千葉県成田市並木町のアパートで、小学6年生の吉伊大聖さん(11)が死亡して見つかった事件で、成田署は5月30日、父親の無職、吉伊敏彦容疑者(66)を殺人容疑で逮捕した。吉伊容疑者は「お金がなく将来を悲観していた。息子を一人で残せなかった」と供述しており、警察は無理心中を図った可能性が高いとみて、事件に至る経緯を調べている。
事件は5月29日午前、大聖さんが通う学校の校長が「27日以降登校しておらず、自宅を訪ねても反応がない」と警察に通報したことで発覚した。警察官がアパートに入ると、布団の上で大聖さんと吉伊容疑者が倒れているのが見つかった。大聖さんは死後数日が経過していたとみられ、吉伊容疑者は病院に搬送された後、意識の回復を待って逮捕された。
調べに対し、吉伊容疑者は「自宅で息子の首を手で絞めて殺した」と容疑を認めている。室内に争った跡はなく、警察は殺害時の状況や計画性の有無について慎重に確認している。大聖さんは母親が約10年前に亡くなって以降、父親と2人暮らしだった。軽度の障害があり、特別支援学級に在籍していた。近隣住民からは、父親が自転車で大聖さんを学校へ送り迎えする姿を見ていたとの証言も出ている。
父子が暮らしていたのは家賃5万円程度のアパートで、現在も玄関前には父親が送り迎えに使っていたとみられる自転車が置かれたままだという。父子は1〜2年前にこのアパートへ引っ越してきたとされる。周辺住民からは、生活が厳しかった様子をうかがわせる声もあり、食べるものにも困っていた可能性や、生活保護を受けていなかった可能性も報じられている。
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、こうした事件では家庭の経済状況、行政との接点、学校が把握していた家庭環境を確認する必要があるとの趣旨で指摘している。警察は、吉伊容疑者の生活状況に加え、行政や学校への相談履歴、福祉支援につながる機会があったかどうかも含めて調べを進める。
今回の事件では、学校が欠席を把握し、自宅訪問後に警察へ通報したことで発覚に至った。一方で、事件前から父子の生活困窮や孤立を把握できる接点があったのかが今後の焦点となる。高齢の単親世帯、障害のある子どもへの支援、生活保護など福祉制度への接続、学校と行政の情報共有が、再発防止に向けた検証課題として浮かび上がっている。
事件のポイントQ&A
Q1. 千葉県成田市で何が起きたのですか。
A. 成田市並木町のアパートで小学6年生の吉伊大聖さんが死亡して見つかり、父親の吉伊敏彦容疑者が殺人容疑で逮捕されました。
Q2. 父親は何と供述していますか。
A. 「お金がなく将来を悲観していた。息子を一人で残せなかった」と供述しており、警察は無理心中を図った可能性が高いとみています。
Q3. 事件はどう発覚しましたか。
A. 大聖さんが5月27日以降登校しておらず、学校の校長が自宅を訪ねても反応がなかったため、警察に通報しました。
Q4. 生活困窮との関係は何ですか。
A. 父子は家賃5万円程度のアパートで暮らしており、食べるものにも困っていた可能性や、生活保護を受けていなかった可能性が報じられています。
Q5. 今後の焦点は何ですか。
A. 殺害に至った経緯、父子の生活状況、行政や学校への相談履歴、福祉支援につながる機会があったかどうかです。
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