名古屋発祥の喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」から生まれたドリンクスタンド「ジェリコ堂」の国内1号店、「ジェリコ堂 栄オアシス21店」(名古屋市東区)が2026年10月31日(土)をもって閉店する。
同店は2025年4月3日にオープンしたばかり。営業期間は約1年7カ月となり、愛知県内で唯一のジェリコ堂が姿を消すことになる。
全国的な知名度を持つコメダの新業態でありながら、なぜ発祥の地・愛知県では1店舗しか展開されなかったのか。そして、なぜ国内1号店が2年を待たずに営業を終了するのか。
一方で、ジェリコ堂は東京都や三重県にも出店しており、今回の閉店がブランドそのものの終了を意味するわけではない。
週刊TAKAPIでは、公開情報をもとに閉店の経緯や店舗展開を整理するとともに、立地条件、飲食業界の競争、新業態の事業戦略という観点から考察する。
コメダ「ジェリコ堂 栄オアシス21店」が10月31日に閉店
名古屋市の商業施設「オアシス21」は、公式サイトでジェリコ堂 栄オアシス21店の営業終了を案内している。
閉店日は2026年10月31日(土)。
ジェリコ堂は、コメダ珈琲店で人気のデザートドリンク「ジェリコ」を専門に扱う新業態として注目を集めた。
国内1号店として名古屋・栄に出店したが、約1年7カ月で営業を終えることになる。
ジェリコ堂 栄オアシス21店の店舗概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗名 | ジェリコ堂 栄オアシス21店 |
| 所在地 | 愛知県名古屋市東区東桜1丁目11-1 |
| 施設 | オアシス21 地下1階 |
| 開業日 | 2025年4月3日 |
| 閉店予定日 | 2026年10月31日(土) |
| 営業期間 | 約1年7カ月 |
| 通常営業時間 | 10:00~22:00 |
なお、最終日の営業時間は通常と異なる可能性があるため、来店前には施設の最新案内を確認したい。
愛知県で唯一のジェリコ堂が閉店 全国には何店舗ある?
ジェリコ堂は、一般的なコメダ珈琲店とは異なるスタンド型の専門店だ。
通常のコメダ珈琲店が店内でくつろぐ喫茶文化を中心としているのに対し、ジェリコ堂はカスタマイズしたドリンクを気軽に楽しめる業態として展開されている。
2026年10月時点で、国内には次の3店舗が確認されている。
| 都道府県 | 店舗名 | 状況 |
|---|---|---|
| 愛知県 | 栄オアシス21店 | 10月31日閉店予定 |
| 三重県 | 御在所サービスエリア(下り線)店 | 営業継続 |
| 東京都 | サンシャインシティアルパ店 | 営業継続 |
今回の閉店により、確認されている国内店舗は2店舗となる見通しだ。
つまり、コメダの本拠地ともいえる愛知県から、ジェリコ堂という専門業態がいったん姿を消すことになる。
ただし、愛知県内からの店舗撤退と、ジェリコ堂というブランド自体の事業終了は別の問題である。
なぜコメダの地元・愛知県でジェリコ堂は1店舗しかなかったのか?
【編集部の考察①】全国展開を急がず、新業態の需要を見極めていた可能性
ジェリコ堂は、2024年に香港で誕生し、2025年4月に国内1号店を名古屋に開業した比較的新しいブランドだ。
コメダ珈琲店のように全国各地へ多数の店舗を展開するのではなく、国内では少数の店舗で営業してきた。
ここから考えられるのは、新業態として消費者の反応や商品需要を慎重に見極めていた可能性だ。
飲食業界では、新しい業態を立ち上げる際、まず少数店舗で客単価、商品構成、販売数、運営効率などを検証するケースがある。
ジェリコ堂も、既存のコメダ珈琲店とは異なる商品や店舗運営を採用している。
そのため、全国展開に向けた事業性を確認する段階だった可能性は考えられる。
ただし、コメダが栄オアシス21店を実証店舗として位置づけていたかどうかは確認できていない。
【編集部の考察②】コメダ珈琲店の強みが、そのまま専門店に通用するとは限らない
コメダ珈琲店の大きな特徴は、落ち着いた店内でゆっくり過ごせることにある。
モーニングサービスや食事、喫茶メニューなど、利用目的も幅広い。
一方、ジェリコ堂はドリンクを中心としたスタンド型店舗であり、従来のコメダとは利用方法が異なる。
ドリンク専門店の場合、商品の魅力だけでなく、価格、購入の手軽さ、季節による需要の変化、周辺店舗との差別化などが重要になる。
「コメダだから利用する」というブランドへの支持と、「ジェリコ堂の商品を繰り返し購入する」という需要は必ずしも一致しない。
コメダが培ってきた喫茶店としてのブランド力を、新しい業態でどこまで生かせるのか。
この点は、ジェリコ堂の今後の展開を考えるうえでも重要なテーマといえる。
なお、栄オアシス21店の売上や来店客数は確認できておらず、集客不足が閉店理由だったと断定することはできない。
【編集部の考察③】栄の好立地でも、ドリンク専門店の経営は簡単ではない?
