【独自分析 豊橋市議を読む⑩】諸井菜々子市議は何をしてきた?子育て・教育を軸に新アリーナ・市の後援制度も問う 政務活動費と1期目の「実績」を徹底検証

「子育て支援の拡充で 子育て世帯に選ばれる街づくり」。

豊橋市議会議員・諸井菜々子氏が、現在の市議会公式プロフィールに掲げている言葉だ。

では、2023年の初当選から約3年。

諸井氏は、その言葉どおり子育て政策を議会で追ってきたのか。

質問した政策は、実際の豊橋市政にどこまで反映されたのか。

さらに、新アリーナを巡る住民投票、市職員倫理、市の「後援」のあり方など、子育て以外の重要案件ではどのような行動を取ってきたのか。

週刊TAKAPI「豊橋市議を読む」

第10回は、会派「新しい豊橋」副代表の諸井菜々子市議を公開資料から読み解く。

結論から言えば、諸井氏の一般質問にはかなりはっきりとした軸がある。

子ども。

教育。

子育て家庭。

障害や医療的ケアを必要とする子ども。

そして任期後半になるにつれ、その射程は新アリーナ、職員倫理、市の後援制度といった「市政の意思決定や行政の信頼性」へ広がっている。

一方、令和7年度の政務活動費を見ると、108万円の交付に対し105万3,269円を支出

そのうち約71%、74万9,474円を広報費が占めていた。豊橋市議会は諸井氏の令和7年度資料を7分冊で公開している。 

では、質問量や情報発信だけではなく、「何を実現したのか」まで検証する。


諸井菜々子市議とは 「新しい豊橋」副代表の1期目

豊橋市議会の2026年7月27日現在の名簿によると、諸井氏は1986年生まれ、牟呂町在住。

現在1期目

会派は「新しい豊橋」で、現在は副代表を務める。

常任委員会は総務委員会

さらに、「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」等に関する調査特別委員会にも所属している。 

公式の抱負は、

「子育て支援の拡充で 子育て世帯に選ばれる街づくり」

だ。 

2023年の初当選時には、CBCテレビが元看護師であることや、就学援助の拡充など子育て支援を重点政策として掲げていたことを報じている。 

つまり、選挙前から一貫して「子育て」を前面に出して議会へ入った市議だ。

では実際の一般質問はどうだったのか。


初当選後の一般質問を全部並べる

豊橋市議会の公式映像記録で、2023年6月から2026年6月までの諸井氏の一般質問を確認すると、次のようになる。 

時期主な質問テーマ
2023年6月就学援助、不適切保育
2023年12月子どもの入院時の保護者付き添い負担、未就園児家庭
2024年3月医療的ケア児と家族、孤育て・児童虐待
2024年9月仕事と子育ての両立、子どもの学ぶ機会
2024年12月障害福祉サービス総量規制、中学校制服、新アリーナ契約解除
2025年3月社会的養護、外部連携による不登校支援
2025年6月肢体不自由児支援、学校防犯、ペイシェントハラスメント
2025年9月新アリーナ住民投票後、学校動物飼育、のびるんdeスクール、私道
2025年12月確かな学力、市職員倫理
2026年3月学用品、公共施設の利便性
2026年6月特別な配慮が必要な児童生徒の宿泊行事、市の後援申請

