【中日】ド軍の“マイナー168発”ウォード獲得へ サノー残留、2027年DHで「長打の竜」へ逆襲の布石

中日ドラゴンズがドジャースからライアン・ウォード獲得へ動き、サノー残留と2027年DH制を見据えた打線強化を伝える報道画像

6年連続Bクラスが決まった中日ドラゴンズが、シーズン終了を待たずに2027年への反撃へ動いた。

ドジャースは22日(日本時間23日)、今月DFAとなっていたライアン・ウォード(28)の中日移籍を発表。中日の朝田憲祐球団本部長も23日、譲渡契約が済み、本人との契約が進んでいることを明らかにした。現時点では正式契約の詳細発表前だが、来季加入へ大筋合意している。

マイナー通算168本塁打。2025年は3Aで36本塁打、122打点を記録し、リーグMVPに輝いた左の長距離砲だ。さらに中日はミゲル・サノーの来季残留にもめどをつけている。

そして2027年、セ・リーグにもDH制が導入される。

今までなら「誰を一塁で使うのか」が先に来た外国人野手編成が、「誰をどう並べれば最も怖い打線になるか」へ変わる可能性がある。

ドジャースで出番を待った28歳 マイナー通算168発

ウォードは2019年ドラフト8巡目でドジャース入りした左打者。本職は一塁で、外野の両翼にも対応できる。

昨季は3Aで36本塁打、122打点。2冠とMVPを獲得し、今季ようやくメジャーへ昇格した。20試合で3本塁打を記録したものの、選手層の厚いドジャースでは出場機会が限られ、9月にDFAとなった。

メジャーで長期間実績を残した選手ではない。

一方で、28歳という年齢で、マイナーでは168本塁打を積み上げてきた。完成されたベテランを獲得するというより、「日本でまだ伸びる余地を残した長距離砲」に賭ける補強と見る方が近い。

中日が欲しかったのは、まさにこういう打者だ。

プレミア12では公式記録「5本塁打」 日本でも強打を見せた

ウォードの名前に覚えがある野球ファンもいる。

2024年のプレミア12では米国代表として来日。WBSCの公式大会資料では大会最多の5本塁打を記録し、指名打者部門の「All-World Team」にも選出されている。

一部の成績表では集計時点の違いから「4本」と表示される資料もあるが、WBSCが大会後にまとめた公式個人賞ではウォードを「5 HR」の本塁打トップとして記録している。

日本代表とのスーパーラウンドにも出場しており、中日の高橋宏斗が先発した試合で対戦経験がある。

国際大会とはいえ、日本の投手、球場、環境をまったく知らない外国人ではない。その点も、中日にとっては判断材料の1つになり得る。

サノーは91試合22発 最新公式成績では50打点

そして、ウォード加入だけで来季の中日打線を語ることはできない。

サノーは来季残留へ大筋合意している。

NPB公式記録の9月22日終了時点では、今季91試合に出場し、打率.223、22本塁打、50打点。長打率は.466となっている。

9月中旬の記事には「88試合、打率.221、22本塁打、48打点」とする数字も残っているが、その後の試合を反映したNPB公式の最新値は91試合、打率.223、22本塁打、50打点だ。

そこにウォードが加わる。

さらに細川成也という日本人の長距離打者がいる。

つまり来季の中日は、少なくとも編成上は「1人の大砲に頼る打線」から、「複数の長距離打者をどう組み合わせるか」を考えられる段階に入る。

2027年DH導入 ウォード獲得の意味はここで大きくなる

セ・リーグは2027年シーズンからDH制を正式導入する。

NPBは2026年を準備期間と位置付けており、今季が投手も打席に立つ従来方式の最後のシーズンとなる。

この制度変更は、中日の今回の補強と非常に相性がいい。

サノーは一塁、ウォードは一塁と両翼。そこへDH枠が加わるため、2人を単純に「一塁の外国人同士」として競わせる必要はない。

守備位置やコンディション次第では、

  • サノーを一塁、ウォードをDH
  • ウォードを外野、サノーをDH
  • 細川をDHに回し、ウォードを外野

といった組み替えが可能になる。

重要なのは具体的な打順を今から決めることではない。

長打力を持つ複数の選手を、DHを使って同じ打線に残せる。

これが2027年の中日編成にとって大きい。

「守り勝つ竜」だけでは終わらない補強になるか

中日は6年連続Bクラスが確定した。

近年、何度も課題として突きつけられてきたのが得点力だ。

だからこそ、シーズン中の9月に来季を見据えてマイナー168発の打者を確保し、22本塁打のサノーも残す方向で動いていることには意味がある。

もちろん、ウォードがNPBでも同じように本塁打を量産できる保証はない。

メジャーでの実績は20試合、3本塁打。日本特有の配球や変化球、左投手への対応など、越えなければならない壁もある。

それでも今までと違うのは、球団が「当たるかどうかを待つ1枚」ではなく、複数の長距離候補を同時に抱えようとしていることだ。

ウォードが機能し、サノーが残り、細川が中軸に座る。

そこへDHが加わる。

まだ「逆襲の布陣が完成した」と言う段階ではない。

ただ、逆襲するための材料は、明らかに増え始めた。

名古屋に来る“ド軍の大砲” 中日は本当に変わるのか

ウォードは、ドジャースで出番を失っただけの選手なのか。

それとも、日本で一気に才能を開花させる28歳なのか。

答えが出るのは来季だ。

だが、6年連続Bクラスの球団が、シーズン終了前からマイナー168本塁打の左打者を確保し、サノーの残留にも動き、2027年のDH導入まで見据えている。

少なくとも、今年と同じ形のまま来季へ入るつもりではない。

ドジャースから名古屋へ。

ウォード獲得が成功か失敗かを判断するのはまだ早い。

それでも、中日の逆襲はもう始まっている。

グラウンドではなく、まず編成からだ。

編集部まとめ

中日は、ドジャースからDFAとなったライアン・ウォードの獲得へ大筋合意した。マイナー通算168本塁打、2025年3Aで36本塁打、122打点を記録した28歳の左打者だ。

サノーは9月22日終了時点で91試合、打率.223、22本塁打、50打点。来季残留へ大筋合意している。

2027年にはセ・リーグでDH制が始まる。ウォード、サノー、細川ら長打力のある打者をどう組み合わせるかという、これまでとは違う選択肢が生まれる。

まだ来季の布陣が完成したわけではない。ただ、得点力不足に苦しんできた中日が、長打を増やす方向へ明確に動き始めたことは確かだ。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

この記事は2026年9月23日までに確認された球団関係者の発言、NPB、WBSCの公式記録などを照合して構成しています。

サノーの今季成績は、NPBが9月22日終了時点で公表している91試合、打率.223、22本塁打、50打点を使用しています。

2024年プレミア12のウォードの本塁打数については、WBSCの大会後公式資料で「5本塁打」と記録され、最多本塁打の個人賞対象となっています。

ウォードは中日との来季契約が大筋合意の段階で、正式な契約条件や来季の守備位置、打順は公表されていません。サノーについても残留へ大筋合意とされており、記事中の起用方法は2027年のDH制度と各選手の守備位置を踏まえた構成例です。

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