週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田
性犯罪被害者を支えるはずの元弁護士が、被害女性に渡すべき示談金を着服した疑いで逮捕された。
警視庁は17日、神奈川県海老名市在住の元弁護士・岸本学容疑者(52)を業務上横領の疑いで逮捕した。
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逮捕容疑は2023年3月ごろ、盗撮被害に遭った女性から依頼を受け、加害者側との示談交渉で受け取った示談金30万円を、女性に渡さず着服した疑い。岸本容疑者は逮捕後、黙秘しているという。
女性は、インターネット上の宣伝を見て岸本容疑者に依頼したとされる。岸本容疑者はこれまで、痴漢や盗撮などの性犯罪被害者支援を専門とする弁護士として活動。テレビや雑誌の取材にも応じ、関連書籍も出版していた。
被害者にとって、弁護士は最後に頼る相手だ。警察に相談する不安、加害者側との交渉、周囲に知られたくない恐怖。その中で「被害者専門」と掲げる人物に依頼した女性が、さらに金銭被害に遭った疑いがある。これは単なる金銭トラブルではなく、被害者支援への信頼を根元から揺るがす事件だ。
さらに重いのは、岸本容疑者がすでに弁護士資格を失っていた点である。
第一東京弁護士会は2024年5月、岸本容疑者を除名処分としていた。除名は弁護士会の懲戒処分の中でも最も重い処分で、弁護士としての身分を失う。理由は、2022年4月から約1年間にわたり、11人の依頼者から受け取った示談金など計1,316万円超を、被害者らに渡さず着服した疑いがあったためだ。
警視庁は、着服した金が住宅ローンの返済などに充てられた可能性があるとみている。さらに、複数の性犯罪被害者から同様の相談が寄せられているとして、余罪についても調べている。
「被害者専門」を掲げ、苦しむ人の信頼を集めていた人物が、その立場を利用した疑いがある。もし事実なら、被害者は二度傷つけられたことになる。
性犯罪被害者が声を上げるには、ただでさえ大きな勇気がいる。その先で頼った専門家に示談金を着服された疑いがあるなら、被害者支援の看板そのものが問われる。
編集部まとめ
岸本学容疑者は、盗撮被害女性の示談金30万円を着服した疑いで逮捕された。過去にも11人の依頼者から受け取った示談金など計1,316万円超をめぐり、第一東京弁護士会から除名処分を受けている。
今回の焦点は、30万円という金額の大小ではない。
「被害者専門」と名乗り、性犯罪被害者の信頼を集めていた人物が、その信頼を裏切った疑いがある点だ。
被害者が安心して相談できなければ、声を上げる人はさらに減る。
この事件は、元弁護士個人の不祥事にとどまらず、被害者支援の信頼を誰が守るのかという重い問題を突きつけている。
元弁護士・性犯罪被害者示談金着服疑いの要点Q&A
Q1. 岸本学容疑者は何の疑いで逮捕されたのですか?
岸本学容疑者は、盗撮被害に遭った女性の示談交渉で受け取った示談金30万円を、被害女性に渡さず着服したとして、業務上横領の疑いで逮捕されました。
Q2. 岸本学容疑者はどのような人物として活動していたのですか?
岸本学容疑者は、痴漢や盗撮などの性犯罪被害者支援を専門とする弁護士として活動していました。テレビや雑誌の取材に応じたほか、関連書籍も出版していたとされています。
Q3. 過去にも処分を受けていたのですか?
はい。岸本学容疑者は2024年5月、第一東京弁護士会から除名処分を受けています。11人の依頼者から受け取った示談金など計1,316万円超を、被害者らに渡さず着服した疑いが処分理由とされています。
Q4. 岸本学容疑者は容疑を認めているのですか?
逮捕後の認否について、岸本学容疑者は黙秘しているということです。警視庁が詳しい経緯や余罪を調べています。
Q5. この事件で何が問題視されているのですか?
問題は、性犯罪被害者を支援する立場を掲げていた元弁護士が、被害者に渡すべき示談金を着服した疑いがある点です。被害者が安心して相談できる仕組みや、弁護士選びの信頼性が改めて問われています。
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