こうして一覧にすると、かなり分かりやすい。

11回の本会議一般質問の大半に、子ども・教育・家庭・福祉のいずれかが入っている。

「子育て支援」を選挙時だけ掲げ、その後は別テーマへ移ったわけではない。

少なくとも質問履歴では、初当選時に掲げた政策テーマとの継続性は明確だ。


初質問は「就学援助」と「不適切保育」

諸井氏が初めて一般質問に立った2023年6月。

最初に選んだテーマは、

就学援助

と、

不適切保育

だった。 

議員として最初の本会議質問から、経済的な事情を抱える家庭の教育支援と、子どもの保育環境を取り上げている。

同年12月には、

市民病院に子どもが入院した際の保護者付き添い負担

未就園児を持つ家庭への支援

へテーマを広げた。 

この時点ですでに、

「子育て支援」という大きな言葉だけではなく、

家庭の経済負担

保育

医療

孤立しやすい家庭

という具体的な場面へ質問を落としている。


2024年3月「医療的ケア児と家族」を質問

2024年3月には、

「医療的ケア児とその家族が安心して暮らすために必要な支援について」

を一般質問した。

同じ定例会では、

「孤育てや児童虐待ゼロにするための取り組み」

も扱っている。 

そして、この「医療的ケア児」というテーマについては、その後の豊橋市政に注目すべき動きがあった。


翌年度、市が「医療的ケア児在宅レスパイト事業」を新規導入

豊橋市の令和7年度予算を見ると、市は「医療的ケア児在宅レスパイト事業」157万円を新規計上している。

訪問看護師が18歳以下の医療的ケア児のいる家庭を訪問し、家族に代わって看護や介護を行うことで、家族が一時的に休息できる時間を確保し、負担軽減につなげる事業だ。 

時系列を並べると、

2024年3月
諸井氏が医療的ケア児と家族への支援を一般質問

令和7年度
豊橋市が医療的ケア児在宅レスパイト事業を新規導入

となる。 

これは今回の検証で最も「成果」に近い材料の一つだ。


ただし「諸井氏が実現した」とは断定できない

ここは重要だ。

市の予算資料には、

「諸井菜々子市議からの提案を受けて新設した」

とは書かれていない。

行政内部で以前から検討していた可能性もある。

当事者・家族や関係団体からの要望。

国・県の政策。

他議員による働きかけ。

こうした複数の要因が関係している可能性もある。

したがって本連載の基準では、

【関連成果】

医療的ケア児在宅レスパイト事業

と位置付ける。

諸井氏が議会で取り上げた政策テーマと、その後の市の新規事業が明確に重なる。

しかし、個人との直接的因果関係は未確認

これが現時点で最も公平な評価だ。


「子育て」だけでなく、教育現場へ深く入る

2024年9月には、

仕事と子育てを両立できる環境

子どもの学ぶ機会

を質問。

2025年3月には、

社会的養護

外部との連携による不登校支援

を取り上げた。

6月には、

学校における肢体不自由児への支援

学校防犯

へ進む。

さらに9月には、

学校での動物飼育

のびるんdeスクール

12月には、

子どもたちの「確かな学力」

2026年3月には、

学用品の在り方

を質問している。 

子育て家庭への給付や経済支援だけを追っているわけではない。

学校生活。

障害。

不登校。

学力。

放課後。

学用品。

と、子どもが実際に生活する現場へテーマを広げているのが特徴だ。


2026年6月「宿泊行事で保護者の付き添いは?」

直近の2026年6月には、

学校の宿泊行事における、特別な配慮が必要な児童生徒の保護者の付き添い

を一般質問した。 

この問題は、障害や医療的ケアなどが必要な子どもが修学旅行などへ参加する際、

学校だけで対応できるのか。

保護者に同行を求める場合があるのか。

同行できない場合はどうするのか。

費用は誰が負担するのか。

という、極めて具体的な学校運用の問題につながる。

市側は、学校職員だけでは十分な対応が難しい場合や、医療的ケアなどで保護者・有資格者の対応が必要な場合には保護者の付き添いを求めることがあり、付き添いが困難な場合は保護者と協議し、行程や支援体制を調整すると説明している。

また、医師の診断等に基づく医療的ケアが必要なケースでは、付き添う保護者の費用を公費負担する場合があることも議会答弁で示された。 


これは「制度を変えた」ではないが、議会で運用を明らかにした

この質問によって新しい制度が創設されたわけではない。

しかし、

どのような場合に保護者同行を求めるのか

同行できない場合に学校はどうするのか

公費負担となる場合があるのか

という、保護者にとって重要な制度運用が公開の議場で具体化された。

したがって、ここは、

【確認できる議会活動上の成果】

学校宿泊行事における特別配慮児童生徒への市の運用を公開答弁として引き出した

と評価できる。

ただし、政策変更そのものではないことは分ける必要がある。


そして新アリーナ 諸井氏は何をした?

