帝国データバンクの調査では、2026年11月の食品値上げは1477品目となった。
2025年11月の150品目と比較すると、増加数は1327品目。約9.8倍という大幅な増加である。
ただし、2026年9月から10月にかけて続いた大規模な値上げと比較すると、11月は3カ月ぶりに3000品目を下回った。
つまり、前月までと比較すれば値上げの勢いは弱まっているものの、前年同月と比較すると依然として高水準ということになる。
この違いを理解することが、今回の食品値上げを読み解く重要なポイントだ。
11月に値上げする食品一覧|マヨネーズ・ソース・飲料など対象商品は?
11月の値上げで最も多いのは調味料で、全体の約44%を占める。
帝国データバンクが公表した主な食品分野別の値上げ品目数は次の通り。
| 食品分野 | 値上げ品目数 |
|---|---|
| 調味料 | 644品目 |
| 酒類・飲料 | 417品目 |
| 加工食品 | 275品目 |
| その他の食品分野 | 141品目 |
| 合計 | 1477品目 |
※その他の食品分野は合計から主要3分野を差し引いた数。
マヨネーズ・ソースなど調味料644品目が値上げ
最も多い調味料では、マヨネーズやソース類などが対象となっている。
キユーピーも主力商品の「キユーピー マヨネーズ」やドレッシングなどの価格を引き上げる。
調味料は一度の購入金額が比較的小さくても、家庭で継続的に使用する商品が多い。
そのため、複数の商品が値上げされることで、毎月の食費に影響する可能性がある。
コーヒー・ペットボトル飲料など417品目が値上げ
酒類・飲料では417品目が対象となった。
具体的な商品として、アサヒ飲料の「三ツ矢サイダー」や伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」などが報じられている。
また、コーヒー飲料やペットボトル入り清涼飲料水も値上げ対象に含まれる。
通勤・通学時や外出先で飲料を購入する人にとっては、日々の支出に影響する可能性がある。
魚介缶詰・乳幼児向け食品など275品目も対象
加工食品では275品目が値上げされる。
魚介類の缶詰や乳幼児向け食品などが中心となっており、保存食や子育て世帯が利用する商品にも価格改定が広がる。
ただし、すべてのメーカーや商品が一律に値上げされるわけではない。
実際の対象商品や改定価格は、各メーカーの発表を確認する必要がある。
食品の値上げはなぜ続く?原材料高騰・人件費・物流費が影響
今回の食品値上げは、原材料価格の高騰だけが原因ではない。
帝国データバンクが集計した2026年の年間値上げ要因を見ると、複数のコスト増加が重なっている。
原材料価格の高騰が91.7%で最多
2026年の値上げ要因で最も多かったのは「原材料高」で、91.7%を占めた。
食品メーカーは原材料を仕入れて商品を製造するため、仕入れ価格の上昇が販売価格に影響しやすい。
また、輸入原材料については為替相場の変動もコストに影響する。
人件費を理由とした値上げは過去最高の51.5%
注目されるのは人件費の増加だ。
賃上げなどを要因とした値上げは51.5%となり、2023年の集計開始以降で最も高い割合となった。
食品価格の上昇は、原材料の問題だけではなく、企業の人件費負担とも密接に関係している。
物流費・エネルギー価格の上昇も影響
食品の製造や輸送には、電力や燃料が欠かせない。
2026年の年間集計では、物流費を要因とした値上げが66.7%、エネルギー費が63.9%となった。
さらに、中東情勢を要因に挙げた値上げも27.5%に達している。
原油価格や石油由来の包装資材の価格が上昇すれば、食品の製造から流通まで幅広い工程に影響が及ぶ。
※これらは2026年の年間値上げ要因の割合であり、11月単月の割合ではない。複数の要因が重なるため、合計は100%を超える。
2026年の食品値上げは年間2万327品目!2年連続で2万品目超え
11月の値上げが注目される一方、年間を通じた食品価格の動向も見逃せない。
帝国データバンクによると、2026年の食品値上げは12月までの判明分で2万327品目となった。
前年の2万609品目に近い水準で、2年連続の2万品目超えが確定した。
年間で最も値上げ品目数が多いのは、冷凍食品やパック米飯などの加工食品で6968品目。
前年の4791品目から4割以上増加している。
特に2026年は9月から10月に値上げが集中し、この2カ月間だけで約8000品目が対象となった。
食品の値上げが一時的な現象ではなく、長期化していることがうかがえる。
