【再掲載】浜松の認定こども園で0歳児が煮リンゴを詰まらせ意識不明 市への報告は事故から約4時間半後

浜松市の認定こども園で0歳児が煮リンゴを喉に詰まらせ意識不明となった重大事故

浜松市内の私立幼保連携型認定こども園で2025年9月26日、生後9カ月の園児が給食で提供された煮リンゴを喉に詰まらせ、意識不明となる重大事故が起きていた。

園児は救急搬送された後、ドクターヘリで静岡県立こども病院へ転送された。浜松市の公表時点で、事故後の容体は保護者の意向により明らかにされていない。

施設から市への報告は、事故発生から約4時間半後だった。市はそれより前に、園児の保護者からの連絡で事故を把握していた。

生後9カ月の園児に三日月形の煮リンゴ

事故が起きたのは2025年9月26日の昼食時だった。

園児には、デザートとして加熱したリンゴが提供されていた。リンゴは三日月形に切られ、手でつぶした状態だったが、大きい部分は幅約7センチあったという。

当時、1人の保育教諭が園児2人の食事を担当していた。教諭が食事内容を記したボードを確認している間に異変が起き、別の教諭が園児の状態に気づいた。

園児は煮リンゴを喉に詰まらせ、意識を失った。救急搬送後、より高度な治療が必要と判断され、ドクターヘリで静岡県立こども病院へ運ばれた。

この事故は、給食の煮リンゴを食べた乳児が窒息し、意識不明となった重大事故として国の事故情報にも登録されている。

市が事故を知ったのは保護者からの連絡

教育・保育施設で重大事故が発生した場合、施設側には自治体への速やかな報告が求められる。

しかし、園から浜松市への報告は、事故発生から約4時間半後だった。

市は施設からの報告を受ける前に、園児の保護者からの連絡で事故を把握していた。

救命対応が続く中で施設内の情報整理に時間を要した可能性はあるものの、重大事故を所管する市への連絡が後回しになった点は、事故そのものとは別の重大な問題として検証された。

職員数や設備に法令違反は確認されず

浜松市は事故後、施設に対する特別監査を実施した。

その結果、職員の配置人数、施設設備、事故対応マニュアルについて、法令上の違反は確認されなかった。

一方、給食時の見守りには改善すべき点があった。

園児が口に入れた煮リンゴを確実に飲み込んだかどうかの確認が十分ではなく、保育教諭がボードへ視線を移していた間に異変が起きていたことから、市は食事中の観察と確認方法に課題があったと判断した。

離乳食の進み方に合わない大きさと形状

市は医師や弁護士らで構成する検証会議を設置し、事故の経緯と施設側の対応を検証した。

報告書では、園児の離乳食の進行状況に照らし、提供されたリンゴの大きさや形状が適切ではなかったと指摘された。

加熱して軟らかくした食材であっても、乳児が安全に処理できるとは限らない。特にリンゴは、硬さが残った部分や口の中でまとまりやすい形状によって、気道を塞ぐ危険がある。

また、園児にどのような大きさや状態で食材を提供するかについて、事前に保護者へ確認する施設内のルールが守られていなかったことも判明した。

食べさせる前と飲み込んだ後の確認を提言

検証会議は再発防止策として、家庭と施設の迅速な情報共有、提供前の検食、園児が飲み込むまでの見守り、重大事故発生時の即時報告体制などを挙げた。

食材を調理した時点で安全と判断するのではなく、実際に園児へ提供する大きさ、硬さ、形状を職員が確認する必要がある。

食事中は、次の一口を与える前に飲み込みを確認し、担当者が記録や別の作業を行う場合も、園児から目が離れる時間をつくらない体制が求められる。

こども家庭庁も、教育・保育施設での食品による窒息事故を防ぐため、食材の扱い方や事故発生時の対応を整理した注意喚起を行っている。

市内の保育施設へ再発防止策を共有

浜松市は検証結果を、市内すべての認定こども園や保育施設に共有した。

各施設に対し、園児ごとの発達状況と家庭での食事内容を確認したうえで給食を提供することや、食事中の見守りを徹底するよう求めている。

重大事故が発生した際には、救命処置や保護者への連絡と並行し、市への報告を速やかに行える連絡体制の整備も必要になる。

今回の事故では、食材の大きさ、飲み込みの確認、職員間の情報共有、市への報告という複数の段階で課題が重なった。

編集部まとめ

生後9カ月の園児が煮リンゴを喉に詰まらせた今回の事故では、職員配置や設備に法令違反は確認されなかった。

しかし、法令上の基準を満たしていることと、個々の園児に安全な保育が行われていることは同じではない。

離乳食の進み方は園児ごとに異なる。家庭で食べられている食材でも、形状や大きさ、食べさせ方が変われば危険性も変わる。

事故発生から市への報告まで約4時間半を要した点を含め、現場の判断を個人に委ねず、食材提供から緊急連絡までを施設全体の仕組みとして管理できるかが問われている。

週刊TAKAPI編集部/一条

特記事項:本記事は浜松市の公表内容、検証報告および関係機関の事故情報を基に、重大事故の経緯と再発防止策を改めて整理した再掲載記事です。園児の容体は市の公表時点で非公表とされており、その後の状況は確認できていません。施設名、園児および家族を特定する情報は掲載していません。

Q事故はいつ、どこで起きましたか?
A2025年9月26日、浜松市内の私立幼保連携型認定こども園で発生しました。
Q園児は何を喉に詰まらせましたか?
A昼食のデザートとして提供された煮リンゴです。三日月形に切って加熱し、手でつぶした状態でしたが、大きい部分は幅約7センチありました。
Q園児の容体は公表されていますか?
A園児は救急搬送後、ドクターヘリで静岡県立こども病院へ転送されました。その後の容体は保護者の意向により公表されていません。
Qなぜ市への報告が遅れたのですか?
A園から浜松市への報告は事故から約4時間半後でした。具体的に遅れた理由は公表されていませんが、市は施設からの報告より前に保護者からの連絡で事故を把握していました。
Q検証会議はどのような問題を指摘しましたか?
A園児の離乳食の進み方に対してリンゴの大きさや形状が適切ではなかったこと、保護者への確認ルールが守られていなかったこと、飲み込むまでの見守りや事故後の報告体制に課題があったことを指摘しました。

食材の形状、見守り、報告体制に複数の課題

浜松市内の認定こども園で、生後9カ月の園児が給食の煮リンゴを喉に詰まらせ、意識不明となりました。特別監査では職員配置や設備に法令違反は確認されませんでしたが、検証会議は園児の発達段階に対して食材の大きさや形状が適切ではなかったと指摘。飲み込むまでの確認や保護者との情報共有、市への即時報告にも改善が必要とされました。

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