子ども政策とは全く違う市政上の大テーマにも、諸井氏は関わっている。

新アリーナ問題だ。

2024年12月には、

「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業の契約解除の指示に係る市民感情」

を一般質問した。 

そして2025年5月の臨時会では、会派「新しい豊橋」が独自の住民投票条例案(議案会第14号)を提出。

その審議で諸井氏は提案側として答弁に立った。 

これは「質問した」というレベルより一段強い政治行動だ。


諸井氏「賛成多数なら継続、反対多数なら契約解除」

新しい豊橋側の条例案は、住民投票を公布から180日以内に実施する内容だった。

諸井氏は議会質疑で、参議院選挙と同日に実施すると、選挙期間中に住民投票運動が制限される可能性を懸念していたと説明。

10~11月頃を想定していたことも述べている。 

そして住民投票結果の扱いについて、

賛成多数なら事業継続、反対多数なら契約解除

という考えを明確に示していた。 

さらに、同会派が以前から住民投票を求めてきた経緯を説明し、膠着した新アリーナ問題について市民に判断を求める必要があるとの考えを示している。 


最終的に住民投票は実施

最終的に豊橋市議会では2025年5月15日、住民投票条例が可決。

住民投票は7月20日の参議院議員通常選挙と同日に実施された。 

ここでは注意が必要だ。

諸井氏が答弁した新しい豊橋側の議案会第14号そのものを「諸井氏が成立させた条例」と扱うのは正確ではない

同臨時会では複数の住民投票条例案が提出されていたからだ。 

したがって評価は、

【確認できる政治行動】

住民投票条例案を提出した会派の提案側として審議に参加し、市民の判断を求める立場を明確にした

とするのが適切だ。


住民投票後も「終わり」にはしなかった

2025年9月。

住民投票によって新アリーナ事業の継続が決まった後、諸井氏は再び一般質問に立ち、

「住民投票を経て事業が継続となったが、今後の課題について」

を第1項目として取り上げた。 

つまり、

住民投票を求める。

実際に投票が行われる。

結果が出た後の事業も議会で確認する。

という流れは確認できる。

新アリーナについて単純に「賛成派」「反対派」とだけ分類するより、

住民投票を意思決定手段として重視し、その後の事業も追う立場

と見る方が公開記録に近い。


2026年6月には「豊橋市の後援」を質問

そして直近で注目したいのが、もう一つの質問だ。

2026年6月10日。

諸井氏は、

「各種団体等からの後援申請における市の認識と対応について」

を本会議で取り上げた。 

イベントのチラシなどに、

「後援:豊橋市」

と書かれていることがある。

市民から見れば、「市が認めた団体やイベント」という印象を持つ可能性もある。

では、市は何を審査して後援を認めるのか。

どこまで責任を負うのか。

そうした行政の信用にも関わるテーマだ。


背景にクリアースカイを巡る問題提起

この一般質問を読む上で、諸井氏自身の発信も無視できない。

諸井氏は自身のXで、2024年に豊橋市が後援したとするセミナーに、後に投資トラブルが問題化したクリアースカイ関係者が登壇していたことが話題になっているとして問題提起している。 

さらに後の投稿でも、自らの6月定例会での一般質問が豊橋市の「後援」に関するものだったと説明している。 

ただし、本稿で注意したいのはここだ。

「豊橋市がクリアースカイの事業内容を保証していた」

という意味にはならない。

後援と企業・登壇者への信用保証は別問題である。

また、本稿では2024年当時の個別イベントについて、市公式資料まで完全に照合できていない。

したがって、イベントとクリアースカイの関係については、諸井氏自身が公に問題提起している内容として扱う。


その翌月、市の「後援」申請様式が変更

ここには興味深い時系列もある。

諸井氏が後援制度を一般質問したのは2026年6月10日

豊橋市はその後、2026年7月1日から「豊橋市後援等及び市長賞申請書」と事業実績報告書の様式を変更している。 

現在の市の手続きでは、初めて後援を受ける団体には会則や役員名簿などの提出を求め、参加料などを徴収する場合には収支予算書なども提出させる仕組みになっている。審査に必要であれば追加資料も求める。 

一見すると、

6月に諸井氏が質問

7月に様式変更

となる。


しかし、これも「諸井氏が変えた」とはまだ書けない

日付が近いことだけを理由に因果関係を作ることはできない。

様式改正は質問以前から準備されていた可能性もある。

市の要綱には2026年7月1日施行の改正が記載されているが、公表資料だけでは、改正の起点が諸井氏の質問だったのかまでは確認できない。 

したがって、これは、

【関連動向】

諸井氏が後援制度を質問した翌月、市が後援申請・実績報告の様式を変更

まで。

【確認実績】にはしない。

ここを結び付けるには、市側の改正起案や議会答弁、改正理由などの追加資料が必要だ。


子育て議員から「行政の信用」を問う議員へ?

