高知県と静岡県の公立学校で、サポート詐欺による被害が相次いで発覚した。高知市の小学校では、学校のパソコンが外部から遠隔操作され、児童や保護者ら約1800人分の個人情報が閲覧可能な状態になったおそれがある。静岡県牧之原市の中学校では、学校管理の口座から約1000万円が不正送金された。いずれも「警告画面」と「電話での操作指示」を使う典型的な手口で、教育現場の情報管理が改めて問われている。
高知市立神田小学校では5月28日、教員が教材印刷のためにパソコンを操作していた際、画面上に警告表示が出た。相談を受けた別の教職員が、表示されたサポートセンターに電話し、相手の指示通りに操作した結果、パソコンが外部から遠隔操作される状態になった。
このパソコンには、過去の児童の体力テスト結果、保護者連絡システム「すぐーる」に登録された児童、保護者、教職員の氏名、支援が必要な児童に関する情報などが保存されていた。影響を受けた可能性がある個人情報は約1800人分に上る。学校は同日中に管理職へ報告し、翌29日から外部ネットワークを遮断。警察にも相談した。校長は「学校全体として非常に責任が重い」と述べている。
一方、静岡県牧之原市立相良中学校では5月29日午後、60代の事務職員が備品のパソコンを操作中にエラーメッセージを確認した。表示された連絡先に電話し、相手の指示に従って操作した結果、学校の事務用口座から約1000万円が不正送金された。
被害額には、修学旅行積立金、卒業アルバム製作費、給食費など、学校が管理していた資金が含まれるとみられる。金融機関からの連絡で被害が判明し、警察が詐欺事件として捜査している。保護者説明会では、保護者の口座番号や名義が閲覧された可能性も説明された。一方、生徒の個人情報流出は現時点で確認されていない。
2つの事案に共通するのは、警告画面を信じ、表示された電話番号に連絡したことだ。サポート詐欺は、偽の警告画面で不安をあおり、電話先の人物が遠隔操作アプリの導入や口座操作を誘導する。企業や自治体でも被害は起きているが、学校では児童生徒の氏名、健康、家庭、金銭に関する情報を扱うため、被害が確認された場合の影響は大きい。
教育現場では、パソコンやクラウドサービスの利用が日常化している。一方で、警告画面が出た際の対応、外部業者への連絡手順、遠隔操作を許可しないルール、管理職への即時報告が徹底されていなければ、同じ被害は繰り返される。再発防止には、教職員向けの研修だけでなく、実際の偽警告画面を想定した訓練、重要情報へのアクセス制限、学校口座の二重承認、保護者への迅速な説明が必要になる。
教育現場は、子どもの安全だけでなく、個人情報と学校資金も守る責任を負っている。高知の情報流出懸念と静岡の1000万円被害は、学校がサポート詐欺の標的になっている現実を示した。今後は、各自治体と教育委員会が、現場任せにせず、学校全体で被害を止める具体策を整えられるかが焦点となる。
編集部まとめ
高知市立神田小学校では約1800人分の個人情報が閲覧可能になったおそれがあり、静岡県牧之原市立相良中学校では学校口座から約1000万円が不正送金された。どちらも、偽の警告画面に表示された連絡先へ電話し、相手の指示に従ったことで被害につながった。学校は児童生徒、保護者、教職員の情報と学校資金を扱う場であり、サポート詐欺対策は一般的な注意喚起では足りない。即時報告、遠隔操作禁止、口座操作の二重確認、定期訓練を現場で徹底する必要がある。
事件のポイントQ&A
Q1. 高知と静岡の学校で何が起きたのですか。
高知市立神田小学校では約1800人分の個人情報が閲覧可能になったおそれがあり、静岡県牧之原市立相良中学校では学校口座から約1000万円が不正送金されました。
Q2. 共通する手口は何ですか。
どちらも、パソコン画面に表示された偽の警告画面をきっかけに、表示された連絡先へ電話し、相手の指示に従ったことで被害につながったとみられます。
Q3. 高知市立神田小学校ではどんな情報が影響を受けた可能性がありますか。
児童の体力テスト結果、保護者連絡システムに登録された児童・保護者・教職員の氏名、支援が必要な児童に関する情報などが閲覧可能になったおそれがあります。
Q4. 今後、教育現場で何が必要ですか。
警告画面が出た際の即時報告、遠隔操作の禁止、学校口座操作の二重承認、教職員向けの実践的なセキュリティ訓練が必要です。
合わせて読みたい
広告掲載・取材依頼案内
週刊TAKAPIでは、企業・店舗・自治体・団体・個人事業主から広告掲載・取材依頼を受け付けています。記事タイアップ、広告掲載、YouTube案件、TikTok案件、Instagram案件、X案件、イベント取材など、媒体特性に合わせた企画・掲載が可能です。
地域ニュース、社会問題、エンタメ、スポーツ、企業・サービス紹介、イベント告知など、読者に届く形で発信します。広告・PR・タイアップ記事は、読者に分かる形で明記して掲載します。

コメント