愛知県あま市に、東海3県で初となる「ウェンディーズ・ファーストキッチン」のドライブスルー対応店舗が誕生する。
ファーストキッチン株式会社によると、「ウェンディーズ・ファーストキッチン甚目寺店」は、2026年10月8日にオープンする予定だ。愛知県内では商業施設内への出店が中心だった同ブランドが、なぜ今回は名古屋市中心部ではなく、郊外のあま市にドライブスルー店を設けるのか。
背景には、同社が進めてきた都市型店舗から郊外型店舗への出店戦略の拡大と、車で利用しやすい甚目寺エリアの地域特性があると考えられる。
ウェンディーズ・ファーストキッチン甚目寺店が10月8日オープン
新店舗の出店場所は、愛知県あま市森4丁目10番5号。営業時間は午前8時から午後9時までで、オープン初日の10月8日のみ午前10時に開店する。
客席は計42席で、内訳は店内24席、テラス18席。最大の特徴は、車から降りずに商品を注文・受け取りできるドライブスルーを備えている点だ。
同社によると、ウェンディーズ・ファーストキッチンのドライブスルー店舗が東海3県に出店するのは今回が初めてとなる。
店舗概要
店名:ウェンディーズ・ファーストキッチン甚目寺店
オープン日:2026年10月8日(木)
住所:愛知県あま市森4丁目10番5号
営業時間:午前8時~午後9時
※オープン初日は午前10時開店
席数:42席(店内24席、テラス席18席)
店舗形態:ドライブスルー対応
アクセス:
名鉄津島線「七宝駅」から徒歩約24分
名鉄津島線「甚目寺駅」から徒歩約38分
あま市コミュニティバス「森4丁目」バス停から徒歩約4分
特記事項:営業時間やサービス内容は変更される場合があります。来店前に公式サイトなどで最新情報をご確認ください。
開店を記念し、10月8日から4日間、商品を購入した人のうち各日先着100人にオリジナルエコバッグを配布する。なくなり次第終了となる。
愛知県ではアピタ安城南店、鳴海なるぱーく店に続く出店
ウェンディーズ・ファーストキッチンは、米国発のハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」と、日本生まれの「ファーストキッチン」を組み合わせたコラボレーションブランドだ。
ウェンディーズのバーガーやチリに加え、ファーストキッチンで定着しているフレーバーポテト、パスタ、フロートなど幅広い商品を扱っている。
愛知県内ではこれまで、アピタ安城南店と鳴海なるぱーく店を展開してきた。いずれも商業施設を訪れる買い物客が主な利用者となる店舗で、今回の甚目寺店は、車で店舗を目的地として訪れることを想定した新たな形になる。
なぜ名古屋市ではなく、あま市の甚目寺なのか
会社側は、甚目寺を選んだ詳しい理由まで公表していない。このため、以下は立地条件や同社の過去の出店方針を踏まえた週刊TAKAPI編集部の考察となる。
理由1 駅前型ではなく「車で立ち寄る店」を試せる
公式案内によると、店舗は名鉄津島線の七宝駅から徒歩約24分、甚目寺駅からは徒歩約38分の場所にある。
駅から歩いて利用するには一定の距離があり、鉄道利用者を中心に据えた店舗とは考えにくい。反対に、ドライブスルーとの組み合わせを考えれば、最初から自動車利用を軸に設計された郊外型店舗と見るのが自然だ。
駅前や大型商業施設のフードコートでは、施設の来館者数や営業時間に売り上げが左右される。独立型に近い店舗であれば、朝食、昼食、夕食、持ち帰りと時間帯別の需要を直接取り込める。
午前8時から営業する点も、通勤・通学の送迎途中や休日の外出前といった車利用者を意識した可能性がある。
理由2 甚目寺エリアには日常的な買い物客が集まる
甚目寺店の近隣には、2026年4月に旧ピアゴ甚目寺店から転換した食品強化型店舗「ロビン・フッド甚目寺店」がある。同店には147台分の駐車場が設けられている。
食料品を中心とした日常の買い物拠点が近くにあるため、ウェンディーズ・ファーストキッチン側は、買い物前後の食事や持ち帰り需要を取り込める可能性がある。
単独で来店客を集めるだけでなく、周辺商業施設との回遊によって利用機会を増やせる立地と考えられる。
