週刊TAKAPI編集部/担当:成田
滋賀県近江八幡市で65歳女性が現金400万円をだまし取られた特殊詐欺事件で、捜査は「現金を受け取った側」から「人を集めた側」へ広がった。
近江八幡警察署は6月24日、詐欺の疑いで、大阪市都島区に住む19歳の男子大学生を逮捕した。大学生は、詐欺グループで現金を受け取る「受け子」を勧誘するリクルーター役だった疑いがある。
逮捕容疑は、今年3月30日、ほかの人物らと共謀し、近江八幡市内に住む65歳女性から現金400万円をだまし取った疑い。
事件で使われたのは、家族の不安を一気にあおる手口だった。詐欺グループは女性の娘を装って電話をかけ、「彼氏が既婚者で、妻とトラブルになっている」「今日中に示談金を用意しないと裁判になる」などとうその説明をした疑いがある。
突然の“不倫トラブル”と“裁判”という言葉に、女性は冷静な確認をする余裕を奪われた。結果として、指定された場所で現金400万円を渡してしまった。
この事件では、すでに現金を受け取った「受け子」とみられる3人が4月に逮捕されている。今回逮捕された大学生は、そのうちの1人を詐欺グループへ引き入れた疑いがある。
特殊詐欺は、電話をかける者、現金を受け取る者、金を移す者、そして人員を集める者に役割が分かれる。リクルーターは表に出にくいが、実行役を確保する重要な位置にいる。
今回の逮捕は、若者が「受け子」だけでなく、勧誘側として事件に関わる危険性を示している。高額報酬、紹介だけ、荷物を受け取るだけ——そうした言葉の先に、特殊詐欺の実行網がある。
大学生が容疑を認めているかどうかは明らかになっていない。警察は、大学生がどのような経緯で詐欺グループと接点を持ったのか、ほかの受け子募集にも関与していないか、余罪を含めて調べている。
「示談金」「裁判」「今日中に現金」は、特殊詐欺で繰り返される危険な言葉だ。家族を名乗る電話でも、金を急がせた時点で詐欺を疑う必要がある。
記事注記
本記事は警察発表および各社報道を基に構成しています。逮捕容疑は捜査段階のものであり、刑事責任の有無は今後の捜査と司法手続きで判断されます。
編集部まとめ
今回の事件は、特殊詐欺の捜査が現金を受け取る「受け子」から、実行役を集める「リクルーター」へ広がった点が大きい。被害女性は、娘を装った電話で不倫トラブルや裁判を持ち出され、現金400万円をだまし取られた疑いがある。家族を名乗る人物から金を急がされた場合、まず電話を切り、本人や警察に確認することが必要だ。
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