神奈川県教育委員会は5月14日、公立学校教員による不祥事で6件の懲戒処分を行ったと発表した。このうち5人は、女子生徒への児童生徒性暴力等、17歳女性への児童生徒性暴力等、同僚女性へのわいせつ行為、盗撮などを理由に懲戒免職となった。
処分を受けたのは、県立高校、公立中学校、公立小学校などに勤務していた20代から30代の男性教諭ら。
県教委によると、川崎市内の県立高校に勤務していた30代の男性教諭は、部活動で指導していた自校の女子生徒2人に対し、児童生徒性暴力等を行ったとされる。教諭は女子生徒と私的に連絡を取り、自家用車内などで行為に及んでいた。
相模原市内の県立高校に勤務していた30歳の男性教諭は、当時17歳の女性に対して児童生徒性暴力等を行ったとして懲戒免職となった。
藤沢市内の公立学校に勤務していた30代の男性教諭は、勤務校内外で女性1人にわいせつな行為を行ったとされる。
大和市内の公立中学校に勤務していた25歳の男性教諭は、商業施設などで複数の女性の後ろ姿を撮影し、スカート内を盗撮したとして懲戒免職となった。
寒川町立小学校に勤務していた36歳の男性教諭は、複数の女性の下着などを盗撮したほか、自校の女子児童1人に対して児童生徒性暴力等にあたる盗撮を行ったとして処分された。
県教委は同日、別の県立高校教諭についても、生徒への体罰等を理由に減給処分とした。今回の発表は計6件で、そのうち性被害や盗撮に関わる5件が懲戒免職となった形だ。
同じ5月14日には、名古屋地裁で、横浜市立小学校の元教諭・小瀬村史也被告に対する論告求刑公判も開かれた。小瀬村被告は、児童の盗撮画像などをSNSグループで共有したなどとして、性的姿態撮影処罰法違反、不同意わいせつ、児童ポルノ禁止法違反など複数の罪に問われている。
検察側は、小瀬村被告に懲役10年を求刑した。判決は6月15日に言い渡される予定。
神奈川県教委による5人の懲戒免職と、横浜市立小学校元教諭への懲役10年求刑が同じ日に重なったことは、教員による性被害が単発の不祥事ではなく、学校内外の複数の場面で表面化している現状を示している。
部活動の顧問と生徒の私的連絡、校内での盗撮、商業施設での盗撮、同僚へのわいせつ行為、教員同士のSNSグループでの画像共有。被害や問題行為の場面は学校の中だけにとどまらない。
学校は、児童生徒が日中の多くを過ごす場所であり、保護者が子どもを預ける場所でもある。教員は、指導や評価を通じて児童生徒に強い影響力を持つ。その立場を悪用した性暴力や盗撮が相次げば、学校への信頼は大きく揺らぐ。
文部科学省の令和6年度調査では、性犯罪・性暴力等により懲戒処分等を受けた教育職員は281人だった。このうち、児童生徒性暴力等により懲戒処分を受けた者は134人とされている。
数字だけを見れば、全国の教職員全体の一部に見えるかもしれない。しかし、被害を受けた児童生徒にとっては「一部」では済まされない。学校で被害に遭った場合、通学、授業、部活動、教師との関係、友人関係にまで影響が及ぶおそれがある。
こども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSは、2026年12月25日に施行される。学校や保育所など、子どもに接する事業者に対し、性犯罪歴の確認を含む防止措置を求める制度となる。
ただ、過去の性犯罪歴の確認だけで、在職中の教員による初犯、校内の死角を使った盗撮、私的連絡、私物スマートフォンの悪用、SNSでの不適切なつながりをすべて防ぐことは難しい。
今後は、採用時の確認に加え、勤務中の管理が問われる。教員と児童生徒の私的連絡を制限すること、部活動や面談で一対一になる場面を管理すること、校内の死角を点検すること、私物スマートフォンの使用ルールを徹底すること、児童生徒や保護者が外部に相談できる窓口を整えることが必要になる。
被害を受けた児童生徒には、学校調査や処分とは別に、心理的ケア、通学環境の調整、保護者への支援、継続的な見守りが必要だ。加害教員を処分して終わりではない。子どもが再び安心して学校生活を送れるのか、教育行政の対応が問われる。
神奈川県教委の5人懲戒免職と、横浜市立小学校元教諭への懲役10年求刑。二つの出来事が同じ日に伝えられた意味は重い。
学校は本来、子どもを守る場所である。
その場所で、教師の立場を使った性被害や盗撮が繰り返されるのであれば、社会が抱く怒りと不安は当然だ。
教育現場の信頼を取り戻すには、処分発表のたびに再発防止を口にするだけでは足りない。児童生徒を教員の密室性から守る仕組みを、学校現場で実際に動かす必要がある。
編集部まとめ
神奈川県教育委員会が5月14日に発表した公立学校教員の懲戒処分は6件で、このうち5人が性被害や盗撮に関わる事案で懲戒免職となりました。
同じ日には、横浜市立小学校の元教諭に対し、児童盗撮画像共有事件で懲役10年が求刑されました。部活動、校内、SNS、私物スマートフォン、教員同士のつながりなど、学校現場に複数の死角が残っていることが改めて浮き彫りになっています。
日本版DBSの施行は重要ですが、それだけで十分ではありません。採用時の確認に加え、勤務中の管理、私的連絡の制限、校内の死角対策、第三者相談窓口、被害児童生徒への継続支援を同時に進めなければ、学校への信頼は戻りません。
Q1. 神奈川県教委が5月14日に発表した懲戒処分は何件ですか?
神奈川県教育委員会は5月14日、公立学校教員による不祥事で6件の懲戒処分を発表しました。このうち5人は、性被害や盗撮に関わる事案で懲戒免職となりました。
Q2. 懲戒免職となった5人の主な処分理由は何ですか?
自校の女子生徒への児童生徒性暴力等、17歳女性への児童生徒性暴力等、同僚女性へのわいせつ行為、商業施設などでの盗撮、校内での女子児童への盗撮などです。
Q3. 同じ日に横浜市立小学校元教諭には何がありましたか?
名古屋地裁で、横浜市立小学校の元教諭・小瀬村史也被告に対する論告求刑公判が開かれ、検察側は懲役10年を求刑しました。小瀬村被告は、児童の盗撮画像などをSNSグループで共有したなどとして複数の罪に問われています。
Q4. 2024年度に性犯罪・性暴力等で処分された教育職員は何人ですか?
文部科学省の令和6年度調査では、性犯罪・性暴力等により懲戒処分等を受けた教育職員は281人でした。このうち、児童生徒性暴力等により懲戒処分を受けた者は134人とされています。
Q5. 日本版DBSだけで教員による性被害は防げますか?
日本版DBSは、性犯罪歴の確認を通じて子どもへの性暴力を防ぐ重要な制度です。ただし、過去歴のない現職教員による初犯、校内の死角、私物スマートフォン、SNSでの不適切なつながりまでは制度だけで防ぎきれません。勤務中の管理体制と相談窓口の整備が必要です。
Q6. 学校現場で必要な再発防止策は何ですか?
教員と児童生徒の私的連絡の制限、部活動や面談で一対一にしない運用、校内の死角点検、着替え場所や持ち物への接近管理、私物スマートフォン使用の制限、第三者相談窓口、被害児童生徒への心理的ケアが必要です。

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