愛知県蒲郡市で特殊詐欺被害が深刻化しています。
蒲郡市は10月11日、2026年の市内の特殊詐欺被害について、「既に、一昨年の過去最多件数を上回り、非常に深刻な状況」と公表しました。
2026年から見た「一昨年」は2024年です。つまり市は、年の途中で2024年の年間過去最多件数をすでに上回ったとして、市民へ警戒を呼びかけています。
蒲郡警察署が公表している2026年上半期の被害状況では、6月末までに14件、被害総額約1億5720万円。中でも「ニセ警察詐欺」は5件、被害額約9404万円に上り、上半期の被害総額の約6割を占めています。
ただし、市が10月11日に更新した公式情報では、2026年の最新の被害件数と被害総額は示されていません。
また、2026年から特殊詐欺の統計分類が変更されています。2024年との数字を厳密に比較するには、この集計条件の違いにも注意が必要です。
上半期だけで14件、約1億5720万円
蒲郡警察署によると、2026年6月末までに市内で確認された特殊詐欺被害は14件。
被害総額は約1億5720万円に達しました。
単純平均では1件あたり1000万円を超える規模ですが、実際の被害額は事案ごとに異なるため、この平均値だけで個別被害を判断することはできません。
それでも、人口規模を考えれば地域への影響は小さくありません。
特に被害額を押し上げているのが、警察官を装って現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」です。
ニセ警察詐欺5件で約9404万円 被害額の約6割
上半期に蒲郡市内で確認されたニセ警察詐欺は5件。
被害総額は約9404万円でした。
件数では14件中5件ですが、金額では上半期の特殊詐欺被害総額の約6割を占めます。
ニセ警察詐欺では、警察官を装った人物が、
「あなたの口座が犯罪に使われている」
「あなたも共犯として捜査されている」
などと不安をあおり、SNSやビデオ通話へ誘導する手口があります。
さらに、偽の警察手帳や逮捕状を見せ、
「無罪を証明するために資金を確認する」
などとして送金を要求するケースも確認されています。
愛知県警は、本物の警察がSNSで捜査の連絡をしたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったり、金銭を要求したりすることはないとして注意を呼びかけています。
蒲郡では40代男性も被害 「若いから大丈夫」ではない
特殊詐欺は高齢者だけを狙う犯罪ではありません。
蒲郡署では2026年1月、40代男性がニセ警察詐欺の被害に遭った事案も公表されています。
男性は警察官を名乗る人物から電話を受け、「共犯の疑いがある」などと言われた後、LINEのビデオ通話へ誘導されました。
その後、「金の証跡を調べる必要がある」などとして指定口座への送金を求められ、現金をだまし取られたとされています。
蒲郡市も今回の注意喚起で、SNSを利用するニセ警察詐欺について、高齢者だけでなく若い世代にも被害が拡大しているとしています。
年齢に関係なく注意が必要です。
「警察からLINEでビデオ通話」は詐欺を疑う
蒲郡市は、市民向けの注意喚起で、警察を名乗る人物からLINEなどを使ったビデオ通話へ誘導された場合、詐欺を疑うよう求めています。
重要なのは、電話画面に警察署の番号らしき表示が出た場合や、相手が自分の氏名・住所を知っていた場合でも、そのまま信用しないことです。
警察官を名乗る人物から金銭や口座情報を求められた場合は、一度通話を切り、相手から教えられた番号ではなく、自分で調べた警察署の代表番号へかけ直す必要があります。
蒲郡警察署の代表番号は、
0533-68-0110
です。
緊急の場合は110番を利用します。
2026年から「特殊詐欺」の統計分類が変更
今回、2024年と2026年を比較するうえで重要な注意点があります。
警察庁は2026年から特殊詐欺の分類を変更しました。
新たに、
ニセ警察詐欺を独立した手口として位置付け
するとともに、
SNS型投資詐欺
SNS型ロマンス詐欺
も特殊詐欺の一手口として組み込みました。
