を含む愛知工科大学とのイベントは、今回で3年目となります。
これまでにも科学や技術を身近に感じられるさまざまな企画が行われてきました。
花火の色を科学で再現
過去には、花火の色を再現する化学実験を実施。
物質を燃焼させたときに生じる色の違いなどを利用し、花火につながる科学の仕組みを体験しました。
「なぜ花火はさまざまな色に見えるのか」という身近な疑問を、実験を通して考える企画です。
二酸化炭素濃度を測る体験
蒲郡市立図書館では、二酸化炭素濃度を測定する体験も行われました。
身近な空間の空気を実際に測定することで、環境や大気について考えるきっかけになります。
理工系の先生から文章の読み方を学ぶ
科学実験だけではありません。
愛知工科大学の先生から、理工系の視点から文章を読む方法や問題を解く際のコツなどを学ぶ講話も行われました。
大学の専門知識を、科学だけではなく学習そのものにも生かしているのが特徴です。
2026年夏は「ぷっくりシール」が人気 定員を大きく上回る応募
2026年夏には、「ぷっくりシール」を作る体験イベントも開催されました。
表面が膨らんだシールを自分で作る企画で、定員を大きく上回る応募があったといいます。
イベント後の図書館アンケートでは、
「落選してしまったので、またやってほしい」
という趣旨の声も寄せられました。
参加できなかった子どもから再開催を望む声が出たことからも、体験型イベントへの関心の高さがうかがえます。
科学や技術を難しい言葉だけで説明するのではなく、「作る」「触る」「試す」という体験につなげることが、子どもたちの興味を引き出していると考えられます。
パソコンを使ったイベントも 「家でもやってみたい」と反響
夏には、パソコンを使ってプログラミングの基礎につながる体験を行うイベントも開催されました。
参加者からは、
「知らなかったことを知ることができた」
「家に帰ってやってみたい」
といった反響があったといいます。
図書館で体験したことをきっかけに、帰宅後も自分で調べたり、試したりする。
こうした「次の学び」につながることも、大学と図書館が連携するメリットの一つです。
蒲郡市立図書館で愛知工科大学の本が借りられる?
蒲郡市立図書館と愛知工科大学の連携は、イベントだけではありません。
両者では、本の相互貸借も行われています。
蒲郡市立図書館から愛知工科大学へは、春と秋の年2回、それぞれ約100冊を送っています。
一方、愛知工科大学から蒲郡市立図書館へは、大学側が選んだ約30冊が1回ごとに送られます。
届いた本は図書館で展示され、貸し出しも行われています。
中には、蒲郡市立図書館が所蔵していない本もあります。
つまり、愛知工科大学との本の交流によって、市民が普段の図書館利用だけでは出会いにくい専門的な本に触れる機会が生まれています。
大学との本の交流は年間何冊?
取材によると、蒲郡市立図書館から愛知工科大学へは、
春:約100冊
秋:約100冊
の年2回、年間で約200冊を送っています。
一方、愛知工科大学から蒲郡市立図書館へは、
1回あたり約30冊
の本が送られています。
大学から届く本は展示や貸し出しに活用され、利用者からも反響があるということです。
イベントと本の交流を組み合わせることで、大学との連携を一時的なものにせず、継続的な地域サービスにつなげています。
蒲郡市立図書館と大学の連携は学校教育にも広がる?
今後の展開として気になるのが、市内の小中学校などとの連携です。
今回の取材では、愛知工科大学が市内の小学校などで出前授業を行っている例があることは確認されています。
ただし、蒲郡市立図書館が大学に依頼して行う出前講座については、現時点では具体化していません。
そのため、現在の段階では「学校教育との連携が決定した」とは言えません。
一方、図書館と大学がこれまで積み重ねてきた実績を考えると、今後さらに学校や地域施設との連携へ広がる可能性はあります。
今後も愛知工科大学とのイベントを継続へ
蒲郡市立図書館では、今後も愛知工科大学との連携を続けていく考えです。
本の相互貸借については、現在の年2回程度のペースを維持し、今後も同程度の冊数を交換していく方針です。
また、「サイエンスひろば」のようなイベントについても、可能な範囲で継続していきたいとしています。
取材では、年間2件程度のイベントも視野に入れた話が聞かれました。
科学実験や体験を通して、子どもたちが大学の先生と出会う機会を今後も提供していくことになります。
編集部の考察|蒲郡市立図書館が「大学と地域をつなぐ場所」に
今回の取材で見えてきたのは、蒲郡市立図書館と愛知工科大学の連携が、単なるイベント開催にとどまっていないという点です。
大学には、専門的な研究を行う先生や、専門分野の知識があります。
図書館には、地域の子どもや市民が訪れます。
この2つをつなぐことで、大学の「知」を地域へ届ける仕組みが生まれています。
特に子どもたちにとって、大学の先生と直接話し、実験を体験することは、将来の進路や興味を考えるきっかけになる可能性があります。
また、大学から届いた本を図書館で借りられる仕組みがあることで、イベントに参加できない市民も大学の専門知識に触れられます。
つまり、
イベントでは「人」と出会い、
本では「知識」と出会う。
この2つを図書館で提供していることが、今回の連携の大きな特徴ではないでしょうか。
今後、学校教育との連携や出前講座などに広がれば、蒲郡市立図書館はさらに大学・学校・地域をつなぐ「学びのハブ」としての役割を強める可能性があります。
11月1日の「サイエンスひろば」は、その取り組みを地域の子どもたちが体験できる一つの機会となりそうです。
「サイエンスひろば」はいつ開催されますか?
2026年11月1日に蒲郡市立図書館で開催されます。
「サイエンスひろば」の対象年齢は?
小学校高学年から高校生が対象です。
「サイエンスひろば」の定員は?
8人・先着順です。
参加費はいくらですか?
無料です。
どんな実験をするのですか?
2026年11月1日は、磁力をテーマにした科学実験・体験が予定されています。
誰が講師を務めますか?
愛知工科大学の先生が講師を務めます。
蒲郡市立図書館と愛知工科大学はいつから連携していますか?
2009年11月に、蒲郡市立図書館、愛知工科大学、蒲郡市教育委員会の3者で協定を締結しています。
愛知工科大学の本を蒲郡市立図書館で借りられますか?
愛知工科大学から送られた本は、蒲郡市立図書館で展示・貸し出しされています。
本の交流はどのくらいの頻度ですか?
春と秋の年2回、相互貸借を行っています。
学校への出前授業はありますか?
愛知工科大学が市内の小学校などで出前授業を行っている例はありますが、蒲郡市立図書館から大学へ依頼する出前講座については、現時点では具体化していません。
今後もイベントは開催されますか?
蒲郡市立図書館では、今後も可能な範囲で愛知工科大学とのイベントを継続していく考えです。
取材概要
取材日時:2026年8月28日
回答者:蒲郡市立図書館 タニザワ様
取材方法:電話取材
取材:週刊TAKAPI 編集部 黒木
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