【鎌倉女学院で約6686万円横領疑惑】元理事長が小切手10回を私人口座へ 創立122年の名門校で発覚した“長期不正”

鎌倉女学院の元理事長が法人資金約6686万円を個人口座へ入金していた問題を伝える報道アイキャッチ

神奈川県鎌倉市の女子中高一貫校「鎌倉女学院」を運営する学校法人で、元理事長の女性が法人資金を私的に流用していた疑いが浮上した。

学校法人鎌倉女学院は7月16日、元理事長の杉山美智子氏が、法人に発行させた小切手を自身の銀行口座で換金し、個人口座へ入金していた事実が発覚したと公表した。

法人が現時点で確認している入金は合計10回。総額は6686万5917円に上る。

創立122年を迎えた伝統ある女子校で、法人トップによる長期にわたる資金流用疑惑が明らかになった。

「存在しない法人口座」へ入金すると偽って小切手を発行

法人の発表によると、元理事長は少なくとも2016年6月から2022年6月までの約6年間、経理担当者に対し、実際には存在しない法人名義の預金口座へ入金するかのように装い、小切手を発行させていた。

その小切手を金融機関へ持ち込み、自身の個人口座へ入金していたという。

確認された回数は10回で、総額は6686万5917円。個人口座へ入金された後の詳しい使途は調査中だが、法人は口座からの出金状況などを踏まえ、「大半は私的用途に費消されたものと判断している」としている。

事務局長と理事長を兼任 長年、法人の要職を歴任

元理事長は1971年に学校法人へ職員として入職し、経理係長、経理課長、事務長、常務理事などを歴任した。

1994年に事務局長へ就任し、2017年には理事長となった後も事務局長を兼任。法人の経理と経営に深く関わる立場にあった。

資金管理に精通し、内部から厚い信頼を得ていた人物が、その立場を利用した疑いを持たれていることになる。

学校法人は声明で、元理事長を長年信頼した結果として不正を見抜けなかったことについて、「役員・学校職員一同、慚愧に堪えない」と強い言葉で謝罪した。

発覚のきっかけは「法人口座が見つからない」

不正が表面化したきっかけは、元理事長が説明していた法人名義の預金口座について、常務理事が所在を確認したことだった。

調査の結果、その口座自体が存在しないことが判明した。

さらに、元理事長が小切手を換金して入金していた個人口座について、本人が取引履歴の開示に同意。口座の動きを確認したことで、一連の資金移動が明らかになったという。

元理事長を解職 事務局長も解任

学校法人は6月16日に緊急理事会を開き、杉山氏を理事長から解職するとともに、兼任していた事務局長の職からも解任した。

同日付で、常務理事だった佐竹靖幸氏が新たな理事長に就任した。

ただ、約6年間にわたり複数回の小切手が発行されていたにもかかわらず、なぜ法人内部のチェックをすり抜けたのかは残されたままだ。

元理事長個人の責任だけでなく、決裁、口座確認、監査、役職分担がどこまで機能していたのかも問われることになる。

第三者委員会を設置 刑事・民事の両面で責任追及へ

学校法人は、過去の小切手帳や計算書類を精査し、被害の全容を調べる。

あわせて、法人と利害関係のない弁護士と公認会計士による第三者委員会を設置し、原因調査と再発防止策の提言を求める方針を示した。

元理事長に対しては、顧問弁護士を通じて刑事・民事の両面で責任を追及する。刑事告訴や損害賠償請求などが検討されるとみられる。

保護者説明会を開催 次回は10月上旬を予定

学校法人は7月16日に第1回の保護者説明会を開催した。

第三者委員会の調査報告書は9月末に提出される予定で、次回の保護者説明会は10月上旬に開くとしている。

法人は声明で、創立122年の伝統を持つ学校の元トップによる不祥事について、「卒業生や家族、在校生、保護者、学校関係者、地域社会を裏切った」と謝罪した。

「教育活動に影響なし」でも消えない不信

学校側は、生徒への教育活動に影響はないとしている。

しかし、約6686万円という金額は小さくない。しかも、疑われているのは単発の誤処理ではなく、約6年間にわたり10回繰り返された資金移動だ。

学費や寄付金を含む学校法人の資金が、どのような決裁を経て動かされ、なぜ長期間発見されなかったのか。

今後は、元理事長による資金流用の全容だけでなく、監査体制や理事会の機能、職務権限の集中が問題を拡大させなかったかが焦点となる。

編集部まとめ

鎌倉女学院で明らかになったのは、約6686万円という巨額の資金流用疑惑だけではない。

存在しない法人口座への入金を装い、小切手を10回発行させたとされる手口。その行為が約6年間見過ごされていた事実は、学校法人の内部管理そのものに重い疑問を投げかける。

第三者委員会がどこまで踏み込み、資金の使途、監査の不備、役職権限の集中を明らかにできるのか。創立122年の名門校が失った信頼を取り戻せるかは、その報告内容と今後の対応にかかっている。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項:本記事は学校法人鎌倉女学院が公表した公式声明を基に構成しています。現時点では学校法人による内部調査段階であり、刑事責任は今後の捜査や司法手続きによって判断されます。生徒個人を特定する情報は掲載していません。

Q鎌倉女学院で何が発覚したのですか?
A学校法人鎌倉女学院の元理事長が、法人に発行させた小切手を換金し、自身の個人口座へ入金していたことが発覚しました。法人が確認した金額は総額6686万5917円です。
Q元理事長はどのような方法で資金を移していたのですか?
A実際には存在しない法人名義の預金口座へ入金するかのように経理担当者へ説明し、小切手を発行させていたとされています。小切手は金融機関で換金され、元理事長名義の個人口座へ入金されていました。
Q資金流用はいつから行われていたのですか?
A学校法人は、少なくとも2016年6月から2022年6月までの約6年間に、合計10回の入金があったとしています。個人口座へ入金された後の詳しい使途は調査中です。
Q元理事長は現在どうなっていますか?
A学校法人は2026年6月16日の緊急理事会で、元理事長を理事長職から解職し、兼任していた事務局長職からも解任しました。法人は刑事・民事の両面で責任を追及する方針です。
Q今後の調査では何が焦点になりますか?
A総額6686万5917円の具体的な使途、約6年間にわたり不正を発見できなかった原因、決裁や監査体制の問題が焦点です。弁護士と公認会計士による第三者委員会が調査し、再発防止策を提言する予定です。

鎌倉女学院で約6686万円の資金流用が見過ごされた理由

学校法人鎌倉女学院では、元理事長が約6年間にわたり、存在しない法人名義の預金口座へ入金するよう装って小切手を発行させ、合計10回、総額6686万5917円を個人口座へ移していたことが発覚しました。元理事長は理事長と事務局長を兼任し、法人の経理と経営に深く関わる立場でした。法人は元理事長を解職し、第三者委員会による原因調査を開始します。今後は資金の使途、監査や決裁が機能しなかった原因、刑事告訴や損害賠償請求の行方が焦点となります。

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