質問履歴を時系列で見ると、任期後半の変化も見えてくる。

初期は、

就学援助。

不適切保育。

未就園児。

医療的ケア児。

児童虐待。

と、かなり明確な子育て・福祉中心だった。

ところが2024年末以降、

新アリーナ。

市職員倫理。

公共施設。

市の後援制度。

など、行政全体へテーマが広がっている。 

軸を捨てたわけではない。

2025~26年にも不登校、肢体不自由児、学力、学用品、宿泊行事などを質問している。

だから現在の諸井氏は、

「子育て・教育を主軸にしながら、市政全般の制度・意思決定へ対象を広げている1期目」

と分析するのが近い。


政務活動費105万3,269円 ほぼ全額を支出

ここから「お金の使い方」を見る。

豊橋市議会の令和7年度政務活動費収支報告書によると、諸井氏は、

交付額 1,080,000円

支出額 1,053,269円

残額 26,731円

だった。 

交付額に対する支出率は約97.5%

年間108万円のほぼ全額を政務活動に充てたことになる。

ただし、これだけで「良い」「悪い」は判断しない。

重要なのは中身だ。


約71%が「広報費」

費目別に見ると、かなり特徴が出る。

費目支出額構成比
広報費749,474円約71.2%
調査研究費144,580円約13.7%
資料購入費87,142円約8.3%
資料作成費60,539円約5.7%
研修費10,154円約1.0%
広聴費1,380円約0.1%
要請・陳情活動費0円0%
会議費0円0%
人件費0円0%
事務所費0円0%
合計1,053,269円100%

