愛知県西尾市立小学校の学校事務職員の男性が、児童の給食費およそ1793万円を着服したとして、西尾市は19日、西尾署に被害届を提出した。
警察は、業務上横領の疑いで調べている。
市の発表によると、着服したとされるのは、西尾市立花ノ木小学校に勤務していた40歳代の学校事務職員の男性。
職員は2023年度から2025年度にかけて、保護者から集めた児童約600人分の給食費、計約9800万円のうち、約1793万円を着服したとされる。
職員は着服を認め、「だんだん感覚がマヒしてしまった」と話しているという。
児童約600人分の給食費から約1793万円
今回の問題で着服されたとされるのは、児童の給食費だった。
市によると、花ノ木小学校では、保護者から集めた給食費を口座で管理していた。
その総額は、2023年度から2025年度にかけて約9800万円。
このうち、約1793万円が職員によって着服されたとされる。
給食費は、保護者が子どもの食事のために支払うお金であり、学校運営の中でも極めて公共性の高い費用だ。
その一部が長期間にわたり不正に引き出されていた疑いがあることは、学校会計の信頼を大きく損なう問題といえる。
銀行印を借り、払い戻し伝票に押印か
市の説明によると、同校では給食費を入金する口座の銀行印を教頭が管理していた。
しかし、職員は「伝票の枚数が多いので私が印鑑を押します」などと説明し、教頭から銀行印を借りていたという。
そのうえで、払い戻し伝票に押印し、口座から現金を引き出していたとされる。
職員は3年間で計約50回にわたり着服を重ね、多い時には1回に40万円を引き出していたという。
銀行印の管理者と実際の払い戻し手続きの担当者が、十分に分離されていなかった可能性があり、内部チェックの甘さが問われる。
発覚のきっかけは決算作業
着服が発覚したのは、2025年度の決算作業だった。
市教育委員会の担当者が、花ノ木小学校の給食費の徴収額が他校と比べて突出して少ないことに気づいた。
その後の確認で、不自然な払い戻しが明らかになったとみられる。
つまり、日常的なチェックではなく、年度末の決算作業の段階で異常が見つかったことになる。
不正が3年間続き、約50回に及んだとされる点からも、学校内だけでなく、市教育委員会側の確認体制にも課題があった可能性がある。
職員は全額弁済、市は今後処分へ
市によると、職員は着服を認めており、被害金は全額弁済したという。
ただし、全額弁済されたとしても、児童の給食費を扱う立場の職員が長期間にわたり不正を重ねていた疑いは重大だ。
市は今後、職員を処分する方針。
また、西尾署は市からの被害届を受け、業務上横領容疑で捜査を進める。
今後は、職員がどのような手口で払い戻しを重ねたのか、学校内で誰がどの段階まで把握していたのか、チェック体制がなぜ機能しなかったのかが焦点となる。
教育長が謝罪「多大なご心配とご迷惑」
西尾市の稲垣寿教育長は19日の記者会見で、市民や保護者、児童生徒に対して謝罪した。
教育長は「多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と述べた。
市教委は今後、チェック体制を強化するなど、再発防止策を講じるとしている。
ただ、再発防止のためには、単に「確認を増やす」だけでは不十分だ。
銀行印の管理、伝票の承認、払い戻し記録の確認、複数人による照合、市教委による定期監査など、具体的な仕組みの見直しが必要になる。
問われる学校会計の管理体制
今回の問題は、1人の職員による不正にとどまらない。
児童の給食費という公的性格の強いお金を、学校がどのように管理していたのかが問われている。
銀行印を管理する教頭がいたにもかかわらず、職員が説明によって印鑑を借り、払い戻し伝票に押印できていたとされる点は重い。
本来、学校会計では、現金や通帳、銀行印、伝票、承認権限を一人に集中させないことが重要だ。
不正を防ぐには、担当者を信頼するだけではなく、担当者が不正できない仕組みを作る必要がある。
今回の事案は、学校現場の多忙さや人手不足の中で、会計処理が一部の職員に依存していた可能性も浮かび上がらせている。
保護者への説明も焦点に
給食費は、保護者が子どものために支払ったお金だ。
そのため、市や学校には、保護者に対して分かりやすく説明する責任がある。
着服額、期間、手口、発覚経緯、被害金の弁済状況、給食提供への影響、再発防止策。
これらを丁寧に説明しなければ、保護者の不信感は残る。
特に、3年間で約50回という長期間にわたる不正が見逃されていた点については、なぜ早期に気づけなかったのかを明らかにする必要がある。
西尾市立小学校給食費着服問題の主な論点
何があったのか。
愛知県西尾市立花ノ木小学校に勤務していた40歳代の学校事務職員の男性が、児童の給食費約1793万円を着服したとして、市が西尾署に被害届を提出した。
着服された金額はいくらか。
2023年度から2025年度にかけて、保護者から集めた児童約600人分の給食費約9800万円のうち、約1793万円が着服されたとされる。
どのような手口だったのか。
職員は、教頭が管理していた銀行印を「伝票の枚数が多いので私が印鑑を押します」などと説明して借り、払い戻し伝票に押印して現金を引き出していたとされる。
不正はどれくらい続いたのか。
3年間で計約50回にわたり着服を重ね、多い時には1回に40万円を引き出していたという。
どうやって発覚したのか。
2025年度の決算作業で、花ノ木小学校の給食費の徴収額が他校に比べて突出して少ないことに市教育委員会の担当者が気づき、発覚した。
職員は認めているのか。
市によると、職員は着服を認め、「だんだん感覚がマヒしてしまった」と話しているという。被害金は全額弁済した。
今後問われることは何か。
職員の処分、警察の業務上横領容疑での捜査、銀行印や伝票の管理体制、市教委のチェック体制、保護者への説明、再発防止策が問われる。
本記事は、西尾市の発表および報道内容をもとに構成しています。今後の警察の捜査、市の処分、市教育委員会の説明により内容が更新される可能性があります。続報が入り次第、追記・更新します。
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