【愛知・一宮】勤務中に計971時間の過剰休憩、市職員65歳を懲戒免職 給与約145万円返納へ、保育課長ら4人も訓告

愛知県一宮市の記者会見で職員らが頭を下げる場面を背景に、勤務中に計971時間の過剰休憩を取った65歳の会計年度任用職員が懲戒免職となり、給与約145万円の返納と保育課長ら4人への訓告が公表された問題を伝える週刊TAKAPIの報道画像。

愛知県一宮市は10月29日、勤務時間中に公用車で自宅や商業施設などに立ち寄り、休憩を常態的に取っていたとして、子ども家庭部保育課に勤務する会計年度任用職員の男性(65)を懲戒免職とした。男性は市内の保育園を巡回し、文書配送や園庭整備などを担当していたが、2024年4月から2026年10月までに、定められた時間を超えて計971時間の休憩を取得していたという。市の調査に行為を認め、余分に支払われた給与約145万円の返納手続きが進められている。

市は同日、管理監督者である保育課長を含む4人を訓告処分とした。約2年半に及んだ不適切な勤務の実態とともに、庁舎の外で業務に当たる職員の行動を、市がどのように把握していたのかが問われる。

自宅や商業施設に立ち寄り、勤務時間中の休憩が常態化

一宮市の公式発表によると、男性職員は2024年4月以降、公用車を使って自宅や商業施設などに立ち寄り、勤務時間中に休憩を繰り返していた。市は、正当な理由なく勤務を欠いたことを懲戒処分の理由としている。

男性は保育園を巡回する業務に従事しており、文書の配送や園庭の整備などを担当していた。10月29日の報道では、商業施設で食事をするなどしていたことも明らかになっている。

定められた休憩時間を超えた時間は、約2年半で計971時間。男性は市の調査に対し、仕事に対する認識が甘かったという趣旨の説明をし、不適切な休憩を取っていたことを認めたとされる。

ただし、971時間をどのような記録や聞き取りから算定したのか、最初に問題を把握したのがいつだったのかは、市の公式発表では明らかにされていない。期間中の勤務日ごとの休憩時間や、実際に業務を行っていた時間についても詳細は確認できていない。

給与約145万円を返納へ 市は最も重い懲戒処分を選択

市は地方公務員法第29条第1項第1号、第2号、第3号に基づき、男性を10月29日付で懲戒免職とした。職員に対する懲戒処分のうち、免職は公務員としての身分を失わせる最も重い措置となる。

一宮市の職員服務規則第5条では、勤務時間中にみだりに職場を離れないことや、公用外での外出に所属長の承認を得ることなどを定めている。また、市の会計年度任用職員に関する給与制度には、正規の勤務時間中に正当な理由なく勤務しなかった場合、その時間に応じて報酬や給与を減額する規定がある。

今回、市が問題としたのは休憩そのものではなく、認められた時間を超えて休み、勤務すべき時間に職務を行っていなかったことだ。

余分に支払われた給与は約145万円と報じられており、市も勤務実態のない時間に相当する支払済み給与について、返納手続きを進めていると公表した。ただし、返納金額の個別の算定方法や、既に返納された金額については明らかになっていない。

保育課長ら4人を訓告 管理監督者への措置も公表

今回の処分では、男性職員本人だけでなく、管理監督者への措置も取られた。

一宮市の公式発表によると、子ども家庭部保育課長を含む4人が、10月29日付で訓告処分となった。

訓告は、地方公務員法に基づく戒告、減給、停職、免職の懲戒処分とは異なる、人事管理上の注意・指導措置である。今回も男性職員への懲戒免職と同一の処分ではない。

それでも、管理監督者4人に措置が及んだ事実は重要だ。男性が担当していたのは公用車で市内各所を巡回する業務であり、庁舎内での勤務とは異なり、管理職が勤務状況を直接確認できる機会は限られる。

