【山形】専門学校元教員が同窓会費1030万円着服 13回引き出し、全額返済も懲戒解雇 刑事告訴は見送りへ

山形V.カレッジの元男性教員が同窓会費約1030万円を着服し懲戒解雇された問題を伝える報道アイキャッチ。山形市の専門学校校舎を使用

山形市の専門学校「山形V.カレッジ」で、30代の男性教員が同窓会費約1030万円を着服していたことが明らかになった。男性は同窓会の会計を担当し、2022年9月から2026年5月までに13回にわたり口座から現金を引き出していたという。学校は10月13日付で男性を懲戒解雇とし、30日に問題が公になった。

男性は借金返済やギャンブルなどに使ったと説明しており、着服した金は6月までに全額返済していたという。一方、不正が発覚したのは、男性が9月5日に同窓会長へ自ら申し出たことがきっかけだった。学校と同窓会は刑事告訴を見送る方針とされ、長期間にわたる資金管理の実態と、不正を把握できなかった経緯が問われる。

2022年から約4年間、同窓会費を13回引き出す

学校側の説明によると、男性は30代の常勤教員として勤務する傍ら、同窓会の会計業務を担当していた。2022年9月から2026年5月まで、管理していた同窓会の口座から13回にわたり現金を引き出し、私的に使用していたという。

着服額は約1030万円に上る。報道によっては約1000万円と表記されているが、これは概数の違いであり、13回という引き出し回数と約1030万円の金額は、10月30日付の学校への取材報道で確認されている。

同窓会費は卒業生などに関係する資金であり、学校の授業料や一般的な運営費とは区別する必要がある。もっとも、学校に勤務する教員が会計管理を任されていた以上、学校法人と同窓会の間で、どのような管理・確認体制が設けられていたかは重要な検証事項となる。

今回確認できた情報では、預金通帳や印鑑を誰が管理していたのか、出金に複数人の承認が必要だったのか、定期的な会計監査が実施されていたのかは明らかになっていない。

6月までに全額返済 不正の申告は9月5日

今回の事案で注目されるのは、着服した金の返済と、不正が発覚した時期の違いだ。

10月31日の追加報道によると、男性は2026年6月までに着服金の全額を返済していた。しかし、同窓会長に不正を打ち明けたのは、それから約3カ月後の9月5日だったとされる。

つまり、返済を終えた時期と、同窓会側が問題を把握した時期には隔たりがあったことになる。ただし、返済がどのような方法で行われたのか、返済時点でほかの関係者が異常を把握していたかについては確認されていない。

現段階では、本人の申告がなければ不正を発見できなかったと断定することもできない。一方、長期間にわたる現金の引き出しがどのように記録され、照合されていたのかは、再発防止策を検討するうえで明らかにすべき点となる。

借金返済やギャンブルに使用 投資詐欺被害も説明

男性は、着服した金について借金の返済やギャンブルに使ったと説明している。さらに、投資詐欺の被害に遭い、相手への送金にも充てたとする説明が10月31日の報道で明らかになった。

ただし、男性が実際に投資詐欺の被害を受けたことを示す警察の捜査結果や、送金記録などは確認できていない。現段階では男性本人による資金の使途説明として扱う必要がある。

また、着服を始めた理由や、約4年にわたって引き出しを続けた経緯についても、詳しい説明は公表されていない。借金やギャンブルなどの使途が示されたことと、不正な会計処理に至った経緯が解明されたことは同じではない。

学校には、確認された事実と本人の説明を整理し、再発防止に必要な情報を明らかにすることが求められる。

10月13日付で懲戒解雇 刑事告訴は見送り方針

学校は男性による着服行為を受け、10月13日付で懲戒解雇とした。山形V.カレッジは学校法人山本学園が運営する私立専門学校であり、今回の処分は学校側による雇用上の措置となる。

一方、10月31日の報道では、学校と同窓会が刑事告訴を行わない方針であることも明らかになった。着服金が全額返済されたことが判断にどの程度影響したのか、関係者間でどのような協議が行われたのかについては確認できていない。

刑事告訴を見送るという判断は、着服行為がなかったことや、刑事責任がないことを意味しない。捜査機関による事件の取り扱いとは別に、学校法人と同窓会には、資金管理の問題を整理し、同様の不正を防ぐための対応が求められる。

11月1日までに確認できた情報では、男性が逮捕された、あるいは書類送検されたとの発表は見つかっていない。

1030万円の不正を防げなかった背景 会計管理の検証が必要

今回の問題では、約4年間にわたって13回の現金引き出しが行われたとされる。学校側は本人の申告を受けて対応し、懲戒解雇としたものの、その間の会計管理体制については十分な情報が明らかになっていない。

一般に、団体の資金管理では、出金の承認、帳簿との照合、定期的な監査などが不正の防止と早期発見に関わる。今回の同窓会でどのような規則が設けられ、実際に運用されていたかは未確認だ。

また、返済を終えた後に本人が不正を申告したという経緯についても、返済記録と会計帳簿の整合性を確認する必要がある。返済されたことで金銭的な損失が解消したとしても、資金管理の仕組みに問題がなかったかどうかは別に検証しなければならない。

同窓会費は卒業生と学校の関係を支える資金でもある。学校と同窓会が今回の問題をどのように総括し、会計管理の透明性を確保していくかが、今後の焦点となる。

編集部まとめ

山形市の専門学校「山形V.カレッジ」で、30代の男性教員が同窓会費約1030万円を着服していたことが明らかになった。男性は2022年9月から2026年5月までに13回、口座から現金を引き出していたという。着服金は6月までに全額返済されたが、本人が同窓会長に不正を申告したのは9月5日だった。学校は10月13日付で懲戒解雇とし、学校と同窓会は刑事告訴を見送る方針とされる。今後は長期間の会計管理の実態と、不正の再発防止策が問われる。

特記事項

2026年10月30日・31日の学校への取材報道を照合し、着服額約1030万円、引き出し13回、6月までの全額返済、9月5日の本人申告、10月13日付の懲戒解雇を確認した。学校法人による調査報告書、同窓会の会計帳簿、刑事告訴見送りの正式な決定文書は未確認であり、資金管理の不備や刑事責任の有無を断定していない。

Q山形V.カレッジでは何が起きたのですか?
A同窓会の会計を担当していた30代の男性教員が、約1030万円の同窓会費を私的に使っていたことが明らかになりました。
Q着服は何回、いつから行われたのですか?
A2022年9月から2026年5月までの間に、13回にわたり口座から現金を引き出したとされています。
Q約1030万円は返済されていますか?
Aはい。2026年6月までに全額返済されたと報じられています。ただし、返済方法や会計記録の詳細は未確認です。
Q男性教員はどのような処分を受けましたか?
A学校が2026年10月13日付で懲戒解雇しました。男性の逮捕や書類送検については確認されていません。
Qなぜ刑事告訴しないのですか?
A学校と同窓会が刑事告訴を見送る方針と報じられていますが、その具体的な判断理由は確認できていません。全額返済されたことと、刑事責任がないことは同じではありません。

週刊TAKAPI編集部/松本

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