愛知県豊橋市船渡町の介護事業所「デイサービス船渡」が、従業者の勤務実態がなく、人員配置の基準に違反していたとして、東三河広域連合から指定取り消し処分を受けた。
処分は10月6日付で、広域連合が9日に公表した。対象となったのは、通所介護と介護予防通所サービスの2種類。
広域連合は「従業者の勤務実態がなく、人員基準に違反していること」を処分理由としている。ただし、勤務実態がなかった期間や従業者の人数、利用者への影響については明らかにしていない。
2005年に指定された介護事業所 2種類のサービスを取り消し
処分を受けたのは、株式会社にでかが運営するデイサービス船渡。所在地は豊橋市船渡町字城戸中7番地の2で、同社の代表取締役は森公孝氏。
同事業所は2005年7月1日に通所介護、2018年4月1日に介護予防通所サービスの指定を受けていた。
介護保険の通所サービスでは、利用者が施設に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援、機能訓練などを受ける。
事業所には利用者数やサービスの種類に応じて、必要な従業者を配置することが求められている。
今回、広域連合は必要な人員配置の基準を満たしていなかったと判断し、両サービスの指定を取り消した。
従業者の勤務実態なし 違反期間や職種は非公表
東三河広域連合が示した処分理由は、人員基準違反だ。
通所介護については介護保険法第77条第1項第3号、介護予防通所サービスについては同法第115条の45の9第1項第1号を適用している。
一方、公表資料には勤務実態がなかった従業者の職種や人数、違反が続いていた期間は記載されていない。
実際に勤務していない従業者が人員配置上どのように扱われていたのか、勤務表などの記録と実態に食い違いがあったのかも明らかになっていない。
また、今回の処分理由には、介護報酬の不正請求やサービス提供記録の偽造は記載されていない。
人員基準違反が認定されたことと、不正請求が認定されたことは別であり、現段階で両者を結び付けることはできない。
利用者は何人いたのか 代替サービスへの移行状況は不明
指定取り消しによって、デイサービス船渡は取り消された指定に基づく介護保険サービスを提供できなくなった。
しかし、取り消し時点で何人が利用していたのか、別の介護事業所への移行が必要となった利用者がいたのかについては、公表資料から確認できない。
通所介護を利用する高齢者には、入浴や食事の支援、機能訓練などを継続的に必要とする人もいる。
事業所の指定が取り消された場合、利用者の状態や利用していたサービスに応じ、ケアマネジャーなどと連携した調整が重要となる。
今回、広域連合や事業者が利用者と家族にどのような説明を行ったのか、代替サービスの確保をどう進めたのかは明らかになっていない。
発覚のきっかけは何か 監査の経緯も公表されず
今回の指定取り消しは、東三河地域の介護保険事務を担う東三河広域連合が実施した。
ただし、人員基準違反を確認したきっかけが定期的な運営指導だったのか、監査や外部からの情報提供によるものだったのかは、公表されていない。
事業者が違反についてどのような説明を行ったのか、過去に改善指導を受けていたかどうかも不明だ。
また、広域連合は介護報酬の返還請求の有無についても、今回の処分資料では説明していない。
編集部まとめ
2005年から通所介護の指定を受けていた豊橋市内の事業所が、従業者の勤務実態がないとして指定を取り消された。
東三河広域連合は人員基準違反を認定したものの、勤務実態がなかった従業者の人数や期間、利用者への対応は公表していない。
介護事業所への行政処分では、処分理由に加えて利用者が必要なサービスを継続できるかどうかも重要となる。
今回の処分で利用者にどのような影響が生じたのか、サービスの引き継ぎ状況とともに、違反の確認経緯を明らかにする必要がある。
特記事項
本記事は東三河広域連合が2026年10月9日に公表した行政処分資料に基づいて構成した。
指定取り消し日は10月6日。処分理由は従業者の勤務実態がないことによる人員基準違反であり、不正請求や虐待が認定されたとする資料は確認されていない。
事業者への直接取材は実施しておらず、違反期間、勤務状況、利用者への対応について事業者側の見解は得られていない。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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