こうした業務では、巡回予定と実績の照合、業務日報の確認、公用車の運行記録の管理などが勤務実態を把握する手段となり得る。

市が実際にどのような方法で勤務を管理していたのか、職員から提出された記録と実際の行動に食い違いがあったのか、管理監督者がどの時点で問題を認識したのかについては、今回の公表資料からは判断できない。

4人がそれぞれどのような監督上の責任を問われたのかも、今後確認すべき事項となる。

約2年半の勤務実態はなぜ把握されなかったのか

一連の問題で問われるのは、職員個人の勤務規律に加え、不適切な休憩が長期間続いた背景である。

巡回業務は、担当職員が一定の裁量を持って移動する場面も考えられる。しかし、それは勤務時間中に自由に休憩を取ることを認めるものではない。業務の実施状況を適切に確認し、勤務時間に応じた給与を支払うことは、行政組織にとって基本的な管理業務となる。

今回の公式発表では、男性の行為がいつ、どのように発覚したのかについて説明されていない。このため、管理体制の欠陥や、上司による見逃しがあったと直ちに断定することはできない。

一方、971時間に上る超過休憩が認定された以上、勤務実績をどのように確認し、給与の支払いに反映していたのかは、再発防止を考えるうえで欠かせない論点だ。

男性の不在によって保育園への文書配送や園庭整備に具体的な支障が生じたかどうかも、現時点では確認できていない。実施予定の作業が適切に完了していたかどうかは、業務記録などを踏まえて検証する必要がある。

市は謝罪と再発防止を表明 求められる具体策

一宮市の子ども家庭部長は29日の発表で、市職員の行為によって市民の信頼を損なったことを謝罪し、再発防止策を講じて信頼回復に取り組む考えを示した。

今回、市は男性を懲戒免職にするとともに、管理監督者4人への訓告と給与返納手続きを公表した。一方、勤務管理の具体的な改善策については、発表資料に詳細な説明がない。

今後は、巡回業務の記録を誰が、どの頻度で点検するのか、異常な勤務実態を早期に把握する仕組みをどう整えるのかが重要になる。

職員の処分と給与の返納は、今回の事案に対する措置である。行政組織として同様の問題を繰り返さないためには、処分に至った原因を検証し、実際に機能する管理体制へ改善することが求められる。

編集部まとめ

一宮市は10月29日、約2年半にわたって勤務時間中に過剰な休憩を繰り返した65歳の会計年度任用職員を懲戒免職にした。超過休憩は計971時間、余分に支払われた給与は約145万円と報じられ、市は返納手続きを進めている。管理監督者の保育課長ら4人も訓告処分となった。市は再発防止を表明したが、問題の発覚経緯や勤務記録の確認方法については明らかにしていない。長期間に及んだ不適切な勤務をどのように把握し、今後の管理体制をどう改善するのかが焦点となる。

特記事項

本記事は、2026年10月29日付の一宮市公式記者会見資料、市職員服務規則、会計年度任用職員の勤務時間・給与関係条例および同日報道を照合して構成した。971時間と約145万円は当日報道による数値であり、市の公式公表資料では個別の算定方法まで確認できていない。発覚経緯や監督者4人への具体的な措置理由について、新たな直接取材は実施していない。

Q懲戒免職となったのはどのような職員ですか?
A一宮市子ども家庭部保育課に勤務していた65歳の男性会計年度任用職員です。公用車で保育園を巡回し、文書配送や園庭整備を担当していました。
Q971時間は何の時間ですか?
A2024年4月から2026年10月までに、定められた時間を超えて取得した休憩時間の合計と報じられています。算定方法の詳細は未確認です。
Q約145万円は返納されたのですか?
A市は勤務実態のない時間に相当する支払済み給与について、返納手続きを進めていると公表しています。返納完了は確認されていません。
Q保育課長ら4人も懲戒免職になったのですか?
Aいいえ。4人に対する措置は訓告で、男性職員への懲戒免職とは異なります。
Q約2年半も発覚しなかった理由は何ですか?
A市は問題の発覚時期や具体的な経緯を公表していません。巡回業務の勤務実績をどのように確認していたかについて、追加の検証が必要です。

週刊TAKAPI 編集部/成田

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