食品値上げで家計はいくら負担増?月5000円・1万円の食費上昇を試算
食品の値上げが家計に与える影響は、購入する商品や数量によって異なる。
今回公表された平均値上げ率17%は、値上げ対象商品の価格改定率であり、家庭全体の食費が17%上昇するという意味ではない。
仮に、毎月購入する食品のうち一定額の商品が17%値上がりし、購入量が変わらなかった場合を計算すると、次のようになる。
| 値上げ対象商品の従来の月間購入額 | 17%上昇した場合の負担増 |
|---|---|
| 5,000円 | 850円 |
| 10,000円 | 1,700円 |
| 20,000円 | 3,400円 |
| 30,000円 | 5,100円 |
※単純計算による試算。実際の家計負担を予測したものではない。
例えば、毎月1万円分購入していた商品がすべて17%値上がりした場合、同じ数量を購入するためには月1700円、年間で2万400円の追加負担となる。
一方、値上げされない商品もあるため、実際の負担増は各家庭の購入内容によって異なる。
2027年も食品値上げは続く?帝国データバンクの今後の見通し
食品価格の上昇は2027年も続くのだろうか。
帝国データバンクは、2027年の値上げ品目数について、2026年を下回る可能性があると分析している。
背景には、2026年秋に集中した大規模な価格改定の反動がある。
ただし、値上げそのものが終了するという意味ではない。
輸入小麦価格の上昇を背景としたパン類の価格改定など、すでに一部で新たな値上げの動きが見られる。
今後は一斉値上げから、商品ごとに価格を改定する動きへ移行する可能性がある。
価格を据え置いて内容量を減らす「実質値上げ」にも注意
今後、消費者が注意したいのは販売価格だけではない。
価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」も、食品価格を考える上で重要になる。
例えば、同じ300円の商品でも内容量が300gから270gに減れば、100g当たりの価格は上昇する。
値札だけでは分からない価格変化にも目を向ける必要がある。
食品値上げが続く中、スーパーでの買い物はどう変わる?
食品価格の上昇が続けば、消費者の購入行動にも変化が生じる可能性がある。
例えば、同じ種類の商品でも価格の安いプライベートブランドを選んだり、特売日を利用したりする動きが考えられる。
また、価格だけでなく内容量や品質を比較する消費者も増える可能性がある。
一方、小売店にとっては、仕入れ価格の上昇をどこまで販売価格に反映するかが課題となる。
値上げを抑えれば利益率が低下する可能性があり、値上げを進めれば消費者の買い控えにつながる可能性もある。
食品メーカーだけでなく、スーパーや小売店にとっても難しい判断が続きそうだ。
食品値上げはいつまで続く?2026年11月の価格改定から見える課題
11月の食品値上げは1477品目となり、前年同月の約10倍に達した。
一方、2026年秋に集中した値上げラッシュは落ち着きつつあり、価格改定の動向には変化が見られる。
ただし、原材料費や人件費、物流費などの上昇が続く限り、食品メーカーのコスト負担がすぐに解消するとは限らない。
今後の焦点は、値上げ品目数が減少するかどうかだけではない。
食品価格の上昇が続く中で、家計の負担と企業の経営をどのように両立させていくのか。
2027年に向けても、食品価格の動向が注目される。
メーカーの出荷価格改定日と、小売店が販売価格を変更する日は異なる場合があります。在庫状況や各店舗の価格設定によって、店頭価格への反映時期に差が生じることがあります。
帝国データバンクの調査では、価格を据え置いたまま内容量を減らす実質値上げも集計対象となっています。
調査はメーカー各社の発表に基づいており、同じ商品が年内に複数回値上げされた場合は、それぞれ別の品目として計上されます。
長期間保存できる商品で、確実に使い切れる場合は購入時期の調整が有効なことがあります。ただし、必要以上の購入は食品ロスや家計負担の増加につながるため注意が必要です。
食品価格の改定によって、消費税率が自動的に引き上げられることはありません。税込価格は商品の本体価格と適用される税率によって決まります。
個別商品の改定日、改定率、対象商品は各メーカーのニュースリリースが基本的な確認先となります。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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