市議会公式収支内訳書による数字だ。 

最大の特徴は明らか。

支出の7割以上が広報費。

諸井氏は令和7年度、政務活動費をかなり**「市民へ伝えること」へ重点配分**していた。


広報費74万9,474円の中身

収支一覧を見ると、

市政報告チラシ。

印刷。

ポスティング。

施設利用。

プロジェクターなどの広報機材。

サーバー関連費用。

などが確認できる。 

特に大きいのが市政報告の印刷・配布だ。

2025年10月7日には、

市政報告チラシ印刷・ポスティング 13万5,520円。

2026年3月26日には、

市政報告チラシ印刷・ポスティング 39万2,260円。

この2件だけで52万7,780円

年間広報費74万9,474円のおよそ7割を占める。

本人の公式サイトでも2025年10月、市政報告会を複数回開催し、チラシを市内約1万部ポスティングする予定だったと説明している。 


「広報費が多い=問題」ではない

政務活動費を広報に使うこと自体は、制度上認められた議員活動の一つだ。

議員が、

議会で何を質問したのか。

重要案件でどう判断したのか。

市側からどんな答弁があったのか。

を市民へ説明することにも意味がある。

したがって、

74万円も広報に使った=問題

という評価はしない。

一方で、

広報した=実績

でもない。

評価するなら、

どんな情報を載せたのか。

どの程度の市民へ届いたのか。

重要案件への自分の立場と理由を十分説明したのか。

議会質問の「その後」まで伝えたのか。

まで見る必要がある。


調査研究費14万4,580円

2番目に多いのが、

調査研究費14万4,580円。

全体の約13.7%だ。 

公開された一覧では、

携帯電話利用料の50%按分。

議会・政務活動関連サービスの90%按分。

政治塾の利用費。

書籍。

などが確認できる。 

たとえば2025年5月には、

こくみん政治塾3万円+システム利用料1,500円

として3万1,500円を調査研究費に計上している。 

毎月の通信費などについては全額ではなく、50%や90%に按分している支出も複数確認できる。


資料購入費8万7,142円、資料作成費6万539円

資料購入費は8万7,142円

新聞購読や書籍などが中心だ。 

資料作成費は6万539円

文具、コピー、トナーカートリッジなどが確認できる。 

研修費は1万154円

広聴費は1,380円

人件費・事務所費は0円だった。 


政務活動費から見る「諸井型」

数字だけを見れば、諸井氏はかなり分かりやすい。

広報費:約71%

調査研究:約14%

資料購入:約8%

という構成だ。

週刊TAKAPIのこれまでの分類なら、

「広報重視+情報収集型」

が近い。

同じ会派「新しい豊橋」の菅谷竜市議も令和7年度は広報費の割合が約7割だった。

ただし一般質問の軸は違う。

菅谷氏が新アリーナや長坂市政など幅広い市政課題を追うのに対し、諸井氏は子育て・教育を中心に据えたうえで市政全体へ対象を広げている

支出構成が似ていても、質問内容まで同じではない。


では、諸井菜々子市議の「実績」は?

ここまでで「活動」はかなり見えた。

では「結果」はどうなのか。

本連載の基準で整理する。

【関連成果】医療的ケア児在宅レスパイト事業

2024年3月、諸井氏は医療的ケア児と家族支援を質問。

令和7年度、市は医療的ケア児在宅レスパイト事業を新規導入した。 

テーマと政策の連続性は明確。

ただし、諸井氏個人との直接的な因果関係までは公的資料で確認できない。

したがって【関連成果】。


【確認できる政治行動】新アリーナ住民投票条例案

2025年5月、新しい豊橋は新アリーナ継続の賛否を問う住民投票条例案を提出。

諸井氏は提案側として議会答弁に立ち、住民投票結果に従う考えを明確にした。 

これは個人の政策「実現」とは違うが、明確に記録された政治行動である。


【確認できる議会活動上の成果】宿泊行事の運用を明確化

2026年6月の一般質問では、特別な配慮が必要な児童生徒の宿泊行事について、市側から、

保護者同行を求める場合。

同行できない場合の調整。

条件によって公費負担となる場合。

など、具体的な運用を公開答弁として引き出した。 

制度変更ではないため【確認実績】とは分ける。


【関連動向】後援申請様式の変更

2026年6月、諸井氏が市の後援申請制度を質問。

7月1日、市は後援申請書・事業実績報告書の様式を変更した。 

時系列上は接近している。

しかし、質問が改正の直接原因だったことは確認できない。

したがって**【関連動向】**にとどめる。


【確認実績】は現時点でどう評価する?

今回、2023年の初当選後から2026年8月まで、市議会の一般質問記録、市の予算資料、新アリーナ関係会議録、後援制度、政務活動費などを横断して調べた。

その結果、

「諸井氏の提案・質問を直接の契機として、市が制度を変更した」

と公的資料で明確に確認できる政策は、今回調査した範囲では特定できなかった。

したがって、

【確認実績】

現時点では直接因果を確認できる政策実現は特定できず

とする。

これは「実績がない」と断定しているわけではない。

公開資料から個人との因果関係を証明できなかったという意味だ。


1期目だからこそ「関連成果」から先が重要

諸井氏はまだ1期目。

4期、5期のベテラン議員と、政策成果の蓄積を同じ量で比較することはできない。

一方、1期目だから質問していれば十分、とも言えない。

医療的ケア児。

不登校。

社会的養護。

就学援助。

不適切保育。

子育てと仕事。

学校生活。

これだけ継続的にテーマを扱っているからこそ、次に問われるのは、

質問後にどう追ったか。

だ。

一度答弁を得て終わったのか。

翌年度の予算を確認したのか。

制度ができた後の利用実績まで検証したのか。

当事者に届いているのか。

改善点を再び議会へ持ち込んだのか。

そこまで進めば、「質問する子育て議員」から「政策を動かす議員」という評価へ変わっていく。


「子育て支援」は看板だけだったのか?

