明治創業の味と、“べっぴん”の原点。「丸よ」で味わう上定食丼松

明治初期、1800年代後半に創業した老舗「丸よ」。
140年以上続くうなぎ専門店として、今もなお多くの人に支持されている。 

今回いただいたのは「上定食丼松」(4,530円)。
一口食べれば分かる、積み重ねてきた技の確かさがある。

ご飯とうなぎのバランスは絶妙。
どちらかに偏ることなく、最後まで自然に食べ進められる構成だ。

タレは濃すぎず、あくまで上品。
甘みとコクのバランスがよく、うなぎ本来の旨みを引き立てている。

そして何より、うなぎはふっくら。
口に入れた瞬間にほどけるような柔らかさで、骨も気にならず食べやすい。
老舗ならではの丁寧な仕事が、そのまま味に出ている。


「べっぴん」は、ここから生まれた

「丸よ」は単なる老舗のうなぎ店ではない。
“べっぴん”という言葉の語源の地として知られている。

その起源は、丸よのルーツである割烹「織清」にある。

明治時代、織清は江戸からうなぎ職人を招き、
焼き方や醤油を江戸風に改め、質の高いうなぎを手頃な価格で提供。
その結果、「食べないのは恥」と言われるほど評判を呼んだ。 

そこで店主は、看板にあえて「うなぎ」と書かず、
茶道仲間でもあった渡辺崋山の息子・渡辺小華の案により

「頗(すこぶる)別品」

と掲げた。

この“珍しい看板”が話題となり客が集まり、
やがて「別品=特別に優れたもの」という意味が広がっていく。

その後、この言葉は名古屋周辺で略され「別品」となり、
さらに意味が転じて「美しい女性」を指す言葉へ。

そして京・東京へと広まり、
現在の「べっぴん」という言葉として定着したとされている。 


味も歴史も、“別品”

「丸よ」のうなぎは、ただ美味しいだけではない。
言葉のルーツとともに、時代を超えて受け継がれてきた一皿だ。

派手さはない。
だが、確かな完成度がある。

この一杯はまさに
“別品”と呼ぶにふさわしい。

店舗情報

  • 店名:丸よ
  • 住所:愛知県豊橋市札木町50  
  • 電話番号:0532-52-4987  
  • 営業時間:11:30〜20:30  
  • 定休日:水曜日  
  • アクセス:豊鉄「札木」駅から徒歩約2分/JR豊橋駅から徒歩約13分  
  • 駐車場:あり(約20台)  

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