一方、2025年以前の統計については従来の分類が使われています。
したがって、市が「2024年の過去最多件数を上回った」と公表した事実は重要ですが、2024年と2026年の数字を単純に並べて増加率などを計算するには注意が必要です。
最新件数は未公表 「何件上回ったか」は分からず
ここも明確にしておく必要があります。
蒲郡署が公表している、
14件・約1億5720万円
は6月末時点の上半期データです。
一方、蒲郡市が10月11日に公表したのは、
2026年の被害件数が一昨年の過去最多件数をすでに上回った
という情報です。
市の10月11日公表ページには、
2024年の年間確定件数。
2026年10月時点の最新件数。
現在の被害総額。
は掲載されていません。
したがって、現時点では**「過去最多を何件上回ったのか」まで断定することはできません。**
ここは今後確認すべき重要な数字です。
固定電話だけでなくスマホ対策も
蒲郡市は、固定電話だけでなく携帯電話にも対策を取るよう呼びかけています。
固定電話については、
国際電話の利用休止。
被害防止機能付き電話機の利用。
在宅時も留守番電話に設定。
などを推奨しています。
携帯電話については、通信事業者の迷惑電話防止サービスや詐欺対策アプリなどを活用するよう求めています。
近年のニセ警察詐欺はスマートフォンからSNSへ誘導するケースも多く、「固定電話に出なければ防げる」という段階ではなくなっています。
10月20日まで「秋の安全なまちづくり市民運動」
蒲郡市は10月11日から20日まで、「秋の安全なまちづくり市民運動」を実施しています。
重点項目は、
特殊詐欺の被害防止。
地域防犯力の強化。
犯罪に加担させないための対策。
侵入盗・自動車盗の被害防止。
の4項目です。
特殊詐欺が最初の重点項目として位置付けられています。
今回の市の発表を踏まえれば、特殊詐欺対策は高齢者世帯だけではなく、スマートフォンやSNSを利用する幅広い世代へ周知する必要があります。
蒲郡だけの問題ではない 東三河全体で警戒を
ニセ警察詐欺やSNS型投資詐欺は、地域内を巡回する犯罪とは性質が異なります。
犯人は電話やSNSを使い、離れた場所から被害者へ接触できます。
そのため、蒲郡市で被害が急増しているからといって、豊橋市、豊川市、新城市、田原市など東三河の他地域が安全ということではありません。
「自分は若いから大丈夫」
「自分は詐欺に詳しいから大丈夫」
と判断せず、警察や金融機関を名乗る人物から金銭の要求を受けた時点で一度連絡を切り、第三者へ相談することが重要です。
編集部まとめ
蒲郡市は10月11日、2026年の市内の特殊詐欺被害件数が、2024年の年間過去最多件数をすでに上回ったと公表しました。
蒲郡署が公表している上半期の被害は14件、約1億5720万円。
そのうちニセ警察詐欺だけで5件、約9404万円に達しています。
特に重要なのは、ニセ警察詐欺が高齢者だけではなく、スマートフォンやSNSを使う若い世代にも広がっていることです。
一方、2026年からは特殊詐欺の統計分類が変更されているため、2024年との数字を厳密に比較する場合は集計条件の確認が必要です。
また、市は2026年の最新件数と現在の被害総額を公表ページでは示していません。
過去最多を何件上回ったのか。
被害総額は現在いくらまで増えているのか。
この2点が、今後の重要な確認事項です。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
蒲郡市は2026年10月11日、市内の特殊詐欺被害件数について「一昨年の過去最多件数を上回った」と公表しています。
蒲郡警察署が公表している14件・約1億5720万円は2026年6月末時点の上半期統計で、10月11日時点の最新値ではありません。
また、2026年から特殊詐欺の統計分類が変更され、SNS型投資詐欺・SNS型ロマンス詐欺が特殊詐欺に組み込まれ、ニセ警察詐欺も独立した手口として整理されています。
そのため、2024年と2026年の単純比較には注意が必要です。
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