シカゴの球場に、野球ファンのため息が漏れた。
ホワイトソックスの村上宗隆が、右太もも裏の負傷により10日間の負傷者リストに入った。球団発表では右ハムストリングの張り。10日間ILはあくまで最低期間で、状態次第では数週間の離脱、米メディアでは2〜6週間の離脱可能性も伝えられている。
野球ファンが真っ先に気にしたのは、6月に予定されているドジャースとの3連戦だ。
大谷翔平と村上宗隆。
日本球界が生んだ2人の怪物スラッガーが、メジャーの同じフィールドに立つ。長く待たれていた「夢の日本人対決」に、暗雲が広がった。
異変が起きたのは、5月29日のホワイトソックス対タイガース戦だった。
3回、村上は二ゴロを放ち、一塁へ全力で走った。直後、右太もも裏を気にするしぐさを見せ、表情をゆがめた。ベンチは代走を送り、村上はそのまま試合を退いた。
一発で球場を沸かせてきた男が、走塁で止まった。
全力疾走を責めることはできない。手を抜かなかった結果のアクシデントだからこそ、余計に悔しい。
村上はメジャー1年目ながら、ここまで57試合で打率.240、20本塁打、41打点、OPS.938。20本塁打はア・リーグトップタイ。開幕からホワイトソックス打線の中心に座り、日本時代の「村神様」の看板を、メジャーでもそのまま証明してきた。
大谷翔平が新人年に記録した22本塁打にも、あと2本まで迫っていた。
ポスティング移籍で海を渡り、1年目から本塁打王争いに絡む。これは話題性だけではない。数字でMLBを黙らせてきた。
だからこそ、今回の離脱は重い。
ホワイトソックスにとって村上は、単なる長距離砲ではない。相手投手にプレッシャーをかける。甘い球を一振りで外野席へ運ぶ。四球でもチャンスを広げる。村上が打線にいるだけで、相手バッテリーの攻め方が変わる。
そして、日本の野球ファンにとっては、6月のドジャース3連戦が特別だった。
大谷翔平のいるドジャース。村上宗隆のいるホワイトソックス。
NPB時代から「日本人最強スラッガー対決」として語られてきた2人が、メジャー公式戦で向き合う。大谷が打席に立ち、村上も打席に入る。ただそれだけで、日本の野球ファンにとっては十分な事件だった。
SNSでも、落胆の声が相次いでいる。
「大谷と村上、見たかったのに」
「まにあわないのかな」
「無理はしてほしくない。でもシカゴで見たかった」
この声は、かなり自然だ。
10日間ILなら、日程上はドジャース戦に間に合う余地がある。だが、右ハムストリングの負傷は簡単ではない。再発しやすく、長距離打者にとっては打撃にも走塁にも関わる部位だ。
村上のスイングは、下半身の強さで成り立っている。踏み込み、腰の回転、体重移動。そのすべてに右太もも裏が関わる。無理に戻れば、今度はシーズン全体に影響が出る。
だから、球団が慎重になるのは当然だ。
ファンの本音は「間に合ってくれ」。
現場の判断は「焦らせるな」。
このズレが、いま一番つらい。
筆者としても、今回の離脱はかなりショックだ。村上宗隆は、ただの日本人ルーキーではない。メジャー1年目で20本塁打、ア・リーグトップタイ、OPS.938。これだけで十分すぎるほど異常な数字だ。
しかも、その先に大谷翔平との直接対決があった。
野球は、こういうタイミングで一番残酷な顔を見せる。
見たい試合が、あと少しで届きそうだった。
日本人ファンが待っていたカードが、目の前まで来ていた。
それなのに、全力疾走のあとに右太もも裏を押さえる村上の姿を見せられた。
悔しいに決まっている。
ただ、この話はここで終わらない。
村上が万全で戻ってきたとき、物語はもっと大きくなる。6月に間に合わなかったとしても、復帰後の一打席には今まで以上の注目が集まる。大谷の前で村上が打つのか。村上の前で大谷が打つのか。日本人スラッガー2人の対決は、遅れた分だけ熱を帯びる。
だからこそ、いまは焦らず治してほしい。
ムネ神のホームランを、また見たい。
大谷翔平との対決を、絶対に見たい。
でも、半端な状態で戻って再離脱する姿だけは見たくない。
これが、いまの野球ファンの本音だ。
シカゴの空に、もう一度、村上宗隆のアーチが上がる日を待つ。
そしてその向こうに、大谷翔平との本当の初対決がある。
編集部まとめ
村上宗隆はホワイトソックス対タイガース戦で右太もも裏を痛め、10日間IL入りした。
今季は57試合で打率.240、20本塁打、41打点、OPS.938。20本塁打はア・リーグトップタイ。
6月のドジャース3連戦では、大谷翔平との「夢の日本人対決」が期待されていた。
10日間ILなら日程上は間に合う余地があるが、右ハムストリング負傷は再発リスクがある。
焦点は、MRI後の診断、復帰までの期間、そしてドジャース戦出場の可否になる。
この記事の要点Q&A
Q. 村上宗隆はなぜIL入りしたのですか。
A. ホワイトソックス対タイガース戦で一塁へ全力疾走した際、右太もも裏を痛めたためです。
Q. 村上宗隆の今季成績は。
A. 57試合で打率.240、20本塁打、41打点、OPS.938。20本塁打はア・リーグトップタイです。
Q. 大谷翔平との対決は間に合いますか。
A. 10日間ILなら日程上は間に合う余地があります。ただし、右ハムストリングは再発リスクがあるため、数週間の離脱となる可能性もあります。
Q. なぜ今回の離脱が大きな話題になっているのですか。
A. 6月のドジャース3連戦で、大谷翔平と村上宗隆のメジャー初対決が期待されていたためです。
Q. 今後の焦点は何ですか。
A. MRI後の診断、復帰までの期間、6月ドジャース戦への出場可否です。

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