岐阜市のごみ処理施設で起きた火災をめぐり、市が設備の運転管理を委託していた会社に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は二審判決を破棄し、審理を名古屋高裁に差し戻した。
問題となっているのは、2015年に岐阜市芥見の東部クリーンセンターで発生した火災。
粗大ごみを処理する施設で、設備の運転管理を受託していた「荏原環境プラント」の社員がベルトコンベヤーの溶接作業をしていた際に出火し、施設はその後、稼働できない状態となり、取り壊された。
岐阜市は、施設の再建費用などを含め、およそ46億円の損害賠償を荏原環境プラントに求めて提訴していた。
しかし、おととしの二審判決では、施設の解体費用について、火災と因果関係のある損害とは認められなかったため、市側が上告していた。
7日、最高裁は「火災が発生しなければ、施設は長期間にわたって使用される可能性が高かった」と指摘。そのうえで、解体や再建に関する損害についても、火災との因果関係が当然に否定されるものではないとの判断を示した。
最高裁は二審判決を破棄し、審理を名古屋高裁に差し戻した。
判決を受け、岐阜市の柴橋正直市長は「本市の主張について一定の理解が示されたものと受け止めています。判決内容を十分に精査し、適切に対応します」とコメントした。
今後は、名古屋高裁で改めて、火災と施設解体・再建費用との因果関係や、損害額の範囲が審理されることになる。
編集部まとめ
岐阜市の東部クリーンセンターで2015年に起きた火災をめぐり、最高裁は二審判決を破棄し、名古屋高裁に審理を差し戻した。
岐阜市は、設備の運転管理を委託していた荏原環境プラントに対し、施設の再建費用などを含む約46億円の損害賠償を求めている。
二審では、施設の解体費用が火災と因果関係のある損害とは認められなかったが、最高裁は「火災がなければ施設は長期間使用される可能性が高かった」として、二審の判断を見直す必要があるとした。
今後は名古屋高裁で、火災と解体・再建費用との関係や、賠償額の範囲が改めて審理される。
編集部コメント
今回の最高裁判断で注目されるのは、火災そのものの責任だけでなく、火災後に施設を解体せざるを得なかったことや、再建費用まで損害として認められるのかという点です。
公共施設の火災では、単に燃えた設備の修理費だけでなく、その施設が使えなくなったことで発生する行政コストや再整備費用が大きな問題になります。
最高裁が二審を破棄したことで、岐阜市側の主張が一定程度考慮された形となりましたが、賠償額がどこまで認められるかは、差し戻し後の審理に委ねられます。
自治体が民間事業者に施設管理を委託するケースは全国で多く、今回の判断は、公共施設の運転管理や事故時の責任範囲を考えるうえでも注目されます。
特記事項:本記事は、最高裁判決に関する各社報道および岐阜市のコメントをもとに、週刊TAKAPI編集部が整理・構成しました。差し戻し後の審理により、最終的な賠償額や責任範囲は変動する可能性があります。
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