京都市のデータ管理会社「クリアースカイ」をめぐる大規模な投資トラブルで、被害者弁護団が8日、東京地検特捜部に刑事告訴する方針を固めたことが分かった。
同社をめぐっては、データサーバー事業への投資名目で全国の投資家から資金を集めていたとされ、被害を訴える人はおよそ5000人、被害総額は約250億円規模にのぼる可能性がある。
クリアースカイ側は、投資家に対し、同社が構築するデータサーバーの所有権を購入させ、そのサーバーを第三者に貸し出して得た収益をもとに、一定期間後に利息をつけて買い戻すと説明していたとされる。
報道によると、投資家には「3カ月後に10%の利息をつけて買い戻す」といった説明がされていたという。
「国が後押し」と受け取れる説明も
今回のトラブルで注目されているのが、投資勧誘の際に「国が後押ししている事業」であるかのような説明があったとされる点だ。
報道では、クリアースカイ社の代表が顧客に対し、データ保存事業について「国がこの事業を応援していると思っても嘘ではない」といった趣旨の説明をしていたとされる。
また、政治や国との関わりを想起させる発言もあったとされ、被害者の中には、事業の将来性や公的な後ろ盾があると受け止めて出資した人もいたとみられる。
一方で、現時点でクリアースカイの事業が国の公式事業として行われていたことを裏付ける情報は確認されていない。
サーバーの実在性にも疑問
弁護団によると、投資家らはクリアースカイが構築するとされたデータサーバーの所有権を購入していた。
同社は、複数のサーバー保管会社を通じて、サーバーを管理していると説明していたとされる。
しかし、報道では、番組側が入手したサーバー保管会社からの回答書に、クリアースカイとの契約関係はないとする内容が記されていたと伝えられている。
少なくとも2023年8月以降、同社が契約先として説明していたとされる保管会社との契約が確認できなかった可能性がある。
被害弁護団の弁護士は、投資家に見せられたサーバーについて、他社のサーバーを自社のものとして説明していた可能性があるとの見方を示している。
元関係者「架空案件」と説明を受けたと証言
さらに、過去にクリアースカイ側で顧客の勧誘に関わっていた人物は、会社側からサーバー案件について「架空案件」と説明を受けていたと証言している。
この人物は、集めた資金が他の顧客への返済に回されていたとする趣旨の説明を受けたとも話している。
こうした証言が事実であれば、実際のサーバー運用収益ではなく、新たに集めた資金で既存投資家への支払いを行っていた可能性が浮上する。
ただし、現時点では捜査や裁判で最終的な事実認定がされたわけではなく、今後の捜査で資金の流れや事業実態が明らかにされる必要がある。
セミナーに警察職員が講演していたとの報道も
被害者が信用した背景として、クリアースカイのセミナーに現職警察官とされる人物が登壇していたとする報道もある。
報道機関が京都府警に確認したところ、写真に写る人物が府警職員であることは認めた一方、同社の広告塔として使われたとの指摘については、関知していないとしてコメントを差し控えたという。
被害者の中には、警察関係者が関わるセミナーだと受け止めたことで、事業への信頼感を強めた人もいたとされる。
今後は、同社がこうしたセミナーや講演実績を、どのように投資勧誘に利用していたのかも焦点となる。
弁護団は「組織的詐欺」の疑いで告訴へ
被害弁護団は、クリアースカイが存在しない架空のサーバーを使い、投資家から約250億円を集めていた組織的詐欺の疑いがあるとして、8日に東京地検特捜部へ刑事告訴する方針だ。
今後は、東京地検が告訴を受理するか、また捜査機関がどのように事業実態や資金の流れを解明していくかが注目される。
被害者の中には、退職金や老後資金、教育資金などを投じた人もいるとされ、返金の見通しは不透明な状況だ。
破産手続き、刑事告訴、代理店や勧誘関係者の責任追及など、複数の手続きが今後並行して進む可能性がある。
編集部まとめ
京都市のデータ管理会社「クリアースカイ」をめぐる投資トラブルで、被害者弁護団が東京地検特捜部に刑事告訴する方針を固めた。
被害者は全国で約5000人、被害総額は約250億円規模にのぼる可能性がある。
同社は、データサーバーの所有権を投資家に購入させ、第三者へのレンタル収益をもとに利息をつけて買い戻すと説明していたとされる。
一方で、サーバーの実在性や保管会社との契約関係に疑問が出ており、元関係者からは「架空案件」と説明を受けたとの証言も出ている。
弁護団は、組織的詐欺の疑いがあるとして刑事告訴する方針で、今後は資金の流れ、サーバー事業の実態、勧誘時の説明内容が焦点となる。
編集部コメント
今回のクリアースカイ問題は、単なる高利回り投資の失敗ではなく、「国が後押ししている」と受け取れる説明や、警察職員が登壇したとされるセミナーなど、投資家が信用しやすい要素が複数重なっていた点が深刻です。
特に、3カ月で10%の利息をつけて買い戻すという説明は、一般的な投資商品と比べても極めて高い利回りです。高利回りをうたう案件では、事業実態、収益の原資、契約先、資産の実在性を慎重に確認する必要があります。
また、紹介者や代理店を通じて広がった投資スキームでは、勧誘した側がどこまで実態を把握していたのか、どのような説明をしていたのかも重要になります。
今後、刑事告訴がどのように扱われるのか、破産手続きでどこまで資産が残っているのか、被害者への返金可能性があるのかを注視する必要があります。
特記事項:本記事は、各社報道、被害弁護団の説明、公開情報をもとに週刊TAKAPI編集部が整理・構成しました。現時点でクリアースカイ社や関係者の刑事責任が確定したものではありません。記載内容は、今後の捜査、裁判、破産手続きなどにより変動する可能性があります。
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