埼玉県久喜市は10月27日、市内の公共施設の女子トイレでスマートフォンを使って盗撮したとして書類送検された、環境経済部農業振興課の男性主事(29)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。市は地方公務員法が定める信用失墜行為に該当すると判断し、懲戒処分の中で最も重い免職を選択した。貴志信智市長は職員の不祥事を謝罪し、服務規律の徹底と市民の信頼回復に取り組む考えを示した。
8月4日午後3時50分ごろ、公共施設の女子トイレで盗撮
久喜市の発表によると、男性職員は8月4日午後3時50分ごろ、市内の公共施設にある女子トイレでスマートフォンを使って盗撮したとして、建造物侵入と埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで書類送検された。
市はこの行為を、市政に対する重大な信用失墜行為と認定。地方公務員法第33条に違反すると判断し、同法第29条第1項第1号と第3号に基づいて懲戒免職処分とした。
公表資料では、被害が発生した施設の名称や被害者の人数、事件の発覚経緯は明らかにされていない。勤務時間中の行為だったかどうかも不明だ。また、書類送検された日付や起訴・不起訴の判断についても記載はない。
事件から処分まで約3か月 行政処分と刑事責任は別
事件が発生した8月4日から、10月27日の懲戒免職までには約3か月が経過している。
市は地方公務員法上の信用失墜行為として処分したが、発覚後にどのような調査を行い、いつ処分方針を固めたのかは説明していない。職員が事件後も通常の勤務を続けていたのか、職務から外されていたのかについても確認できない。
懲戒処分は、職員の服務規律違反に対して任命権者が行う行政上の措置であり、刑事裁判で有罪が確定することを必ずしも必要としない。今回、市が盗撮行為を処分理由として認定したことと、刑事司法上の責任が確定したことは区別する必要がある。
事件発生から処分までの期間だけで、市の対応が遅かったとは断定できない。一方、市が重大な信用失墜行為と判断した以上、事実確認や処分決定に至った経緯を、説明可能な範囲で明らかにすることには意味がある。
市民が利用する公共施設での不祥事 安全確保への対応は
今回、問題となった場所は、市民らが利用する公共施設の女子トイレだった。
公共施設は、利用者が安心して訪れることのできる環境でなければならない。盗撮行為が行われたとされる施設で、事件発覚後にどのような安全確認や再発防止策が講じられたのかは、市の公表資料からは分からない。
もっとも、現段階で施設の管理方法に不備があったと判断する根拠はない。職員個人の非違行為と施設の管理責任は分けて検証する必要がある。
貴志市長は処分の公表に際し、職員の不祥事を謝罪したうえで、服務規律を徹底し、市民の信頼回復に努める考えを示した。
懲戒免職によって本人に対する行政上の処分は決定した。しかし、市民の信頼を回復するためには、再発防止をどのような方法で進め、その実効性をどう確認するのかが重要になる。
編集部まとめ
久喜市は、市内の公共施設の女子トイレで盗撮したとして書類送検された29歳の男性職員を、10月27日付で懲戒免職にした。事件は8月4日に発生し、市は重大な信用失墜行為に該当すると判断した。一方、事件の発覚経緯や処分までの勤務状況、施設での再発防止策の詳細は公表されていない。書類送検後の刑事手続も確認できておらず、市の人事上の対応と公共施設の安全対策について、今後の説明が注目される。
特記事項
本記事は2026年10月27日付の久喜市公式発表「職員の懲戒処分について」を基に構成した。市が認定した懲戒処分の理由と刑事手続の状況を区別し、公表されていない施設名や被害者情報については記載していない。
週刊TAKAPI 編集部/松本
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