三重・鈴鹿で特殊詐欺300万円被害を2件防ぐ 銀行・JA職員4人に感謝状、「息子かたり」急増

三重県鈴鹿市で特殊詐欺による300万円の被害を金融機関職員が防止したニュースを伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

三重県鈴鹿市で、息子を名乗って現金300万円を求める特殊詐欺とみられる電話を金融機関の職員らが相次いで見抜き、被害を未然に防いでいたことが分かりました。

三重県警鈴鹿署は8月14日、特殊詐欺被害の防止に貢献したとして、三十三銀行旭が丘支店の行員2人と、鈴鹿農協加佐登支店の支店長・職員2人の計4人に感謝状を贈りました。

いずれも7月17日に起きた事案で、被害に遭いかけたのは80代の男女でした。

「息子が浮気、弁護士に300万円」銀行員が不審に気付く

三十三銀行旭が丘支店では7月17日、80代の女性が現金を引き出そうと窓口を訪れました。

職員が出金理由を確認したところ、女性は「息子から電話があり、浮気をしたので弁護士に300万円を支払う必要があると言われた」などと説明したといいます。

高額な出金であることに加え、息子を名乗る人物から突然現金を求められている状況を不審に思った職員が特殊詐欺を疑い、警察へ通報しました。

結果として女性は現金を渡さず、被害を免れました。

感謝状を贈られたのは、同行旭が丘支店の石野陽子さん(48)と高井加苗さん(60)です。

「借金返済に300万円」JA職員は携帯電話を確認

同じ7月17日、鈴鹿農協加佐登支店でも別の80代男性から相談がありました。

男性は「息子から電話があり、借金の返済に300万円が必要だと言われた」と説明。

職員が男性と一緒に携帯電話の内容などを確認したところ、電話の相手が実際の息子本人ではないことが判明しました。

職員らは特殊詐欺と判断して警察へ通報し、こちらも300万円の被害を防ぎました。

感謝状を受けたのは、前川智洋支店長(48)と船引晴凪さん(25)です。

高額出金時の「声掛け」が被害防止につながる

2件に共通するのは、被害者が電話の内容を信じた状態で金融機関を訪れていた一方、窓口での確認が最後の防波堤になった点です。

高井さんは、日頃からチェックシートを使って顧客への確認を行っていることが今回の被害防止につながったとの趣旨を説明。

船引さんも今回が初めての経験だったとし、今後さらに注意深く対応していきたいとしています。

鈴鹿署の林忠雄署長は、被害を未然に防いだ対応に感謝を示しました。

三重県警も、特殊詐欺対策として固定電話などにかかってくる不審な電話への警戒を呼びかけています。県警の特殊詐欺対策ページでは、医師や息子を名乗るオレオレ詐欺電話についても注意喚起しています。

三重県内で「息子かたり」増加 7月だけで23件

鈴鹿署によると、三重県内では2026年7月、息子を装って金銭を要求する「息子かたり」の特殊詐欺が急増し、23件が確認され、被害額は約5400万円に上ったとされています。

今回防がれた2件も、いずれも「息子」を名乗る人物が電話をかけ、300万円というまとまった現金を要求する手口でした。

特殊詐欺では、警察官や金融機関職員などを装う手口も全国的に深刻化しています。警察庁によると、2025年の特殊詐欺認知件数は2万7832件に達しており、電話を入り口とする詐欺への警戒が引き続き必要です。

「息子本人か」を一度確認することが重要

「借金がある」「トラブルを起こした」「弁護士への支払いが必要」などと突然告げ、家族を心配する心理につけ込んで現金を用意させるのは、オレオレ詐欺でみられる典型的な流れの一つです。

特に「すぐ必要」「誰にも言わないで」などと急がされた場合には、その電話番号へ折り返すのではなく、以前から把握している家族本人の電話番号へ連絡して事実確認することが重要です。

金融機関の窓口で理由を聞かれた際にも、電話で言われた内容をそのまま伝えることで、今回のように第三者が異変に気付ける可能性があります。

編集部まとめ

今回の2件では、それぞれ300万円が要求されていました。

仮に窓口での声掛けや確認がなければ、計600万円規模の被害につながっていた可能性があります。

特殊詐欺対策では新しい技術や制度も重要ですが、今回のケースが示したのは、金融機関の職員が「なぜこの現金が必要なのか」と一歩踏み込んで確認する従来型の対応も依然として有効だということです。

一方、家族を名乗る電話を受けた本人側でも、その場で現金を準備する前に「本人へ別の方法で確認する」という手順を習慣化する必要があります。

署名:週刊TAKAPI編集部/松本

特記事項

本記事は2026年8月15日時点で確認できる情報を基に構成しています。特殊詐欺の発生件数や被害額は、その後の捜査・集計により変更される場合があります。

7月17日に鈴鹿市で何があったのか

鈴鹿市では2026年7月17日、80代の女性と男性がそれぞれ「息子」を名乗る人物から300万円を求められる事案が発生しました。

女性は「息子が浮気をし、弁護士への支払いに300万円が必要」と説明され、男性は「借金返済のため300万円が必要」と伝えられていました。

いずれも金融機関の職員が出金理由や電話の内容を確認し、特殊詐欺を疑って警察へ通報。現金が渡る前に被害を防ぎました。

2件を合わせると、要求されていた金額は計600万円に上ります。

今回の被害防止で分かったこと

・被害に遭いかけたのはいずれも80代
・いずれも「息子」を名乗る電話が発端
・要求額はいずれも300万円
・銀行とJAの窓口対応で被害を防止
・鈴鹿署が金融機関の職員ら計4人に感謝状を贈呈
・三重県内では「息子かたり」の特殊詐欺への警戒が必要

高額な現金の出金理由を金融機関側が確認したことが、被害を食い止める重要なポイントになりました。

Q鈴鹿市でどのような特殊詐欺が起きたのですか?
A80代の男女に対し、それぞれ息子を名乗る人物から電話があり、300万円を要求する事案が発生しました。金融機関職員が不審に気付き、被害は未然に防がれました。
Q被害者は実際に現金を渡したのですか?
A現金が渡る前に銀行とJAの職員が特殊詐欺を疑って警察へ通報したため、被害は防がれました。
Qいくら要求されていたのですか?
A2件とも300万円で、合わせて計600万円が要求されていました。
Qなぜ金融機関の職員は詐欺に気付いたのですか?
A高額出金の理由を確認したところ、「息子の浮気に伴う弁護士への支払い」「息子の借金返済」などと説明されたため、不審に思い確認・通報しました。
Q家族を名乗る人物から現金を求められた場合はどうすればいいですか?
A電話の相手の指示だけで現金を準備せず、一度電話を切り、以前から把握している本人の電話番号など別の手段で家族本人に確認することが重要です。不審な場合は警察や金融機関に相談してください。

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