大阪都構想、3度目の住民投票へ始動 大阪市議会が法定協議会設置議案を可決、吉村知事「6月中旬立ち上げ」目指す

大阪都構想が、3度目の住民投票に向けて再び動き出した。

大阪市議会は5月27日の本会議で、大阪都構想の制度設計を議論する法定協議会の設置議案を、維新などの賛成多数で可決した。自民、公明、共産などの会派は反対した。

法定協議会は、大阪市を特別区に再編する場合の区割り、財源、事務分担、住民サービスへの影響などを協議する場になる。府議会でも維新の賛成多数で可決される見通しで、6月以降、都構想の制度設計が本格化する。

吉村洋文大阪府知事は同日、記者団に対し、「副首都にふさわしい都構想の設計づくりに着手したい」と述べ、6月中旬までの法定協議会立ち上げを目指す考えを示した。

大阪都構想は、過去2度の住民投票で否決されている。今回の動きは、吉村知事と横山英幸大阪市長が掲げる「3度目の挑戦」が、議会手続きの段階に入ったことを意味する。

大阪市議会で可決 維新は慎重論から賛成へ

5月27日の大阪市議会本会議では、法定協議会の設置議案が維新などの賛成多数で可決された。

維新の大阪市議団内では当初、早期設置に慎重な声もあった。都構想をめぐっては、過去2度の住民投票で否決された経緯があり、再挑戦には市民への説明や議論の積み重ねが必要になるためだ。

しかし、5月の市議補欠選挙で維新が都構想を争点に勝利したことや、吉村知事が来春の知事選と住民投票の同時実施を視野に入れた発言をしたことで、市議団は賛成に回った。

今回の可決により、都構想は「政治的な構想」から、制度設計を協議する段階へ移る。

吉村知事「副首都にふさわしい都構想」へ

吉村知事は、市議会での可決を受け、法定協議会の早期設置に意欲を示した。

吉村知事が前面に出しているのは、「副首都」と「都構想」を結びつける考え方だ。大阪を、東京一極集中を補う都市として位置づける。そのために、大阪府と大阪市の役割を再整理し、副首都にふさわしい大都市制度をつくるという主張である。

大阪府は副首都ビジョンで、大阪を平時の日本の成長、非常時の首都機能バックアップを担う都市と位置づけている。今回の都構想再始動も、その文脈の中で進められる。

法定協議会では、特別区の数、区割り、財源配分、府と特別区の事務分担、住民サービスの維持、区役所機能などが議論される見通しだ。

国会でも副首都法案が動く

大阪側の議会手続きと並行して、国会でも副首都構想をめぐる法案が動いている。

共同通信は、自民党と日本維新の会が今国会での成立を目指す「副首都」構想関連法案について、首相を本部長とする推進本部の設置や、担当相ポストの新設が盛り込まれる見通しだと報じている。

また、関連法案では、大阪都構想の住民投票を大阪府全域で実施可能とし、「大阪都」への名称変更も同時に問える内容が報じられている。

これまでの大阪都構想は、大阪市の廃止と特別区設置を大阪市民が判断する形だった。今回、府全域での住民投票が可能になる場合、議論の対象は大阪市民だけでなく、大阪府全体に広がる。

ここが、3度目の都構想で最も大きな変化になる。

反対会派は「住民生活への影響」を懸念

一方、反対会派は、都構想の再始動に慎重な姿勢を示している。

反対側が重視するのは、住民サービス、財源配分、行政コスト、市民生活への影響だ。

大阪市を特別区に再編した場合、現在の区役所業務、保健福祉、教育、子育て、防災、まちづくりなどがどう変わるのか。財源はどう分けられるのか。府に移る事務と特別区に残る事務は何か。

過去2度の住民投票でも、こうした点が争点になった。

今回も、賛否の対立は「大阪の成長戦略」と「住民生活への影響」の両面で展開されることになる。

今後の焦点は法定協、府議会、住民投票日程

今後の焦点は大きく3つある。

1つ目は、府議会で法定協議会の設置議案が可決されるかどうかだ。府議会でも維新が多数を占めており、可決される見通しが強い。

2つ目は、法定協議会の中身だ。特別区の数、区割り、財源、住民サービス、府と特別区の役割分担がどこまで具体化されるかが問われる。

3つ目は、住民投票の日程と対象範囲だ。来春の知事選との同時実施案や、副首都法案による府全域投票の扱いが、今後の政治日程に影響する。

大阪都構想は、2015年と2020年の住民投票でいずれも否決された。3度目の挑戦となる今回は、副首都法案と連動する形で、制度設計の前提が変わる可能性がある。

5月27日の大阪市議会可決は、都構想再始動の入口である。今後は、法定協議会でどのような設計図が示されるのか、市民と府民にどこまで説明されるのかが問われる。

週刊TAKAPIでは、府議会の議決、法定協議会の初会合、副首都関連法案の国会審議、住民投票日程を引き続き追う。

編集部まとめ

大阪市議会は5月27日、大阪都構想の制度設計を議論する法定協議会の設置議案を可決した。

可決は維新などの賛成多数で、自民、公明、共産などは反対した。

吉村洋文大阪府知事は、6月中旬までの法定協議会立ち上げを目指す考えを示した。

大阪都構想は、過去2度の住民投票で否決されている。

今回の動きは、3度目の住民投票に向けた制度設計が始まることを意味する。

国会では、副首都構想関連法案も動いている。

関連法案では、大阪都構想の住民投票を大阪府全域で実施可能とし、「大阪都」への名称変更も同時に問える内容が報じられている。

今後は、府議会の議決、法定協議会の初会合、区割りや財源の議論、住民投票の日程が焦点になる。

この記事の要点Q&A

Q1. 5月27日に何が決まりましたか。

大阪市議会で、大阪都構想の制度設計を議論する法定協議会の設置議案が可決されました。維新などが賛成し、自民、公明、共産などは反対しました。

Q2. 法定協議会では何を話し合いますか。

大阪市を特別区に再編する場合の区割り、財源、事務分担、住民サービスへの影響などを協議します。

Q3. 吉村知事は何を目指していますか。

吉村洋文大阪府知事は、副首都にふさわしい都構想の制度設計に着手し、6月中旬までの法定協議会立ち上げを目指す考えを示しています。

Q4. 副首都法案との関係は何ですか。

副首都構想関連法案では、大阪都構想の住民投票を大阪府全域で実施可能とし、「大阪都」への名称変更も同時に問える内容が報じられています。これにより、都構想の議論が大阪市だけでなく府全体に広がる可能性があります。

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