愛知県豊明市が、全国で初めて施行した「スマホ条例」をめぐる市民アンケート結果を公表した。条例の認知度は高く、市民の意識に一定の変化は見られた一方、実際にスマートフォンなどの使用時間が減ったと答えた人は5.1%にとどまった。
豊明市は2025年10月、スマートフォンやタブレット、ゲーム機などの使用について、生活に必要な利用を除き「1日2時間以内」を目安とする条例を施行した。18歳未満については、年齢に応じた夜間利用の目安も盛り込まれている。罰則はなく、市民に行動を強制するものではないが、全国初の取り組みとして注目を集めてきた。
市によるアンケートは、16歳から80歳までの市民を対象に実施され、1907人から回答があった。結果では、条例の認知度は約9割に達し、市民への周知は一定程度進んでいることが示された。また、27.1%が「条例をきっかけにスマホなどの使用時間や使い方を意識するようになった」と答えた。
一方で、実際の使用時間について「減った」と回答した人は5.1%だった。条例を知っている人は多いものの、日々のスマホ利用を短くする行動変容までは広がっていない実態が浮かんだ。
小浮正典市長は結果を受け、条例が小中学生だけでなく幅広い世代にとって、スマートフォンの使い方を考えるきっかけになっているとの見方を示した。市は今後も、睡眠時間の確保や生活習慣の改善につながる啓発を進める方針だ。
ただ、スマホ利用は仕事、学習、連絡、買い物、娯楽など生活の多くに入り込んでいる。条例で目安を示しても、実際の行動を変えるには、家庭や学校、職場での使い方の見直しが必要になる。特に子どもの利用については、保護者の声かけや家庭内ルールの作り方が課題となりそうだ。
今回のアンケートから見えてきたのは、「条例は知られたが、習慣は簡単には変わらない」という現実だ。豊明市のスマホ条例は、強制ではなく市民に考えるきっかけを与える仕組みとして始まった。施行から約9か月が経過し、その効果は使用時間の大幅な削減というより、まずは意識面の変化として表れている。
全国初のスマホ条例は、今後も子どものスマホ依存対策や睡眠時間の確保をめぐる自治体施策の参考例となる。豊明市が今後、意識変化を実際の行動改善へどうつなげていくのか、追加調査や啓発策の行方が注目される。
編集部まとめ
豊明市のスマホ条例は、全国初の取り組みとして高い認知度を得た。一方で、使用時間が実際に減った人は5.1%にとどまり、条例だけで生活習慣を変える難しさも見えた。今後は、家庭・学校・地域での具体的な使い方の見直しが課題になる。
特記事項:本記事は、豊明市の公表資料、条例関連資料、各社報道をもとに週刊TAKAPI編集部が整理・構成しました。アンケート結果や制度運用は、今後の追加調査や市の発表により更新される可能性があります。
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