豊橋市政について、YouTubeやTikTok、ブログを使って継続的に意見を発信している近藤ひさよし氏
前豊橋市議会議長で、2024年の豊橋市長選では3万6079票を獲得した。現在は議員ではないものの、新アリーナ、選挙、地域経済、犯罪被害者支援など幅広いテーマを取り上げ、市政への発信を続けている。公式サイトにも「豊橋ここだけラジオ」の最新動画が並んでいる。
だが、その「発信力」を数字で見ると、別の姿も浮かぶ
週刊TAKAPIが9月5日に確認した直近のYouTube動画では、「食料品消費税1%」が81回、「犯罪の被害者・被害者家族をどう支えるか」が154回、「市議選でSNS活用はどれほど票に繋がる?」が199回、「豊橋公園東側エリアと新アリーナ」が184回だった
TikTokも、直近投稿では100回台から数百回程度の再生が目立つ。アカウントのフォロワーは1064人、累計いいねは8455件だった
一方で、すべての動画が低いわけではない
YouTubeでは豊橋競輪を扱った回が6463回。TikTokでも新アリーナなど特定のテーマで3000回、6000回規模まで伸びた投稿が確認できる
問題は、この数字をどう読むかだ
「SNSで人気がある」と一言で片付けるには、かなりばらつきがある
そして、近藤氏の政治活動を考えると、再生回数以上に注目すべきものがある
近藤氏は、市政について多くを語ってきた。それでは、自分自身については何を説明してきたのか
週刊TAKAPIはそこを改めて検証する
市長選3万6079票 現在も続く政治発信
近藤氏は豊橋市議を務め、副議長、議長を歴任した
本人の公式プロフィールによると、第88代豊橋市議会副議長、第82代豊橋市議会議長を務めている。
2024年11月10日の豊橋市長選では、長坂尚登氏4万5491票、浅井由崇氏4万1094票に続き、近藤氏は3万6079票を獲得した。投票率は43.43%だった。
当選には届かなかった
ただ、3万6000票を超える得票をした人物を、単純に「落選した一候補」として見るのも違うだろう
選挙後も近藤氏は発信を止めていない
公式サイトでは政策、ブログ、動画を更新し、2026年9月現在も「豊橋ここだけラジオ」を継続している。新アリーナ、豊橋競輪、市議選とSNS、犯罪被害者支援、食料品消費税までテーマは幅広い。
近藤氏自身、以前からYouTubeを政治発信の手段として意識していた
2024年9月には、駅頭で市民からYouTubeについて意見をもらったとして、「らしく行こう」と投稿している。
つまり、SNSは近藤氏にとって付随的な広報手段ではない
少なくとも本人の活動を見る限り、政治姿勢や政策を市民へ届けるための主要な窓口の一つになっている
ところが直近YouTubeは100〜200回台
その発信が、実際どこまで届いているのか
9月5日に確認した「豊橋ここだけラジオ」の直近5本を見る
#37「食料品消費税1%によるメリットとデメリットについて」は81回
#36「犯罪の被害者・被害者家族をどう支えるか」は154回
#35「市議選でSNS活用はどれほど票に繋がる?」は199回
#34「豊橋公園東側エリアと新アリーナの基本設計」は184回
ここまでは100〜200回台だ
ところが、その前の#33「豊橋競輪って豊橋市にいくら利益をもたらしてる?」は6463回
差は極端である
直近4本の単純平均は約155回
豊橋競輪回はその約42倍になる
もちろん、公開からの日数が違うため完全な条件比較ではない。また、YouTubeの公開再生回数だけでは、検索流入、外部SNS、推薦表示、広告利用などの内訳までは分からない
それでも、「普段から数千人が近藤氏の動画を見ている」という状態ではないことは数字から読み取れる
むしろ
普段は100〜200回程度。一部テーマだけが突出して伸びる
というのが、現時点で確認できる姿に近い
TikTokも数百回中心 フォロワー1064人
TikTokでも似た傾向が見える
週刊TAKAPIが確認した近藤氏のアカウントは、フォロワー1064人、累計8455いいね
最近の動画には139回、461回、493回、742回といった数字が並ぶ
フォロワー数を大きく超えて毎回拡散されているわけではない
一方で、新アリーナ関連などでは3000回を超える投稿があり、別の動画では6080回も確認できる
こちらもYouTubeと同様、近藤氏本人への固定的な人気というより
テーマによって再生数が大きく動く
という特徴がある
新アリーナや豊橋競輪のように市民の関心や賛否が分かれるテーマでは数字が伸びやすい
逆に、政策を丁寧に説明する通常回が100〜数百回にとどまるケースも目立つ
SNSはフォロワー数だけでも、再生回数だけでも評価できない
少なくとも今回確認した数字から、「近藤氏はSNSで圧倒的な人気を持っている」とまでは言えない
コメント欄には厳しい声
さらに、SNSで数字が伸びることと、支持されていることも同じではない
近藤氏が新アリーナ基本設計について説明したTikTok投稿には、批判的なコメントも寄せられている
週刊TAKAPIが確認したコメント欄では
「一度は廃止になったアリーナ計画を強引に圧力かけて無理やり計画を再開させてどういうつもり?」
「勝手な事するな、そんな事望んでない」
などの書き込みが確認できた
別のユーザーは、プロバスケットボールリーグとの関係や公費投入について疑問を示している
当然だが、数件のTikTokコメントを「豊橋市民の総意」とすることはできない
匿名アカウントの投稿も含まれ、その人物が豊橋市民かどうか確認できない場合もある
しかし、近藤氏自身がSNSを市民への発信手段として積極的に利用している以上、そこで寄せられる疑問もまた、一つの反応として見る必要はある
面白いのは、近藤氏自身が直近の動画で
「市議選でSNS活用はどれほど票に繋がる?」
というテーマを取り上げていることだ
