【独自•愛知•豊橋市初】SFTS患者の80代男性が死亡 感染場所やマダニに刺された状況は不明

豊橋市が市内で初めて確認した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者について、患者が市内在住の80歳代男性で、その後死亡していたことが週刊TAKAPIの電話取材で分かった。

男性は8月30日に豊橋市内の医療機関を受診し、そのまま入院した。一方、発症前の詳しい行動歴や感染したとみられる場所、マダニに刺された痕の有無については確認できていないという。


豊橋市で初のSFTS患者 市内在住の80歳代男性

豊橋市は9月8日、市内で初めてSFTS患者を確認したと発表した。

豊橋市保健所保健医療企画課は週刊TAKAPIの取材に対し、患者について「豊橋市民であり、SFTS患者として市内で確認された初めての事例」と説明した。

患者は80歳代の男性。個人の特定を防ぐため、詳しい居住地域や受診した医療機関名は公表されていない。

ただし、「市内初」という表現は、豊橋市内で感染したことが確認されたという意味ではない。患者が実際に感染したと推定される場所については分かっていない。


8月30日に市内の医療機関を受診、その後死亡

市保健所によると、男性は8月30日に豊橋市内の医療機関を受診し、入院した

その後の容体について尋ねたところ、担当者は男性がすでに死亡していることを明らかにした。

一方、今回の取材では、正確な発症日やSFTSと診断された日、死亡した日までは確認できなかった。また、死亡とSFTSとの直接的な因果関係についても明確な説明は得られていない。

このため、現段階では「SFTS患者として確認された男性がその後死亡した」という事実までが確認できた内容となる。


感染場所は豊橋市内か市外か分からず

感染したと推定される場所について、市保健所から具体的な回答は得られなかった。

男性がすでに死亡していることもあり、発症前にどのような場所を訪れていたのか、農作業や草刈り、山林への立ち入りなどがあったのかについては、確認できていないという。

したがって、現時点で豊橋市内でマダニに刺された、あるいは市内で感染したと断定することはできない

市内初の患者確認ではあるものの、感染場所まで「豊橋市内」と受け取られかねない発表表現については、慎重な説明が求められる。


マダニに刺された痕や本人の自覚も確認できず

男性にマダニに刺された痕があったか、本人に刺された自覚があったかについても、市は確認できていない。

SFTSは、ウイルスを保有するマダニに刺されることなどによって感染する。すべてのマダニがウイルスを保有しているわけではなく、マダニに刺された人が必ず発症するわけでもない。

市保健所は、草むらや藪などに入る際には、長袖や長ズボンを着用するなどして、肌の露出を減らすよう呼びかけている。


愛知県内では2026年に9例 豊田市や新城保健所管内でも確認

市保健所の説明によると、愛知県内では2026年に9例のSFTS患者が確認されている。

具体的な発生地域として、山間部を含む豊田市や新城保健所管内が挙げられた。

一方、市の発表にある「近隣自治体」について、自治体別の患者数や詳しい内訳までは今回の取材で確認できなかった。

豊橋市で過去にSFTSが疑われ、検査を受けた事例があったかについても、担当者は「現時点では分からない」と回答した。患者として正式に確認されたのは今回が初めてだという。


市内初でも新たなマダニ調査は明言せず

週刊TAKAPIは、市内初の患者確認を受け、豊橋市がマダニの生息調査やSFTSウイルスの保有状況調査、医療機関への追加通知などを新たに実施する予定があるかを尋ねた。

市は、今回の発表資料をホームページに掲載していることや、以前からマダニの活動が活発になる春から秋に注意喚起を続けていることを説明。JAなどを通じて農業関係者への周知も行っているとした。

しかし、今回の患者確認を受けた新たな生息調査やウイルス保有調査の実施については、明確な回答がなかった


編集部の考察

市民が知りたいのは、患者が豊橋市民だったという情報だけではない。市内で感染した可能性があるのか、どのような環境で感染リスクが高いのか、行政が追加調査を行うのかという具体的な情報だ。

今回の事例では、患者の行動歴や感染推定場所が分からず、市内における感染リスクを判断できる材料は限られている。

個人情報への配慮は当然必要だが、市内初の確認を注意喚起につなげるのであれば、個人を特定しない範囲で、感染場所の推定状況や市内調査の必要性について継続的に説明することが求められる。


マダニを見つけても自分で引き抜かない

市保健所は、皮膚に吸着しているマダニを見つけた場合、無理に手で引き抜かず、皮膚科などの医療機関で処置を受けるよう呼びかけている。

刺された後は数週間程度、体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れた場合には早めに医療機関を受診する必要がある。

受診時には、マダニに刺された可能性や、草むら、畑、山林などに入った時期を医師に伝えることが重要だ。

市保健所によると、マダニに刺されてからSFTSを発症するまでの期間は、おおむね6日から2週間程度とされている。


感染動物の血液や体液から感染する可能性も

SFTSはマダニだけでなく、感染した動物の血液や体液などに触れることで感染する可能性もある。

ただし、今回の患者から家族や医療関係者などへの二次感染が確認されているかについては、取材では明らかにならなかった。

体調不良の野生動物や飼育動物に触れる際には、素手で血液や体液に接触しないよう注意が必要となる。


Q犬や猫からSFTSに感染することはありますか?
A感染した犬や猫などの血液、唾液などの体液に直接触れることで感染する可能性があります。動物の体調に異変がある場合は、素手で体液に触れず、動物病院へ相談してください。
Qマダニは市街地にも生息していますか?
Aマダニは山林や草むら、畑、河川敷などに生息します。市街地でも、草木が多い場所や野生動物が出入りする環境では注意が必要です。
Q虫よけ剤だけでマダニを防げますか?
A虫よけ剤だけで完全に防げるわけではありません。長袖、長ズボン、足を覆う靴を着用し、帰宅後に衣類や皮膚を確認するなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。
Qマダニに刺されたら、すぐSFTSの検査を受けられますか?
A刺されたことだけで直ちにSFTSと診断されるわけではありません。マダニを無理に取らず医療機関で処置を受け、その後に発熱や倦怠感、消化器症状などが出た場合は速やかに受診してください。

取材日:2026年9月10日

取材先:豊橋市保健所 保健医療企画課

取材方法:電話取材

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週刊TAKAPI編集部:黒木

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