【愛知・名古屋土産】坂角総本舖「ゆかり黄金缶」が発売20周年 累計販売1億6861万枚、名古屋城復元への寄附も過去最高

週刊TAKAPI 編集部/黒木

愛知県東海市に本社を置く坂角総本舖は、名古屋地区限定商品「ゆかり黄金缶」が、2026年9月1日に発売20周年を迎えたと発表した。

2006年9月の発売から2026年3月末までの累計販売枚数は、1億6861万2062枚。金色の缶に名古屋らしさを込めた定番土産は、20年間にわたって観光客や帰省客、地元住民に選ばれてきた。

同商品では、1缶購入されるごとに5円を名古屋城の木造復元事業へ寄附している。2026年度の寄附額は455万85円となり、過去最高を記録した。


「名古屋でしか買えない、ゆかりが欲しい」客の声から誕生

「ゆかり黄金缶」が発売されたのは、2006年9月だった。

坂角総本舖は北海道から九州まで、全国の百貨店など約120店舗を展開している。一方で、利用客からは約20年前より「名古屋でしか買えない商品が欲しい」という声が寄せられていたという。

さらに、「名古屋土産として買うなら、ゆかりがいい」という要望も多かったことから、名古屋限定の「ゆかり」として開発されたのが黄金缶だった。

全国で購入できる定番商品を、地域限定のパッケージに入れることで、「名古屋で買う意味」を持たせた形だ。

単に包装の色を変更しただけではない。金のしゃちほこを連想させる黄金色の缶と、名古屋城とのつながりを打ち出すことで、商品の背景まで含めて名古屋土産として定着させた。


累計販売枚数は1億6861万2062枚

坂角総本舖によると、2006年9月1日から2026年3月31日までの累計販売枚数は、1億6861万2062枚に達した。

20年間にわたって販売が続いてきた背景には、「ゆかり」自体の知名度に加え、持ち運びやすさや贈答品としての使いやすさがあるとみられる。

黄金色の缶は売り場でも目立ちやすく、名古屋駅や中部国際空港などで短時間に土産を選ぶ人にとって、「名古屋らしさ」が直感的に伝わるデザインとなっている。

名古屋限定という地域性と、全国的に知られる商品の安心感。この二つを組み合わせたことが、長期販売につながったと考えられる。


「ゆかり」は1枚の約7割に天然海老を使用

「ゆかり」は、1枚の約7割に天然海老を使った坂角総本舖の代表的な海老せんべいだ。

海老の頭と殻を取り除いて身を使い、鉄板で挟み焼きした後、遠赤外線による網焼きを行う「二度焼き製法」で、海老のうま味と香ばしさを引き出している。

同社によると、商品のルーツは江戸時代にさかのぼる。

1666年、尾張徳川家2代藩主の徳川光友が横須賀、現在の愛知県東海市に御殿を建てた際、漁師が浜辺で焼いた「えびはんぺい」を賞し、献上品としたことに由来するという。

1889年に創業した坂角総本舖は、この「えびはんぺい」に工夫を重ね、現在の海老せんべいへと発展させた。2026年には創業137周年を迎えている。


ゆかり黄金缶の値段は?3種類を販売

「ゆかり黄金缶」は、用途に合わせて3種類が販売されています。

10枚入り:918円(税込)

18枚入り:1,620円(税込)

27枚入り:2,656円(税込)

名古屋限定商品ですが、坂角総本舖の公式オンラインショップでも購入できます。価格や取扱状況は変更される可能性があるため、購入前に店舗や公式サイトで確認してください。


1缶につき5円を名古屋城木造復元へ寄附

坂角総本舖は2008年から、「ゆかり黄金缶」が1缶購入されるごとに5円(ご縁)を名古屋城の復元事業へ寄附している。

当初は名古屋城本丸御殿の復元を支援。本丸御殿の完成公開後は、天守閣の木造復元に向けた「金シャチ募金」へ寄附先を移し、支援を継続している。

同社が発表した寄附実績は次の通り。

  • 2026年度寄附額:455万85円
  • 2008年から2026年までの累計寄附額:5895万7380円

2026年度の寄附額は450万円を超え、過去最高となった。

購入者にとっては通常の買い物だが、その一部が地域の文化財や観光資源を支える仕組みになっている。長期間販売される商品だからこそ、少額の寄附でも積み重なれば大きな金額になることを示している。


名古屋駅新幹線ホームには黄金色の自動販売機

坂角総本舖は2026年5月26日、名古屋駅の東海道新幹線下りホーム、6号車付近に「ゆかり黄金缶」の専用自動販売機を設置した。

自動販売機も商品に合わせた黄金色で、売店に立ち寄る時間がない利用者や、店舗の営業時間終了後に土産を購入したい人にも対応する。

土産物は駅構内の売店で購入する形が一般的だが、新幹線ホームへの専用自動販売機設置は、購入機会を増やす取り組みといえる。

「買える場所」を増やすだけでなく、黄金色の自動販売機そのものが目を引く広告塔にもなっている。


【編集部考察】20年間売れ続けた理由は「名古屋らしさ」の明確さか

「ゆかり黄金缶」が20年間にわたって支持されてきた理由の一つは、商品を見ただけで名古屋土産だと伝わる分かりやすさにある。

旅行者が土産を選ぶ時間は必ずしも長くない。特に駅や空港では、限られた時間の中で、知名度、価格、内容量、地域性を判断する必要がある。

その点、黄金缶は全国的に知られる「ゆかり」の品質を土台にしながら、金のしゃちほこや名古屋城を連想させる色彩で地域性を補っている。

さらに、売上の一部を名古屋城復元へ寄附する仕組みは、パッケージだけにとどまらず、実際に地域との関係を築くものだ。

一方、名古屋土産市場では新商品が相次いで登場し、SNSでの話題性や見た目の新しさを競う傾向も強まっている。発売20周年は到達点であると同時に、定番商品が次の世代にも選ばれ続けるための節目でもある。

累計販売枚数だけでなく、購入者層や販売場所が今後どのように変化していくのかも注目される。


Q通常の「ゆかり」と黄金缶は何が違う?
A黄金缶は、代表商品「ゆかり」を黄金色の名古屋限定パッケージに収めた商品です。名古屋城との関係を意識したデザインが特徴です。
Q県外からでも購入できる?
A名古屋限定商品として展開されていますが、坂角総本舖の公式オンラインショップでも購入できます。配送条件や在庫状況は公式サイトで確認してください。
Q自動販売機はどこにある?
A名古屋駅の東海道新幹線下りホーム、6号車付近に設置されています。利用状況などにより、設置場所や取扱商品が変更される可能性があります。
Q黄金缶を買うと、購入者が別に寄附金を支払う?
A購入者が商品代金とは別に寄附金を支払う仕組みではありません。坂角総本舖が、販売された黄金缶1缶につき5円を名古屋城木造復元へ寄附しています。

※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

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