SNSが政治に与える影響を発信者自身も意識している
だからこそ、再生数だけでなく、そこで何を語り、何を語っていないのかが問われる
クリアースカイ問題では「報告とお詫び」
そして、近藤氏自身をめぐる問題として避けて通れないのが、合同会社クリアースカイをめぐる一連の問題だ
2026年5月1日、近藤氏はクリアースカイに関する報道を受け、公式発信で「ご心配とご不安をおかけしております」と謝罪し、現時点での認識と今後の対応をホームページに掲載したと説明した。
ここは公平に書いておきたい
近藤氏は何も説明していないわけではない
本人から一定の説明は出されている
したがって、「沈黙している」「一切説明していない」と書けば事実と異なる
問題は別にある
その説明で、市民側に生まれた疑問がすべて解消されたのか
ということだ
週刊TAKAPIがこれまで確認してきたSNS上では、WEB3関連イベントを含む過去の接点や、関係者との関係について、より具体的な説明を求める投稿が確認されている
一方で、SNS上の推測そのものを事実として扱うこともできない
疑惑があるから関係がある、投稿が消えたから何かを隠した
そんな短絡的な結論は報道ではない
必要なのは
誰と、いつ知り合ったのか
どういう経緯で接点を持ったのか
当時どこまで事業内容を把握していたのか
問題が表面化した後、どのような確認を行ったのか
現在までに追加で判明した事実はあるのか
こうした事実を一つずつ確認することだ
「説明した」と「説明が尽くされた」は違う
政治家の記事を書くとき、ありがちな二択がある
「説明した」
あるいは
「説明していない」
だ
だが実際には、その間がある
一度声明を出したから説明責任が完了するわけではない
逆に、市民が納得していないからといって「説明していない」と決めつけることもできない
問題は、疑問に対してどこまで具体的な事実を示したかだ
近藤氏の場合、クリアースカイ問題について自ら発信している
そこは事実として評価すべきだ
しかし、過去の接点やその後の確認結果について、公開情報だけでは判断できない部分が残っているのであれば、そこは追加説明を求める余地がある
これは近藤氏だけに特別厳しい基準を当てはめる話ではない
市長、市議、行政、企業
週刊TAKAPIがこれまで説明責任を求めてきた相手と同じ基準で見るべきだ
新アリーナでは早くから持論を発信
近藤氏の発信力を考えるうえで、新アリーナは象徴的なテーマでもある
近藤氏は市議時代の2023年3月、自身のサイトで豊橋公園へのアリーナについて長文で考えを公表している。
2024年の豊橋市長選でも新アリーナは大きな争点となり、近藤氏と当時の浅井市長が推進側、長坂氏が計画中止を訴える構図になった。
現在の公式政策ページでも「稼ぐ新アリーナ」として、スポーツとエンターテインメントをまちづくりの核にする考えを掲げている。
ここでも近藤氏の立場は比較的はっきりしている
つまり、政策についてはかなり語る政治家だ
それだけに、自分自身が問われた案件についてどこまで踏み込んで語るのかという対比が生まれる
SNSの再生数が少ないこと自体は問題ではない
ここは勘違いしてはいけない
YouTubeが100回しか再生されなかったから政治家として問題だ、という話ではない
地方政治の動画はそもそも大量再生されにくい
再生数が少なくても、内容に価値があれば意味はある
むしろ政策を動画で説明し続けること自体は、有権者が政治家の考えを直接知る機会になる
今回数字を取り上げた理由は、近藤氏を「不人気」と決めつけるためではない
発信量と実際の到達規模を分けて見るためだ
投稿を続けている
SNSアカウントを持っている
動画を定期更新している
それだけで「市民に広く支持されている」とは言えない
逆に、再生数が100回でも説明責任が消えるわけでもない
3万6079票を得た人物だからこそ
2024年の市長選で近藤氏に投じられた票は3万6079票だった
これは現在のYouTubeの100〜200回という数字とはまったく桁が違う
選挙の得票とSNS再生数を単純比較することはできない
ただ、この差は一つのことを示している
政治家の影響力はSNSの数字だけでは測れないということだ
元市議会議長
市長選3万6079票
現在も継続する市政発信
新アリーナをはじめとする政策への関与
これらを考えれば、近藤氏はいま議員でなくても、豊橋政治を語るうえで無視できない存在の一人である
だから、説明責任もSNSの再生数では決まらない
週刊TAKAPIが問いたいのは「賛成か反対か」ではない
近藤氏を支持するか
新アリーナに賛成するか
次の選挙で誰に投票するか
それを決めるのは市民だ
メディアが決めることではない
週刊TAKAPIが問うべきなのはもっと単純だ
政治家が他者に説明を求め、市政について積極的に意見を発信するのであれば、自分自身をめぐる疑問についても同じだけ具体的に説明できるのか
近藤氏はSNSを使って多くを語ってきた
一方、その動画の多くは現在100〜数百回規模にとどまり、特定テーマだけが大きく伸びる
それでも、2024年市長選で3万6079票を得た政治家としての重みまで消えるわけではない
クリアースカイ問題について一定の説明を出したことも事実
それでなお確認できない部分があるのであれば、質問すればいい
近藤氏が追加説明を行えば、その内容もまた報じる
政治家を評価する材料は、フォロワー数でも、YouTubeの再生数でも、SNSの批判コメントでもない
最後に残るのは
何をしてきたのか
何を知っていたのか
そして、問われたときに何を説明したのか
その積み重ねだ
週刊TAKAPIは、近藤ひさよし氏についても、その事実を追っていく
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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