愛知県豊橋市が公表した2026年度(令和8年度)の市民意識調査で、中心市街地のにぎわいについて、5年前と比べて「減っている」と回答した市民が31.5%に上った。一方、中心市街地の活性化に必要な施策として「魅力ある店舗・サービス業の開業促進」を挙げた割合は61.6%だった。
豊橋駅前のにぎわいは本当に減っているのか。新しい店舗の誘致を求める声に、市はどう対応するのか。
週刊TAKAPIは、豊橋市広報広聴課に取材した。担当者は、調査結果を各担当部局が今後の政策やまちづくりに活用していくと説明した。
ただし、今回の調査は市民の感じ方を調べたもので、豊橋駅周辺の歩行者数や来街者数が実際に減少したことを示すものではない。
豊橋駅前は本当に衰退している?市民意識調査で31.5%が「にぎわい減少」と回答
豊橋市が実施した2026年度市民意識調査では、現在の中心市街地について、5年前と比較してにぎわいが増していると思うかを尋ねた。
報告書23ページに掲載された主な回答は次の通り。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 変わらない | 33.8% |
| 減っている | 31.5% |
| やや増している | 21.5% |
最も多かったのは「変わらない」の33.8%で、「減っている」が31.5%と続いた。
この結果から、にぎわいが減少したと感じる市民が一定数いることが分かる一方、変化を感じていない市民もほぼ同じ割合を占めている。
また、調査対象は中心市街地であり、豊橋駅の駅舎や駅前広場だけを対象にした調査ではない。
そのため、「豊橋駅前が衰退している」と断定することはできない。
豊橋駅前のにぎわいは若者と高齢者で感じ方が違う?
豊橋市広報広聴課の担当者は、週刊TAKAPIの取材に対し、にぎわいに関する回答には年代による違いがあると説明した。
担当者によると、若い年代では、必ずしもにぎわいが減ったと感じる人が多いわけではないという。
市の担当者は、報告書23ページの年代別結果を見ることで、全体の割合とは違う見方ができると指摘した。
つまり、中心市街地の現状を考える際には、31.5%という全体の数字だけでなく、世代別の回答も確認する必要がある。
豊橋駅前に新店舗は増える?市民61.6%が「魅力ある店舗の開業促進」を希望
今回の調査で、中心市街地の活性化に必要な施策として最も多く挙げられたのが「魅力ある店舗・サービス業の開業促進」だった。
回答割合は61.6%に達した。
| 中心市街地の活性化に必要な施策 | 回答割合 |
|---|---|
| 魅力ある店舗・サービス業の開業促進 | 61.6% |
| 自家用車で訪れやすいサービス | 41.3% |
| 空き店舗・低未利用地の活用 | 40.0% |
新しい店舗やサービスの充実を望む回答が6割を超えた一方、自動車でのアクセスや空き店舗の活用を重視する声も4割前後あった。
ただし、調査結果は具体的なチェーン店や商業施設の進出を希望した割合を示すものではない。
どのような業種が求められているかについては、別途確認が必要だ。
豊橋市は駅前の新店舗誘致を強化する?広報広聴課に独自取材
週刊TAKAPIは、魅力ある店舗・サービス業の開業促進を求める市民が61.6%に上ったことを受け、市が新たな店舗誘致策を検討しているか質問した。
市の担当者は、市民意識調査について、各担当部局が政策に生かすために設問を設定していると説明した。
調査結果は、それぞれの担当部局が今後の政策や事業、まちづくりに活用していくという。
一方、今回の電話取材では、新たな店舗誘致事業の開始時期や具体的な予算、出店予定店舗などは確認できなかった。
中心市街地の活性化については、まちなか活性課などが担当していると案内された。
豊橋駅前の空き店舗対策や出店支援はどうなる?
今回の調査では、空き店舗や低未利用地の活用を必要と考える回答も40.0%あった。
今後、中心市街地の活性化を検証するうえでは、店舗の新規出店数だけでなく、閉店数や空き物件の状況も重要な指標となる。
市が既存の出店支援制度をどのように運用し、今回の調査結果をどのように反映するのかが注目される。
ただし、今回の取材だけでは、新たな空き店舗対策の実施が決まったとは確認できていない。
豊橋駅前の歩行者通行量は減っている?市が回答した調査の限界
市民の31.5%がにぎわいの減少を感じている一方、実際に中心市街地を歩く人の数はどう変化しているのか。
週刊TAKAPIは、豊橋駅周辺の歩行者通行量について、直近5年間の増減を質問した。
広報広聴課の担当者は、同課では歩行者数の増減に関するデータを持ち合わせていないと回答した。
また、平日と休日の通行量の違いや調査地点別の数値についても、中心市街地を担当する部局が資料を保有しているか確認する必要があると説明した。
今回の取材で明らかになったのは、市民意識調査と実際の歩行者通行量は別のデータであるということだ。
「にぎわいが減っている」と感じる市民の割合が31.5%だからといって、歩行者数が31.5%減少したわけではない。
豊橋市の市民意識は5年前と比べて変化した?市の担当者に聞いた
週刊TAKAPIは、今回の市民意識調査について、過去5年間と比較して大きな変化があったかも質問した。
担当者は、調査全体について、大きく変わっている部分はそれほどないとの認識を示した。
一方、年度によって新しい設問が設けられる場合もあり、全ての項目を同じ条件で比較できるわけではないという。
中心市街地のにぎわいや店舗開業に関する市民意識が長期的にどう変化しているかについては、過去の調査結果との詳細な比較が必要となる。
豊橋駅前の再活性化はどう進む?今後の焦点は店舗誘致と人の流れ
今回の調査結果と市への独自取材から、今後の中心市街地活性化では、店舗の開業促進、空き店舗の活用、交通アクセス、歩行者通行量の把握が重要な検証項目となる。
特に、市民の61.6%が必要だと回答した新店舗の開業促進について、実際にどのような施策が行われるのかが注目される。
また、にぎわいの減少を感じる市民がいる一方で、年代によって評価が異なることも明らかになった。
市民が求めるまちの姿と、行政が進める活性化施策にどのような接点があるのか。
週刊TAKAPIでは、引き続き豊橋市まちなか活性課への取材を通じ、歩行者通行量の推移や店舗誘致策などを確認する方針だ。
まとめ|豊橋駅前の活性化、市民の要望をどう生かすか
2026年度の豊橋市民意識調査では、中心市街地のにぎわいが減ったと感じる市民が31.5%、魅力ある店舗・サービス業の開業促進を求める市民が61.6%だった。
週刊TAKAPIの独自取材では、年代によってにぎわいへの認識が異なることや、調査結果を各担当部局が政策に活用していく方針が確認された。
一方、歩行者通行量の実際の増減や、新たな店舗誘致策の具体的な内容は、今回の取材では確認できていない。
今後、市が市民の声をどのような施策につなげるのか、引き続き検証が必要だ。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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