ここについては、公開資料からかなり明確に答えられる。

看板だけではない。

初当選直後から現在まで、

就学援助。

不適切保育。

子どもの入院。

未就園児。

医療的ケア児。

児童虐待。

仕事と子育て。

学ぶ機会。

社会的養護。

不登校。

肢体不自由児。

のびるんdeスクール。

学力。

学用品。

宿泊行事。

と、子ども・家庭・教育分野を何度も一般質問している。 

少なくとも、

「子育て支援を掲げながら議会ではほとんど扱っていない」

という議員ではない。

ここは公開記録から評価できる。


一方、1期目後半で役割は広がっている

現在は会派「新しい豊橋」の副代表。

総務委員会。

新アリーナ調査特別委員会にも所属する。 

一般質問も、

子育て・教育だけではなく、

新アリーナ。

市職員倫理。

公共施設。

市の後援制度。

へ広がった。 

つまり今後は、子育て専門テーマだけではなく、

「市政全体でどう判断したか」

も評価対象になってくる。


諸井菜々子市議は何をしてきた?

公開資料から浮かぶ諸井氏は、

「子育て・教育を軸に、市政全般へ守備範囲を広げる1期目」

という姿だ。

子育て支援を掲げて当選し、本会議でもその分野を継続。

医療的ケア児支援では、その後、市に関連する新規レスパイト事業が誕生した。

新アリーナでは住民投票条例案の提案側として議論に加わり、投票結果を尊重する立場を明確化。

直近では市の「後援」のあり方まで質問した。

そして令和7年度の政務活動費は、

105万3,269円を支出。

その約71%、

74万9,474円を広報費

へ振り向けた。 

活動内容も、情報発信への重点も見えてきた。


次に問われるのは「政策をどこまで動かしたか」

一方で、最も重要な「実績」の評価はこれからだ。

医療的ケア児レスパイト事業が始まった。

しかし個人との直接因果は確認できない。

後援制度の様式が変わった。

しかし質問との因果は確認できない。

宿泊行事について具体的な答弁を得た。

しかし制度変更ではない。

だから現時点で、

「諸井菜々子市議が実現した政策」

として断定できる材料は限定的だ。

ここを無理に盛る必要はない。

むしろ、

質問したこと。

関連して市政が動いたこと。

本人が直接動かしたと確認できること。

を分けることで、議員の仕事はより正確に見える。


編集部まとめ

諸井菜々子市議。

1期目。

現在は「新しい豊橋」副代表。

掲げるのは、

「子育て支援の拡充で 子育て世帯に選ばれる街づくり」。

その言葉と一般質問を照らすと、政策テーマの一貫性はかなり高い

初質問の就学援助・不適切保育から始まり、医療的ケア児、不登校、社会的養護、肢体不自由児、学力、学用品、宿泊行事まで、子ども・教育関連を繰り返し扱ってきた。 

一方、1期目後半には、新アリーナや職員倫理、市の後援制度など、市政全体の問題にも対象を広げている。

政務活動費は年間108万円のうち105万3,269円を支出し、約71%を広報費へ投入。市政報告の印刷・ポスティングへの支出が大きい。 

今回の検証結果を整理すると、

子育て・教育政策の継続性――確認できる。

市民への情報発信への重点――確認できる。

新アリーナ住民投票を求めた政治行動――確認できる。

医療的ケア児支援に関連する市の新規事業――確認できる。

しかし、

「諸井氏自身が制度を実現した」と直接確認できる政策成果――現時点では特定できない。

ここが第10回の結論になる。

選挙時に掲げた「子育て支援」は、少なくとも議会質問では継続している。

次に問われるのは、

その質問を、具体的な制度・予算・行政改善へどこまでつなげられるのか。

1期目の残りと、その後の活動を見る上で最も重要な評価軸になるだろう。


編集部注: 本稿は2026年8月17日時点で公開されている豊橋市・豊橋市議会の議員名簿、一般質問映像・通告、会議録、予算資料、政務活動費収支報告書、後援制度に関する資料等を中心に検証した。諸井氏自身のSNS投稿を使用する箇所は本人による問題提起として扱い、市公式資料による事実確認とは区別している。また、特定の市事業・制度変更について議員個人との直接的因果関係を確認できないものは「確認実績」とせず、「関連成果」「関連動向」等として整理した。 

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