佐賀県教育委員会は10月22日、有料会員サイトで公開された性的な動画に出演したとして、県立学校に勤務する40代の男性教諭を停職1カ月の懲戒処分とした。男性教諭は2023年8月に県外の宿泊施設で撮影に参加し、動画は同年10月ごろから約3年間にわたって公開されていた。
県教委は、教員としての信用を損なう行為に当たると判断し、撮影当時の校長についても管理監督が不十分だったとして口頭訓告とした。男性教諭は出演を認めて謝罪しているが、10月22日時点で退職の意向は示していない。
SNSで出演依頼 公開を承知して撮影に参加
県教委の発表によると、男性教諭は2023年7月ごろ、SNSで知り合った人物から性的な動画への出演を依頼された。有料会員サイトで公開されることを理解したうえで出演を承諾し、翌8月、県外の宿泊施設で撮影に参加したという。
動画が公開されたのは同年10月ごろだった。その後も掲載が続き、2026年8月末、男性教諭が勤務する学校に出演を知らせる情報が寄せられたことで問題が発覚した。
学校と県教委は映像を確認し、本人も出演を認めた。動画は男性教諭からの要請によって9月初めに削除されており、公開期間は約2年11カ月に及んだ。
男性教諭は出演について興味本位だったと説明している。撮影に伴う報酬や交通費など、金銭の受け取りはなかったという。
信用失墜行為と判断 停職1カ月の懲戒処分
今回、県教委が問題としたのは、地方公務員法で禁止されている信用失墜行為に当たると判断した点だ。
男性教諭が出演したのは有料サイト向けの動画で、県教委はその内容や公開状況を確認したうえで懲戒処分を決めた。一方、公式発表には、児童生徒が撮影に関与した事実や、今回の出演をめぐって刑事事件として立件されたとの記載はない。
性的な動画への出演と、児童生徒に対する性的加害や盗撮などの犯罪行為は区別する必要がある。今回の処分は、教職員としての服務規律に照らした行政上の判断であり、出演行為そのものについて刑事上の有罪判断が示されたものではない。
男性教諭は県教委を通じて、軽率な行動によって生徒や保護者、学校関係者に不快な思いをさせたことを謝罪し、教員としての信用を損なったことへの反省を表明している。
撮影当時の校長も口頭訓告 管理監督責任を判断
県教委は男性教諭の処分に加え、撮影が行われた2023年8月当時の校長にも口頭訓告を行った。所属職員への管理監督が不十分だったというのが、その理由だ。
ただし、県教委の公表資料では、当時の校長が動画への出演を事前に把握していたのか、どのような指導が不足していたと判断されたのかについては詳しく説明されていない。
今回の口頭訓告は、停職や減給などの懲戒処分とは異なる服務上の措置となる。男性教諭本人への懲戒処分と、校長に対する管理監督上の措置を同一に扱うことはできない。
事案の発生から約3年が経過した後に、当時の校長の管理監督責任まで問われたことについて、どのような事情が処分判断に反映されたのかは確認が必要だ。
教諭は退職の意向示さず 復職後の業務は今後検討
男性教諭は10月22日時点で退職の意向を示しておらず、停職期間終了後の業務については県教委と学校長が検討する方針だという。
県教委は今回の処分を受け、県立学校長と市町教育委員会の教育長に綱紀粛正を求める通知を出した。甲斐直美教育長は、県の教育に対する信頼を損なう不祥事として重く受け止め、服務規律の徹底に取り組む考えを示している。
一方、復職後に男性教諭が従来と同じ業務を担当するのか、学校が生徒や保護者にどのような説明を行うのかは明らかになっていない。
動画の公開が長期間に及んだことに加え、学校への情報提供によって発覚した今回の事案では、県教委が処分後の職務についてどう判断するかも注目される。
なぜ停職1カ月だったのか 処分基準の説明も必要
県教委は信用失墜行為に当たると判断した一方、10月22日付の公表資料では、停職期間を1カ月とした具体的な量定根拠までは説明していない。
出演を本人が承諾していたこと、金銭の授受がなかったこと、公開期間が約3年間に及んだことなど、今回確認された事情が処分の重さにどう影響したかは不明だ。
教職員に対する懲戒処分は、その行為の内容や結果、個別の事情に応じて判断される。今回の処分が軽いか重いかを検証するには、県教委の処分基準と過去の同種事案を照合する必要がある。
県教委が今後、処分の判断根拠や復職後の対応をどこまで説明するかが、学校関係者の理解を得るうえでも重要になる。
編集部まとめ
佐賀県教委は、性的な動画に出演した40代の県立学校教諭を停職1カ月とし、撮影当時の校長にも口頭訓告を行った。動画は約3年間公開され、勤務先への情報提供をきっかけに発覚している。
男性教諭は出演を認め、謝罪したものの、退職の意向は示していない。今後は停職1カ月とした判断根拠に加え、復職後の業務や学校側の対応が注目される。
特記事項
本記事は佐賀県教育委員会が2026年10月22日に公表した懲戒処分資料(公式ページID:121585)および確認済みの報道情報に基づき構成した。
週刊TAKAPI 編集部/成田
◎公式資料
佐賀県教育委員会
- 公表日:2026年10月22日
- 公式ページID:121585
- 佐賀県教育委員会・公式発表
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