交番で「ショウリンジ」と叫んだり、110番にいたずら電話をかけたりする行為が各地で相次いでいる問題で、大阪府警は10月23日、7歳から16歳までの男女43人を検挙・補導したと発表した。
一連の行為はSNS上で「少林寺レーシング」と呼ばれ、警察官を挑発する様子を撮影した動画が拡散している。大阪府内では交番のガラス戸が壊され、中学生1人が逮捕されたほか、交番に爆竹を投げ込む事案も報じられている。
大阪府警によると、9月25日から10月21日までに「ショウリンジ」と告げるなどのいたずら110番通報は約200件に達した。警察は府内の学校にも注意喚起を求めており、SNSの動画をきっかけとする模倣行為の広がりに警戒を強めている。
交番のガラス戸を蹴破った男子中学生 SNS動画を見て模倣か
大阪府警によると、交番に押しかけて大声を出したり、110番通報で「ショウリンジ」と告げたりする行為は、9月中旬ごろから頻発するようになった。
今回の43人のうち、男子中学生1人は交番のガラス戸を蹴って壊したとして、建造物損壊の疑いで逮捕された。
警察の調べに対し、男子中学生はSNSで「少林寺レーシング」の動画を見て、警察官をからかう行為が面白そうだと思ったという趣旨の供述をしている。
大阪府内で確認された迷惑行為には、交番の前で叫んで逃げるものから、実際に施設を損壊するものまで違いがある。今回の43人全員が交番を壊したり、爆竹を使用したりしたわけではなく、個々の行為と警察の対応を分けて考える必要がある。
小学生18人、中学生20人 最年少は7歳
検挙・補導された43人の内訳は、小学生18人、中学生20人、高校生など5人。最年少は7歳だった。
ただし、検挙と補導は同じ意味ではない。刑事事件として捜査対象となった少年と、問題行動への指導や保護を受けた児童生徒を一括して逮捕者のように扱うことは正確ではない。
日本の刑法では14歳未満の行為は刑事罰の対象とならないが、重大な行為については児童相談所などによる対応につながる場合がある。
今回の発表では、年齢別の人数は明らかになったものの、43人それぞれがどの行為に関与し、どのような措置を受けたのかという詳細は確認できていない。
SNSで見た行為を面白そうだと思ったことが事件のきっかけになったとの供述がある一方、関与した少年ら全員が同じ動画を見ていたのか、互いに連絡を取り合っていたのかについても明らかになっていない。
兵庫でも25人を検挙・補導 三重では少年2人が逮捕
類似した行為は大阪府以外でも確認されている。
兵庫県警は10月20日までに、交番で「ショウリンジ」と叫んだり、虚偽の110番通報をしたりしたとして、小学生から18歳までの男女25人を検挙・補導した。
兵庫県内では9月下旬以降、同様のいたずら通報が40件以上あったほか、交番内にジュースをまき散らすなどの迷惑行為も7件確認された。関与した少年らの中には、SNSの投稿をまねたと説明した者や、うまく動画を撮影できず、交番への侵入を繰り返したと話した者もいたという。
三重県津市でも、10月11日夜、警察官が不在だった津新町駅前交番に侵入し、カウンターの上で飛び跳ねるなどした疑いで、18歳の男子高校生と16歳の少年が逮捕された。2人は「ショウリンジ」などと叫んでいたとされ、警察の調べに容疑を認めている。
愛知県警も同様の行為を警戒している。10月22日には名古屋市中川区の荒子小学校で、SNS上の迷惑動画を題材にした特別授業を実施し、動画の模倣が事件につながる危険性を児童に伝えた。
各地で類似した行為が起きているものの、共通する組織や指示役が存在するという情報は確認されていない。
いたずら110番が約200件 緊急通報への影響を懸念
大阪府内で確認されたいたずら110番通報は、約4週間で200件に上る。
110番は事件や事故の発生を警察に知らせ、緊急対応を求めるための通報手段だ。通報を受けた警察は内容を確認する必要があり、いたずらが繰り返されれば、本来の救助や事件対応に支障を及ぼすおそれがある。
ただし、今回の約200件によって実際に緊急出動が遅れた事例があったかどうかは、現時点で確認できていない。
問題は、叫んだ言葉そのものではなく、虚偽の緊急通報や施設への侵入、器物の損壊などの行為にある。SNSでは短い動画として消費される場面でも、現実には警察の業務を妨げ、刑事事件に発展する可能性がある。
大阪府警少年課は悪質な犯罪として厳正に対処する姿勢を示し、いたずら通報をしないよう呼びかけている。
動画の拡散と模倣 警察が問題視する理由
今回の一連の事案では、動画を撮影して公開すること自体が、行為の動機になっていたとみられる例もある。
兵庫県内で、うまく撮影できなかったことを理由に交番への侵入を繰り返したという説明は、その特徴を示している。大阪で逮捕された男子中学生も、SNS上の動画を見たことが行動のきっかけだったと供述している。
一方、動画の投稿者と模倣した少年らにどのような関係があるのか、投稿がどの程度の規模で広がり、個々の行動に影響したのかは分かっていない。
「少林寺レーシング」という呼び名だけが広がり、異なる地域で似た行為が繰り返されている現状について、警察は個別の事件への対応と学校を通じた予防活動を進めている。
編集部まとめ
大阪府警が発表した43人の検挙・補導には、7歳の児童も含まれていた。交番の損壊で男子中学生が逮捕され、いたずら110番通報も約200件確認された。
同様の行為は兵庫や三重でも事件となり、愛知では警察が学校で注意喚起を進めている。
今回の問題では、SNS動画を模倣したという少年らの説明が確認される一方、関与者同士のつながりは明らかになっていない。警察は個々の行為を調べるとともに、模倣による新たな事件の発生を防ぐための対応を続けている。
特記事項
本記事は2026年10月23日の大阪府警による発表と、兵庫県警、三重県警、愛知県警に関する確認済みの報道情報に基づき構成した。少年事件として氏名や学校名などの個人情報は掲載せず、刑事責任が確定していないことに配慮した。
週刊TAKAPI 編集部/一条
WEEKLY TAKAPI — OFFICIAL CONTACT
TAKAPI LEAKS
その情報が、社会を動かす。
情報提供・取材相談・記事の訂正や削除依頼を
全国から受け付けています。
◆ ご連絡内容は慎重に取り扱います
情報提供・各種お問い合わせ ↗記事の訂正・削除依頼もこちらから

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。