オアシス21は、名古屋市中心部の栄エリアに位置する商業・観光施設だ。
地下鉄栄駅などからアクセスしやすく、買い物客や観光客が行き交う場所として知られている。
一般的に、人通りの多い商業施設は飲食店にとって魅力的な出店先と考えられる。
しかし、来館者数の多さが、そのまま店舗の収益性につながるわけではない。
特にドリンクを中心とした専門店では、販売数量、客単価、原材料費、人件費、施設の賃料などが収益に影響する。
また、飲料商品の需要は季節や時間帯によって変化することも考えられる。
編集部は、ジェリコ堂のような専門業態では、商品の話題性だけでなく、継続的に購入する顧客をどれだけ確保できるかが重要になるとみている。
もっとも、同店の経営状況や採算性は公表資料から確認できていない。
今回の閉店が収益面の問題によるものだったかどうかは不明だ。
ジェリコ堂だけではない?オアシス21で複数店舗が営業終了
今回の閉店を考えるうえで、もう一つ注目したい事情がある。
オアシス21では、ジェリコ堂以外にも複数の店舗が2026年10月末などに営業を終了する予定となっている。
施設の公式案内では、「とんかつ新宿さぼてん」や「デリカキッチン」などについても営業終了が発表されている。
このため、ジェリコ堂単独の経営事情だけではなく、施設全体のテナント構成や契約条件などが関係している可能性も考えられる。
【編集部の考察④】施設側のテナント入れ替えが関係している可能性も
商業施設では、契約期間の満了や施設の運営方針、店舗構成の見直しなどによってテナントが入れ替わることがある。
仮に今回の閉店が施設側の事情と関係しているのであれば、ジェリコ堂という業態そのものの経営判断とは切り離して考える必要がある。
ただし、オアシス21で複数店舗の閉店が重なっていることだけを理由に、施設全体の改装や一斉退店が決まっていると判断することはできない。
閉店理由を正確に把握するには、コメダ側だけでなく、施設運営側への確認も必要だ。
ジェリコ堂の閉店は新業態の失敗なのか?東京・三重の店舗は継続
国内1号店が短期間で閉店するという事実は、事業展開を考えるうえで注目される。
しかし、今回の閉店をもってジェリコ堂という新業態が失敗したと結論づけることは適切ではない。
ジェリコ堂は東京都と三重県でも店舗を展開しており、確認されている両店舗は営業を継続している。
また、栄オアシス21店の閉店理由が明らかになっていない以上、店舗の売上不振、ブランド戦略の変更、施設側の事情など、どの要因が関係しているのか判断できない。
【編集部の考察⑤】今後は出店場所の選び方が重要になる?
現在の国内店舗を見ると、ジェリコ堂は異なる特徴を持つ場所に出店している。
名古屋の栄オアシス21店は都市型商業施設、三重県の御在所サービスエリア店は高速道路の休憩施設、東京都のサンシャインシティアルパ店は大型複合施設内という違いがある。
それぞれ想定される客層や利用目的は異なる。
高速道路のサービスエリアでは移動途中の利用客、都市部の商業施設では買い物客や周辺で働く人などが主な顧客になり得る。
こうした立地の違いによって、販売状況や商品需要にも差が生まれる可能性がある。
今後、コメダがジェリコ堂をどのような場所に出店していくのかは、新業態の方向性を見極める材料となりそうだ。
愛知県内への再出店はある?コメダの今後の動向に注目
栄オアシス21店の閉店後、愛知県内でジェリコ堂が営業する店舗はなくなる見通しだ。
ただし、将来的に愛知県内へ再出店する可能性が完全になくなったわけではない。
現時点で、名古屋市内や愛知県内の別の場所に新店舗を開設する具体的な計画は確認できていない。
今後、コメダがジェリコ堂を全国に拡大していくのか、それとも既存店舗を中心に展開するのか。
国内1号店の閉店後の動きが注目される。
まとめ|コメダ発祥の愛知から国内1号店が消える意味
ジェリコ堂 栄オアシス21店は、2026年10月31日に営業を終了する。
国内1号店として開業してから約1年7カ月。愛知県内唯一の店舗が閉店することになる。
今回の閉店には、店舗の経営状況、新業態の事業戦略、商業施設の事情など、複数の要因が関係している可能性がある。
しかし、具体的な閉店理由が確認できていない以上、いずれかを原因と断定することはできない。
名古屋発祥のコメダが、地元で展開してきた新業態の国内1号店を閉じる。
この出来事が単なる店舗入れ替えなのか、それともジェリコ堂の今後の展開を考える転機となるのか。
週刊TAKAPIでは、コメダの新業態戦略と今後の出店動向に注目したい。
栄オアシス21店の営業終了に関する問い合わせ先には、株式会社コメダコマースが案内されている。
ジェリコ堂では、このジェリコを中心に、ホイップクリームやトッピングなどを組み合わせたカスタマイズを楽しめる。
飲み物でありながら、デザートのような満足感を味わえることが特徴だ。
通常のコメダ珈琲店で提供されているジェリコの販売終了を意味するものではない。
ただし、取り扱い商品や提供期間は店舗によって異なる場合がある。
利用を予定している場合は、店舗や公式窓口で使用条件を確認する必要がある。
今後、オアシス21の公式サイトなどで新店舗の案内が発表される可能性がある。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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