ただし、ロビン・フッドとの一体的な開発や提携が発表されているわけではない。両店舗の関係については、現時点で確認された事実と立地上の考察を分けて見る必要がある。
理由3 名古屋近郊でありながら郊外型店舗を展開しやすい
あま市は名古屋市の西側に隣接している。名古屋都市圏の人口を商圏として見込める一方、都心部と比べれば、ドライブスルーの車路や駐車スペースを確保した店舗を展開しやすい。
ウェンディーズ・ファーストキッチンは従来、都市部への出店を中心としてきたが、2022年3月に郊外への出店強化を表明している。大阪府泉佐野市にドライブスルー店を開いた際にも、それまで利用機会の少なかった地域へブランドを広げる方針を説明していた。
甚目寺店も、この郊外展開を東海地方へ広げる一店舗と位置付けられそうだ。
ドライブスルーは郊外進出の「重要な鍵」
同社は2022年、神奈川県秦野市に直営のドライブスルー店舗を開設した際、ドライブスルーを都市部だけでなく郊外へ店舗を広げるための重要な鍵と説明している。
ウェンディーズ・ファーストキッチンは、マクドナルドなどの大手チェーンと比べると国内の店舗網が限られる。そのため、知名度の高い都市部だけに集中するのではなく、既存店が少ない地域で新しい利用者を獲得することが成長には欠かせない。
一方、郊外では車移動が中心となるため、店内飲食だけでは利用者を取りこぼす。ドライブスルーを設けることで、子ども連れの家族、高齢者、仕事中の利用者など、車から降りずに購入したい層にも接点を広げられる。
商業施設内からロードサイドへ 愛知でブランド浸透を狙う試金石
甚目寺店の開業は、単なる愛知県内の店舗追加ではない。
これまで県内で展開してきた商業施設型店舗に、ドライブスルー対応の郊外型店舗を加えることで、同社は異なる生活動線に接点を持つことになる。
特に注目されるのは、店舗名に「東海初」ではなく「甚目寺」という地域名を掲げた独立性の高い出店である。商業施設の集客力に頼らず、ウェンディーズ・ファーストキッチンそのものを目的に来店してもらえるかが問われる。
編集部の考察 甚目寺店は東海地方での多店舗化を占う可能性
今回の出店で最も重要なのは、東海初のドライブスルーという話題性だけではない。
甚目寺店が安定した売り上げを確保できれば、愛知県の尾張、西三河、知多など、車利用の多い地域で同様の店舗を展開できる可能性が生まれる。反対に、ブランド認知や商品価格、提供時間などに課題が出れば、東海地方での郊外展開は慎重にならざるを得ない。
つまり甚目寺店は、愛知県における新店舗であると同時に、ウェンディーズ・ファーストキッチンが東海地方でロードサイド市場に入り込めるかを測る試金石になりそうだ。
大手ハンバーガーチェーンのドライブスルーが各地に定着するなか、ウェンディーズの本格的なバーガーと、ファーストキッチンの豊富なサイドメニューを組み合わせた商品構成で、どこまで違いを打ち出せるか。開業後の利用状況が注目される。
秋の新作バーガーは販売される?
会社側は、秋の新作バーガーを甚目寺店で他店舗に先駆けて販売する予定としている。ただし、商品名や価格などは発表時点で明らかになっていない。
最寄りのバス停はどこ?
あま市コミュニティバスの「森4丁目」バス停から徒歩約4分と案内されている。運行日や時刻は、利用前にあま市の最新情報を確認したい。
テラス席は利用できる?
発表された42席のうち、18席がテラス席となる予定。天候や店舗の運用状況によって利用条件が変わる可能性がある。
「東海初」と「東海唯一」の違いは?
公式発表では「東海3県初のドライブスルー店舗」と案内されている。開業時点で他に同ブランドのドライブスルー店がなければ唯一となるが、将来の出店によって状況は変わる可能性がある。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
週刊TAKAPI編集部:黒木

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